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拓殖(つげ)の印は水にも弱い

2019.11.01
印鑑を使っていて困った時

先日この辺りで猛威を振るった台風19号。
まだ復旧できない店舗などもあり、少しでも早い回復をお祈り致します。

これまで何度か申し上げている通り、この辺りで水災ってほとんどありませんでした。
そのため私自身備えの意識も低かったですし、知識もあまりありませんでした。
そして印章についても初めての事例を知りました。

拓殖は水にも弱い

ご近所のお客様がご来店。
まだこの辺りで台風の話は時候の挨拶。「どうでした?」から会話が始まります。
聞けば残念なことに今回被災され、今はその諸々の手続きに追われていらっしゃるそう。

「水没して膨張しちゃって、作り直しをお願いします」

恥ずかしながら私自身初めて聞く事例で、一瞬戸惑いました。
でも確かに拓殖などの木材は膨張します。
温度での変化もありますし、朱肉による膨張もあります。
木ですから、水に染みることで当然膨らみます。

では実際に数値で確認すると、作った際は18㎜の会社の代表者印。
これが水没により約20㎜。つまり直径で約2㎜も膨らんでるんですね。
さすがにここまで違うと銀行でも「違う印」となってしまいます。

この方は他にも水牛や象牙でも作られていました。
伺うとやはり、それらは問題なかったそうです。

最後に

なんだかんだで法人印として数が多く流通しているのは拓殖です。
それらは火災はもちろんのこと、水災でもダメになってしまいます。
ちなみに水によって膨張した印は、乾燥させても元には戻らないそうです。
つまり登録印として使い続けることも、再利用することもできないということになります。

それらのことを鑑みて、念のために印章は、高い場所に移しておいた方が良さそうですね。

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太陽と海と夏があればだいたいご機嫌な三代目。 日々「印」を通して、誰かの価値がちょっと上がるような仕事ができたらと考えている。 手彫りの美しさに惚れ込み、ブログでその魅力や違いを発信するのがライフワーク。 書くことも話すことも好きで、気がつけば毎日ブログを更新している。 ときどき印章の話から脱線するのもお約束。 趣味は筋トレと海と長距離ドライブ。

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