生成AIを使うようになってから、社内のDXは一気に加速してきました。
社内データのDXは10年以上前からの課題でしたから、楽しくて仕方ない。
また、ここ最近は、kintoneに溜め込んできたデータをGoogle Workspaceへ移行する作業も完了しました。
ところが、この移行作業は、単にスクリプトを書いてもらえば済むような簡単なものではありませんでした(^_^;
データの抽出、添付ファイルの処理、命名規則の整理、フォルダ構造の見直し、ログの記録、例外パターンの対応など、いやーこれがメッチャ大変。
最初のうち、私はこの一連の作業をGeminiに任せようとしていたんですね。
コード生成の精度が高く、かつGoogleまわりのプロフェッショナルですから。
「全部任せたら楽になるだろう」と思っていたんです。
ところが実際にやってみると、ある壁にぶつかりました。
どうやらGeminiは、単発のタスクには強いのですが、プロジェクト全体の文脈を抱え続けることが苦手のよう。
長く一つのチャットで相談し続けると、前提が壊れたり、話が急に噛み合わなくなったりすることが出てくるんですよ。
すると今度は、内容をまとめて次のチャットに引き継ぐ必要が出てきて、そして引き継ぎきれない部分を補足する必要が出てくる(^_^;
ちっとも楽じゃない♡
結局、Geminiに任せれば任せるほど「タスク管理をチェックする私の仕事」が増えるというジレンマ。
感覚的には、腕は確かだけれど進行管理ができない職人さんに、全部の工程を丸投げしてしまったような状態でした。
Geminiは「部署」として使うと真価を発揮する
ただ、Geminiは使えないってわけじゃ、ありません。
むしろ単発のコード生成や、仕様が固まった作業では圧倒的な力を発揮します。
そこで気づいたのは、AIにも「向いている役割」と「向いていない役割」があるんじゃないか?ということでした。
・Geminiは専門性の高い“実務部署”向き。
・一方で、長い文脈や、変更履歴を抱え続ける“本部”仕事は得意ではない。
これに気づいたとき、結構衝撃でしたよ。
なので、AIも人間と同じように「部署」で使うべきじゃないかと!
ChatGPTは“経営者”っぽい
AIの役割を考えていく中で、はっきり見えてきたことがあります。
それは、ChatGPTはまるで“経営者”のような性質を持っているということです。
・全体を俯瞰できる
・変更点や履歴を自然と繋ぎ直せる
・プロジェクトの軸をブレさせない
・判断と整理が速い
・「次に何をするべきか」を示してくれる
・知らないことでも自信を持って言い切れる♡
これは、現場の職人ではなく、まさに「本部」や「経営者」が持つ気質ではないでしょうか。
なので試しに、本部をChatGPTに委ねることにしました。
ChatGPTは、こちらが「こう進めたい」と伝えるだけで、目的に向かって段取りを整え、必要な部署に指示を出す準備を整えてくれます。
いわゆる“丸投げ”が成立するのは、経営者的な視野を持つChatGPTが強いんじゃないかと。
AIの組織図をつくった
こうして改めて、AI全体を“組織”としてまとめ直しました。
・本部(ChatGPT)
・部署(Gemini)
本部となるChatGPTは、プロジェクトの履歴・仕様・方針・優先度などを一元管理。
そして必要に応じて、Geminiの各部署に的確な依頼を渡す。
実際の会社組織とまったく同じ仕組みです。
Google Workspace側の運用も、本番環境で動き始めた
現在、Google Workspace側で実装完了し、実務として動き始めています。
kintoneのデータをDriveに整理し、スプレッドシートでログを管理し、ファイルの命名規則を整える作業が完了。
ざっくりまとめると・・・
「kintoneでアプリごとに分かれていた内容をスプレッドシートのタブでまとめ、添付ファイルをGoogleドライブにまとめた」
そんな感じです。
しかも都度自分の使いやすいようにチューニングもできますから、本当夢が実現した感覚。
DXって恐ろしく地味な作業の連続ですけど、自分でも想像がつかなかった今のシステムができあがった嬉しさは格別ですし
この部署分けシステムを採用してからは、完全に加速しました。
部署を絵文字で可視化するという工夫
またChatGPTとGeminiのやり取りをスムーズにするために、本部ではGemini側の部署名を「絵文字つき」で管理することにしました。
視覚的に一発で判別でき、チャットが増えても迷いません。
具体的には次のような部署をつくっています。
📝 GAS開発部(コード生成・デバッグ)
📊 分析・関数部(スプレッドシートの式)
📁 Drive構造整理部(フォルダ構造の最適化)
📘 ナレッジハブ構築部(Google Sites)
🗃 周辺ツール統合部(Notion/Dropbox)
そして本部のChatGPTでは、こう依頼します。
「📝GAS開発部で、この仕様をコード化してください」
「📊分析・関数部で、この集計ロジックを式にしてください」
まさに、AIを部署に分けて仕事を振るイメージです。
最終的に気づいた“丸投げできるAI”と“丸投げできないAI”
運用を続けると、さらに決定的な違いが見えてきました。
Geminiに全部任せると、タスク管理や進捗の把握はすべて私の仕事になる。
彼らは優秀ですが、現場の専門職のように、工程管理そのものは苦手みたい。
一方で、ChatGPTは“経営者”のように全体を把握することは得意ですが、細かいコード生成になるとすぐフリーズする。
同じく優秀なんですけど、現場作業が苦手な感じ。
だからそれぞれに得意分野を最大限活用するため、本部をChatGPTに、部署をGeminiに。
結果として、これまでの細かいチェックに追われる状態から、ChatGPTに「こうしたい」と方針を伝えるだけでプロジェクトが一気に進むようになりました。
コードが書けない人間でもDXはできる
今回のプロジェクトを通して、もうひとつ痛感したことがあります。
私はエンジニアじゃないので、コードが書けません。
それでも、生成AIを適材適所で配置することで、kintoneからGoogle Workspaceへの大規模な移行が完了しました。
必要だったのは、高度なプログラミングスキルではなかった。
「どの仕事を、どのAIに任せるか」を経営者の視点で考えること。
人を配置するのと同じように、AIにも役割を割り振ることでした。
本部としてChatGPTに全体像と履歴の管理を任せ、
現場の実務としてGeminiにコード生成や細かな処理を担当してもらう。
この構造をつくっただけで、膨大で複雑だったはずのDXが、現実的なスピードで動き始めました。
結論:AIも人も、結局は「適材適所」
どのAIが一番すごいか、という話はよく目にします。
でも実際の現場でDXを進めていると、だんだんと別の問いが見えてきました。
「この仕事を、誰に任せるのが一番いいか?」
人間の組織でも、AIでも、問うべきはそこだと感じています。
経営者型のChatGPTに本部を預け、専門職のGeminiに実務を担当してもらう。
コードが書けない立場であっても、経営者の視点でAIを配置すれば、DXは十分に実現できる。
AIをどう配置するか。
そこに気づくと、仕事は驚くほど滑らかになります。
AI時代の仕事の進め方は、「適材適所」をどこまで徹底できるかにかかっているのかもしれません。