昔のことなんですけどふと思い出しまして。
今なら絶好のブログネタなんですけどね。
当時はまだ情報発信の類いはなにも行っていなかったですし、私自身も若く、失敗は恥ずかしいことだと思っていました。
それにしても人って悔しい思いをすると忘れないもんですね。
詐欺に遭いました
もう正確な次期すら覚えてないほど遙か昔のこと。
確か私自身は鈴印に入って間もない頃で、当然親父もバリバリの頃でした。
ってことは20年くらい前になるのかな?
その光景は今でもはっきり覚えています。
とても天気の良い月曜日の朝一。
後光のように差し込む朝日をバックに、バリッとした身なりの中年男性がご来店。
このお店で一番高い実印が欲しいのですが。
月曜日の朝一ということで、そうじゃなくても頭の回らないワタクシはパニックに陥ります。
商品知識もあまりなく、高額商品の対応もままならない頃でしたから。
慌てて上階に住む、同じように朝が弱い親父を呼びに行き、のんびり歯磨きをしていたため、急かします。
おそらくですが、本物だと信じるワタクシの慌てように引っ張られたのかもしれません。
珍しく急いで降りてきてくれました。
中年男性の堂々として所作からは、騙される気配など微塵も感じられません。
親父も頭が回っていなかったのか、お支払に関しても特に決めることなく、ただ注文だけを受けて終了となりました。
しかも急ぎで欲しいということで、他の仕事を全部中断して作業に取りかかったんですね。
なんですけど・・・
約束の日時になっても来ない♡
約束の日時が過ぎても、一向に引き取りに来られません。
当時一番高い実印でしたから、一瞬イヤな予感が走ります。
「もしかして騙された?でも一体なんのために?・・・」
当時はまだインターネットもない環境でしたから、社名から調べることもできません。
幸いご住所とお電話番号を伺ってましたので、勇気を持って電話してみました。
すると・・・
急に出張が入ってしまいましてね。
近日中に引き取りにお邪魔します。
電話が繋がってこと、また相変わらずの堂々とした受け答えに、少しだけ不安は解消されました。
ところが・・・
待てど暮らせど来ない♡
数日が経っても一向に引き取りにくる気配なし。
再度勇気を振り絞って電話するも、結局それ以来電話が繋がることはありませんでした。
繰り返される疑問。
「もしかして騙された?でも一体なんのために?・・・」
意味がわからんのですよ。
わざわざ一番高い実印を注文にして、取りに来ない理由が。
唯一考えられるのは、恨まれている可能性。
ワタクシ自慢なのが、人の名前は忘れちゃうけど、顔は忘れないんです。
でもまったく過去に覚えがなく、親父も同様でした。
どこかで相手を信じたい気持ちもありましたが、ボチボチ我慢も限界でした。
それにワタクシもまだまだ血気盛んな年頃でしたから、反撃を決意します。
決死の覚悟で望んだ対処法とは・・・納品です♡
納品♡
支払方法に関して、事前に親父と綿密に打ち合わせを重ね、記載されていた住所に向かうことにしました。
普段はいろいろと親父からストップをかけられていたワタクシでしたが、このときは「本気出していい」との許可ももらうことができました。
最高に気持ちと怒りをたかぶらせ、いざ指定の住所にたどり着くと愕然。
ボロボロ。
しかも表札の名前も、まさかの一致♡
ピンポンを鳴らすも、物音一つしません。
今ならインターフォンに顔が出て居留守を使うこともあるかもしれませんが、どうみてもそんな設備などある気配もない。
要するに不在です。
「こりゃダメだ」
残念ながら、いないことにはどうすることもできませんからね。
諦めて帰ることにしました。
とはいえ一度付いた火種はそう簡単に消えることはありません。
知り合いの弁護士さんに連絡し、相談に乗ってもらうことにしました。
そこで教わったのが・・・テレレッテレ〜♪
「内容証明郵便〜!」
そんなの書いたこともなかったですからね。
詳しく教えていただき、記載して発送。
ところが・・・先方が受取拒否とのことで差し戻されてしまいました。
万策尽きる・・・。
今なら他の方法も考えられますが、知恵も人脈もあまり広くなかった当時のワタクシには、残念ながらこれが限界でした。
後日談
それから数週間経ったある日でした。
親父が興奮気味に、こう言ってきました。
あいつとは、今回の主人公でした。
詳しく聞くと、親父が駅ビルで飲んだ帰り、たまたまタクシーに乗り込む彼を発見し、声をかけたそうです。
実印の引き取りは一体どうなってんだい!
と逃げるようにタクシーに乗り込んで行ったそうです。
ちなみに怒りモードの親父は、この世の誰よりも怖いです♡
最後に
あれ、一体なんだったんでしょ?
あえて名付けるなら「彫れ彫れ詐欺」とでも命名しましょうか?
これって一体なんのメリットがあるのか、誰かわかる人教えください♡
まあでも無理矢理自分にとってのメリットを考えると、このときから確実に人を見る眼力は変わったかもしれませんね。
おかげさまで怪しい人は一瞬で見破れるようになりました。
【怪しい人の特徴】
・身なりがきちんとしている
・所作が堂々としている
・話がやたら上手い
・自分がいかに優れているかを話す
・話を聞いているうちになぜか頭が混乱してくる
ワタクシか♡