お客様との会話の中には常にヒントが満載です。
残念ながら私たちにとっては印章は日常です。
だからなかなか新鮮な感覚って案外忘れがちになっちゃうんですね。
そんな中、お客様は購入を通して真剣に向き合われます。
つまり印章のことを真剣に考えられた方の言葉は常に本質を付いています。
「ちょっとハンコ押すだけだから」が命取り
そのお客様の体験談はこんな言葉と共に始まりました。
「もし鈴印さんにお世話になっていなかったら、印章の大切さを伺っていなかったらと思うとゾッとしますよ。」
そして続けていただきました。
「以前から知っている方から突然土地の売買契約にちょっとだけ名前を貸してくれないか?との電話がありました。『大丈夫です。団体名義だしご迷惑は決しておかけしませんから、ちょっとだけハンコ押してもらうだけですから。』もしかすると昔の自分なら押しちゃったかもしれません。だけど心配になって聞いてみると、印鑑証明書も必要だっていうじゃないですか?実印でしょ?ってことは公文書でしょ?それは簡単に押せないんで、きちんと書類見せてくださいって伝えたんです。するとそのまま電話を切り数日後に『あ〜あの話は別の方に頼んだから大丈夫です』でした。危なかったですよ笑」
言葉の端々から、実印を押すことに対する重みを感じられなかったそうです。
それが「ちょっとハンコ押すだけだから」発言に繋がったのかもしれませんね。
何が怖いって実印を押すことは意志の担保ですからね。
後から「やっぱアレなしで」が効かないんですよ。
「そんな話聞いてない。そんなこと言ってない。」が通用しません。
全てを認めた意志の証として押すのが印ですから。
「ここにハンコを押すことくらい自分で決められなきゃ社会人失格ですよ」
ちなみにこれは私の体験。
大学生&一人暮らし1年目の私。きちんとした身なりの新聞の勧誘の方とのやり取りでした。
先方も、知識や経験値の低い一人暮らしの学生は落としやすいのかもしれませんね。
確かに1Kやワンルームマンションに住んでた時は、勧誘も多かったです。
とはいえ学校では新聞勧誘の話題は日常茶飯事。
あんな風に勧誘されたとか、こんな風に勧誘されたとか。
じゃあウチに来たらああしよう、こうしよう的な。
無駄に正義感の強かった私は、論破しようと張り切っているワケですよ。
でも相手はプロ。
素人のしかも一人暮らし一年生じゃ太刀打ちできませんw
気がつけばもう二時間。
何を言っても言いくるめられ、徐々に考えて言い返す力が麻痺してきます。
なんかもうめんどくさくなって「じゃあ今から親に電話して聞いてみます。」という私にその方はこう答えました。
「あなたがね、色々不安に思う気持ちは分かります。慎重なことは大切です。だけどこうして一人暮らしをしている時点であなたは立派な社会人です。社会人には責任があります。だから自分の意思は自分で決めなきゃいけない。ハンコを押すことくらい自分で決めれらなきゃ、社会人失格ですよ。」
それまで身なりもちゃんとしてるし、もしかして信用できるのかな?なんて実はちょっと迷ってたんです。
だけど最後の一言で「このやろ〜」って思っちゃったんですよね♡
だって親父からは「ハンコだけは迷ったら押すな」って言われてましたから。
逆にそれを思い出して、その話をして帰っていただいたってことを考えると、もしかすると藪蛇だったのかもしれませんね♡
2時間粘って疲弊したのはお互い様でした♡
最後に
繰り返します。
迷ったらハンコだけは押さないでください!
今の日本においては捺印が最も有効な意志の証明です。
つまり契約の際に相手が最も必要とするのは、あなたの印鑑なんです。
だから相手に言われるがままに押してはいけません。
だってそれが相手の目的なんですから。
どっかで聞いたことありませんか?
お前が消えて喜ぶ者にお前のオールを任せるな♪
気になったらググってください♡
迷ったら押さないでください。
そしてその時は、あなたが消えたら困る人に相談してください。