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辞書は与えられるものではなく、見つけるもの

2017.10.07
考え

辞書に限らず本全般に言えますけど「これ読め」って言われたのって、いつになっても読まなくないですか?

だけど自分で見つけた本なら一気に読んじゃうし、辞書なら必読になる。

特に最近は辞書も増えてますし、本や作品集を読む機会も突如増えました。

理由を考えると知識欲が高まってるのかもしれませんね。

 

作品集から受ける影響

最近のお気に入りは小林斗盦さんの作品集。

現在落款印のご注文を多数いただいてまして、制作に当たってまず自分のモチベーションを上げたいワケですよ。

まあどんな仕事でも一緒でしょうけど、気持ちが乗ってる時は良い仕事ができるし、落ちてるとそれなりになっちゃう。

印章彫刻って一種の自己満足の部分も多々あると思っていますが、だからこそこのモチベーションが最も重要。

まあその気持ちを例えるなら、学生時代に黒板に書く文字が綺麗な先生の授業だと、自分のノートもなぜか綺麗に書きたくなる。

だけどきったねー文字だと、不思議と汚くなる♡

まあ多かれ少なかれ人は人の影響を大いに受けますからね。

そんなワケで落款制作に臨む際は、まずは過去の偉人の作品集をぼんやり眺めます。

やっぱ偉人の作品は超絶ですからね。

どんどんテンションが上がっていくワケです。

これは人によるかもしれませんが、ワタクシの場合は色々見るよりは1人の人の作品を見続ける派。

多分これはお客様のご要望だったりその方のイメージなのかもしれませんけど、なんとなくあの人のを見たい、ってなるんですよね。

作品集はそんな感じで制作において、個人的にとても重要なんですね。

そんな中先日出会ったのが小林斗盦作品集。

この方は篆刻家として初めて文化勲章を受賞した偉人。

実は職人時代に日展の展覧会を上野の森美術館に見に行った時に、たまたまいらっしゃったんですね。

当時から色々学んではいたんで、まるで芸能人に会った時のように興奮して握手していただいたコトをよく覚えています。

当時は金髪ロン毛で、青いレンズのメガネをかけ目つきも悪く、紫の花柄シャツに、アクセサリージャラジャラのワタクシだったにも関わらず快く笑顔で握手してくれたコト、心より感謝します♡

ほぼヤンキー♡

ちなみにこちらの作品集は、まだ購入可能のようですので、リンク貼っておきますね。

小林斗盦 篆刻の軌跡はこちらから

辞書は与えられるものではなく、見つけるもの

鈴印も三代に渡ってますから、辞書も凄く多いんです。

そしてその中でも祖父が愛用していてボロボロの辞書もあったり、親父のもあります。

だけど不思議とそれは見なくなっちゃうんですね。

まあ親父と一緒に仕事していた際はイメージを共有しなきゃいけないと思い同じのを揃えて見ていたんですけど、亡くなって時間が経つと離れてしまいました。

なんかね、イメージと合わないんですよ。

それよりは俺が好きなこっちの方が参考になるって感じで。

もしかすると将来的に親父が使っていた辞書が良いと思うのかもしれませんけど、今は違う。

でね、これは個人的な意見ですけど、じゃあそれが残っていたからラッキーってなるかっていうと、それよりはその時に身銭を切って手に入れた方が価値があると思っているんです。

やっぱ何かと引き換えに得たものは大切にしますからね。

そんなワケで、与えられるよりは見つけた方が、より価値も高まると考えています。

最後に

職人って、親子でも作品は異なります。

祖父や親父の文字は今見ても物凄いと思うんですけど、それに近づけようとするとおかしくなっちゃうんですよ。

血が濃いからなんでしょうかね?

だから全く違う方の作品の方が、すっと入ってくるんですね。

あくまで感覚の話なので正解はないと思うんですけど、特に親父のに近づけるのがとても大変。

嫌なんじゃなくて、途方に暮れちゃうんですね、遠すぎて。

多分「あの親父がこんなすごい文字書いてたの?」って、違う感情が出てきちゃうのも大きいのかな?

結局いつまでも親子なのかもしれません。

だから与えられてもスッと入らない。

やっぱいつまでも「これは俺が自分で見つけたんだ」そんな親に対する反骨心が、ベースにあるのかもしれませんね。

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一生に一度の印章だから、確かな一本を。

太陽と海と夏があればだいたいご機嫌な三代目。 日々「印」を通して、誰かの価値がちょっと上がるような仕事ができたらと考えている。 手彫りの美しさに惚れ込み、ブログでその魅力や違いを発信するのがライフワーク。 書くことも話すことも好きで、気がつけば毎日ブログを更新している。 ときどき印章の話から脱線するのもお約束。 趣味は筋トレと海と長距離ドライブ。

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