これまで鈴印では、社内のデータ管理にクラウドサービス「kintone（キントーン）」を使ってきました。
使い勝手もよくて、当初はとても重宝していたのですが、長く使ううちにいくつかの課題も見えてきたんです。
kintoneを手放そうと思った理由
一番の理由は、やはり「コスト」。
導入当初は月額7,500円ほどだった利用料が、気がつけば9,900円に。
そして実は半年ほど前、「来年の10月からは、およそ2万円ほどに値上げされる」との衝撃の内容を耳にすることに・・・
もちろんサービスの価値を考えれば、ある程度の価格改定は理解できます。
ただ、小さな事業にとって毎月の固定費が倍になるのは、やはり厳しいのが本音です。
もうひとつの理由は、いわゆる「データの人質感」です。
kintoneは非常に便利な反面、標準機能では、レコード（文字情報）は書き出せても、「添付ファイル」を一括で書き出すことができないことを知りました。
（公式ヘルプでも「1つずつ保存」が案内されています）
そのため、すべてのデータを取り出すにはAPI（専門的な連携機能）の知識が必要になるそうで、私のような文系人間にとっては、「データが取り出せない」ように感じてしまう構造でした。
また、データを預けている以上、値上げと言われても、どうしても逆らえない。
正直に言えば、「一度入ったら抜け出しにくい」仕組みに少し疲れてしまった、というのが正直なところです。
AIが背中を押してくれた「Google Workspace」への移行
とはいえ、値上げの通知を受けてからしばらくは、具体的にどうすればいいか分からず、ずっと悩んでいました。
長年蓄積してきた膨大なデータを、どうやって安全に取り出し、どこへ移せばいいのか・・・。
別のクラウドサービスに移すのか？SSDやNASなどのハードディスクに移すのか？別のシステムに乗り換えるのか？
そもそも現在kintoneで使っている構造をそのままに、移行することなど可能なのか・・・？
そこで、まず相談したのが「ChatGPT」です。
現状を説明し、kintoneから添付ファイルも含めてデータを書き出すスクリプト（プログラム）を作ってもらったのですが・・・これがエラーの連続で、一向に進みませんでした(^_^;
まあスキャンしたとき、そのままの「データ名」をすべて「ファイル名」に変更した上で、エクスポートと結構な難題でしたので。
「これはもう無理かもしれない。すべて手打ちし直すか」と諦めかけていた時、友人に教わって相談したのがGoogleの「Gemini」です。
ChatGPTでうまくいかなかった経緯も含めて改めて相談したところ、ものの数秒で完璧なスクリプトを生成してくれました。
移行の最大の壁だった「kintoneからのデータ取り出し」作業。
「添付ファイルを一括ダウンロードし、番号をもとに自動でファイル名を変更する」…そんな、手作業なら何時間、いや何日かかるか分からない複雑な作業が、一気に解決した瞬間でした。
そして、無事にデータを取り出せる目処が立ったところで、改めてGeminiに「このデータの、次の移行先」についても相談しました。
そこで提案されたのが、より柔軟でオープンな環境である「Google Workspace」だったのです。
まさに、
「ChatGPTでは解決できなかった『実作業（手を動かす）』問題を、Geminiが一瞬で解決し」
「さらに、次の進むべき『地図（方向性）』まで示してくれた」
そんなAIの進化と、得意分野の違いを強く実感した出来事でした。
データを「運用する」体制へ
こうした経緯もあり、現在はひたすらダウンロード中・・・
完了次第、Google Workspaceへの移行を一気に進めていく予定です。
決め手になったのは、もちろんコスト面も。
今回大活躍してくれた「Gemini」は、「Google One AIプレミアムプラン」で利用できるのですが、これが「Gemini Advanced」の利用権と「2TBのストレージ」がセットで月額2,900円。
G Suite（現Workspace）のアカウントを持っていれば、そのまま紐付けられます。
もしkintoneを使い続けていれば、来年から月額約2万円になっていた固定費が、月額2,900円（※）で収まる計算です。（※ストレージ代として）
これは、小さな事業者にとってあまりにも大きな差です。
ファイルもコメントも、すべて自分たちの手の届く場所（2TBのクラウド内）で管理し、必要なときにすぐアクセスできるようにする。
長年の蓄積を整理しながら、シンプルで持続可能なデータ管理の形へ。
今後はデータを“預ける”のではなく、“自分たちで運用する”体制を整えていきます。
これで長年彷徨い続けてきたデータの管理体制も、ようやく安定しそうですね。
最後に
まさかChatGPTに初めて触ったときに、ここまでのことが自分でできるようになるとは思いませんでした。
おそらく今まで以上に快適な環境に整うと考えると、もうワクワクが止まりません。
でもそろそろ仕事しないと♡
