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仕上げはドキドキしながら磨き上げます

2016.02.04
印鑑の物話

どんなお仕事でもそうですが、一般のお客様が知らない舞台裏があります。
別に知らせたくないワケじゃないんだけど、自分じゃ当たり前すぎて気がつかない。
でもやはりお客様とのやりとりの中で発見するんですよね。
なので今日はそんな舞台裏のことを書いてみます。

仕上げはドキドキしながら磨き上げます

鈴印では実印の彫刻が完成して、お客様にお納めする前に磨きをかけます。
やっぱ手で彫っていきますからね、どうしても過程では多少の汚れも付着します。
手の汚れには気を使い、毎回手を洗ってから作業はしてるんですけど、完全には避けられない。
ワタクシ、ハンドクリームのような手がべたつくのが苦手なのも、この手に付いたモノが実印の材料に付着する感覚が嫌だからです。
でも避けられない。
気を遣ってるアピール♡

まあ実際はほとんど汚れが付着するコトなんてないんですけど、やっぱ最後はピッカピカに磨き上げてからお渡ししたいです。
とは言えですね、これが本当に神経をすり減らす作業。
だって回転してるバフに擦り付けるようにして磨きますから、ちょっと角度を間違えると弾き飛ばされ、一瞬にして破損してしまいます。
まあ具体的には枠が欠けて商品になりません。
仮にまた彫り直すって仮定した場合、材料はきっちり規格で6センチになってますし、ケースもその長さぴったりにできてますから、短くなったらケースの中でスカスカになってしまいます。
そもそも一度失敗した材料を彫り直してお納めするなんてできません。
つまりどれだけ丹精込めて彫っても、最後の磨き作業に失敗すると全て0になってしまいます。

これってすごく恐ろしいのが分かりますよね?
ちなみに過去に何回かやり直し経験有り・・・
その瞬間、頭がボーッとします。
現実を受け入れられない感ですね♡

次に現実が押し寄せてきます。
また1からやり直しか〜

失敗は数回でも、その記憶はずっと残ります。
だから毎回、一瞬よぎるんですよ、その記憶が。
その恐怖に押しつぶされないように、強い心で臨みます。
だから、すっごい集中しますよ!

そこまで緊張するなら磨かないって選択肢もあるんですけど、やっぱ最高に綺麗な状態でお渡ししたい。
だからやめるわけには参りません。

とまあ長々と書いたのは、決して恩を着せるためじゃございません!
ただの気持ちの押し売りです♡

今日はせっかくなんで動画で撮ってみました。
緊張感が伝わりましたら幸いです♡

 見てるだけで手に汗かく♡

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知っておきたい印章の基礎知識を、わかりやすくまとめました。

太陽と海と夏があればだいたいご機嫌な三代目。 日々「印」を通して、誰かの価値がちょっと上がるような仕事ができたらと考えている。 手彫りの美しさに惚れ込み、ブログでその魅力や違いを発信するのがライフワーク。 書くことも話すことも好きで、気がつけば毎日ブログを更新している。 ときどき印章の話から脱線するのもお約束。 趣味は筋トレと海と長距離ドライブ。

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