長くその業に携わっていると、一般の人々が感じる常識やトレンドと感覚が離れてしまう場合があります。
「当店ではこういう傾向があります。」
じゃあ他店では?あなたはどう思う?
実はアドバイスしているつもりが、すでに時代に合わなくなっている場合だってあります。
印鑑の場合なんかは、制度というルールと昔からの慣習の間にあるために、明確な答えがなかったりもします。
でもそんな疑問を解決してくれるのは、いつの時代もお客様です。
実印銀行印に男女の区別は必要なんだろうか?
鈴印ではこれまで、男女で大きさを変えると区別もしやすいですし体裁上も良いんじゃないか?との判断で、実印も銀行印も大きさを変えてオススメしていました。
まあ衣類や器などは体格に合わせて変えますから、同じように男性の方が大きいのをドンと堂々と押し女性は小さく慎ましく、みたいなニュアンスを感じてもいたからです。
もちろんこれはルールではなく昔からの慣習で、先代からずっとそのようなご提案をしていたので疑問にも思わず続けていました。
ところが最近店頭でこのご提案をしますと、疑問に思われるお客様が増えてきました。
「なんで女性を小さくする必要があるの?と。
今朝社内会議でそれを共有しましたところ、鈴印は女性スタッフばかりですから、男女で違いがあるのは今の時代どうなんだろうか?との意見。
やはりここ最近「じゃあ大きい方で」とお嬢様用に選ばれるお客様が増えてきているそうです。
理由として、端的に言っちゃいますと離婚する可能性もあるし、一人でも生計を立てていける志を持って欲しいから。
実際に女性の方が収入が多い場合もありますし、男が一家の代表で1番の責任者って考えにも疑問が巻き起こる昨今です。
なんかですね、ハンコ屋さんで実印を作る際に女性は結婚して姓が変わるから名前がいいとか、大きさも男性より控えめがいいとか・・・
全部余計なお世話じゃね?
な心境に至った次第でございます。
なぜかそこだけ昭和感♡
ルールで決まっているならともかく、あくまでお店としてのオススメなんであれば、お店の考え方に基づくご提案でいいワケですからね。
そんなワケでこれから鈴印では、フルネームの実印であれば16.5ミリ。銀行印であればお名前の15ミリをオススメします。
最後に
実印を作る際に決め事が、フルネームか名前が苗字か?大きさは子供と大人、性別でどうするか?書体は?素材は?オプションは?・・・
それによってそれぞれ値段も違う?
などとあまりに多くて分からなくなっちゃって「じゃあそれで」なんて答えちゃった経験ってありませんか?
私自身が買い物をする際に、あまり決め事が多いとめんどくさくなっちゃうタイプです。
だから店頭でもできるだけシンプルにしたいと考えています。
実印も銀行印も、普段頻繁に人前で押す類の性質ではありません。
ここぞという場面で、その場限りで1対1で押すものです。
であれば性別などで区別せず、その想いをしっかりと主張できるようやや大き目の統一サイズでも良いのではないでしょうか。
ちなみに鈴印では大きさを変えても価格は変わりませんので、大きくしてもご安心を。
また小さい方が良い場合もご遠慮なくおっしゃってください。
ただし認印は、会社の立場によって変えてる場合も多いので、新人さんは小さい10.5ミリなど社内的に無難かもしれません。
現代はみなさんあまりに忙しく様々な情報が氾濫していますから、もう選ぶのが大変。
だからその中で分かりやすくまとめてシンプルにご提案するのも、私たちの務めかと思います。
そんな理由からこれまでと異なるご提案方法になりますが、ご理解いただけましたら幸いです。
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※こちらのブログを公開した2018年5月11日現在、サイトやブログの一部では男女でサイズのオススメが違っている箇所がございますが、修正が追いついていないためご容赦ください。追って随時更新していきます。