密かに3年前のあの日から懸案事項でした。
鈴印の印章は全て、彫刻後に1本1本丁寧にバフがけをして磨き上げています。
それまで全く知らない分野のバフがけでしたが、方法や道具は親父から教わり続けていました。
他を知らないから特に疑問にも思わなかったんです。
「言うほど綺麗になっているかな?」なんてささやかな疑問を持ちつつも、それまで。
ところがある日、印材の製造メーカーさんにお邪魔した際に、バフの成果が驚くほど違っていたことに衝撃を受け・・・
鈴印のバフは洗濯機改造型だった
工場の担当の方と色々ヒアリングを重ねた結果、ウチのバフが驚くほど光らない理由は、バフのトルクとの結論に至りました。
そういえば昔、親父から聞いたことがありました。
ウチのバフは親父が洗濯機をバラし、その中心のモーター部分のみを応用して制作したもの。
ワタクシに似ず、器用な親父だったんです♡
やはり家庭用洗濯機のモーターですからね、業務用には物足りない。
でもあの親父のことですから、もしかするとその弱目の回転が理想だったのかもしれない。
じゃないかもしれない♡
まあトルクが低い方が扱いやすいのは間違いありませんから。
弱い力で回りますから、その分弾き返す力も弱い。
鈴印の場合、バフは完成した印章を磨くために使いますから、万が一でも失敗すると最初からやり直しです。
ちなみにそんな話を過去にもブログに書いていました。
ただワタクシには理想がありました。
とある靴の修理屋さんの方がこうおっしゃっていました。
「どうせなら綺麗な方がお客さんも嬉しいじゃん?」
そちらにお願いすると靴底の張り替えだけを頼んでも、アッパーまで驚くほど綺麗にしていただけます。
目標はそこでした。
新品の場合はこれまでのバフでも問題ないんですよ。だってそもそも汚れていないから。
問題は彫り直しの時だったんです。
ずっと靴の修理屋さんの話が頭に残り、だけどそこまで綺麗にならないバフ。
だからこそ印材の工場で目の当たりにした輝きには衝撃を受けたんでしょうね。
じゃあ新しいの買えばいいじゃん?
ところがなかなか高額なんです、、、汗
そのため一度は諦めていたそれらが、突如として簡単に再現できることに気がつきました。
改造物語
力があるモーター?あるじゃないか良いのが!
ワタクシ自身、刃物を研ぐ際に最初に角度を決めるためにグラインダーを使います。
そしてそれの反対側が空いている。
じゃあそこに付けよう。
バフ布は、すでに稼働させているメーカーさんに聞いてちょうど良さげなサイズと厚みを購入。
グラインダーの片側を稼働させるために近くのホームセンターに足を運んだところ、展開図まで送っていただき必要パーツのみを購入。
まあワタクシこの手の作業はあまり得意ではありませんけど、全てはお客様の笑顔のため(本当です♡)
よく考えたら磨くの好きなんですよ。
車やら靴やら革ジャンやらシルバーアクセなど、時間があれば磨き上げていましたからね。
そんなワケでようやく昨日全てのパーツが揃い、早速組み立てスイッチオン。
最後に
完成のビフォーアフターは以下をご覧ください。
3年越しの目標達成です!