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鈴印のロゴマークの成り立ち

  1. お店の話

看板

「こちらの看板が素敵でお邪魔しました」

自分たちの良さってなかなか自分たちではよく分かりません。
でも初めて鈴印にご来店いただくお客様に上記のようなお言葉をいただくことが非常に多いんです。
というコトは、この看板も鈴印の魅力の1つなのかもしれません。
なので改めてこちらについて書いてみたいと思います。

鈴印ロゴマークは親父の手書きです

私の親父は自社のブランディングをとても大切にしていました。
かといって誰かに頼るのではなく、自分の感性で作り上げていました。

現在鈴印のブランドロゴ(シンボルマーク)はこちらです。

シンボルマーク

 

こちらは親父の手書きの文字なんですが、この文字が完成するまでの経緯をご紹介したいと思います。

まずは文字ありきで始まったワケではなく「看板を作ろう」という目的で始まったそうです。
そしてその看板のヒントは、とある浅草の割烹料理屋さんだったそうです。
親父が気に入って都内に行く際は必ず行くお店。
そちらの看板は、白い背景に筆文字で外側に格子の枠が付いていた。
その看板に惹かれ素材や大きさをお店の方に教えていただき、持ち帰って制作。

そしてお店のシンボルとなるマークがないことに気づき、まずはそこから。
お店の名を入れるか?それとも全く違うモノか・・・
いろいろ悩んだ末に出して結論は、自社の原点だったそうです。

自分たちは印章の仕事をしている。そして印章の基本は文字。その中でも最も馴染みの深いのは実印などの文字にも使われる篆書(てんしょ)。
やはり毎日書いている文字だけに、得意分野でもありますからね。
そしてハンコは総じて「印」となる。
だから篆書で「印」という文字にしよう。

そうして方向性が決まり、お店のカウンターに半紙を敷き詰め、片っ端から一気に書いていったそうです。
その様子を傍で見ていた母は「鬼気迫るって言葉がぴったりな雰囲気だったよ」と懐かしそうに話してくれます。
大量に書き上げたその中から1つだけキラリと光る作品を見つけ、その1枚が現在のマークになったワケです。

そしてこういった看板に欠かせないのはやはり落款印。
落款があるだけで歴史と重厚感がプラスされますから。
なので当時の社名「鈴木印舗」の落款を彫り、それを組み合わせて作り上げたそうです。

シンボルマーク

現在の鈴印ロゴマークの成り立ち

ポスター

現在は店頭にこのような形で展示しております。

親父の作ったロゴマークを前面に押し出した、カケラデザインさん制作をお願いしましたポスター。
手書きの文字が現代風に見事にアレンジされています。
こちらの隠れ秘話も少々。

親父の手書き文字の他に、株式会社鈴印の手書きの文字もあるんですが、この文字のベースは祖父の手書きの文字。

鈴木印舗

この文字の「有限会社」と「木」と「舗」を取りました。
そこに「鈴」と「印」に合わせて私が「株式会社」を書いたのが現在の社名のロゴ文字

株式会社鈴印

ちなみに楽観はあえて当時の社名の「鈴木印舗」を使っています。
これは私のルーツの旧社名を残したい想いからです。
そしてその手書きのそれぞれのパーツに、あえてPCフォントの「プレミアム印章専門店SUZUIN」を組み合わせて、新しい鈴印の象徴としていただきました。

カケラ氏曰く「もともとの素材が素晴らしかったので、バランスを整えるだけでした」

最後に

自分の周りの風景は、時間の経過とともに良くも悪くも馴染んでしまいます。
でもそれを作った人たちの想いは、新しく見る方にこそより伝わるんだと思いました。

「素敵な文字ですね」

1つの看板ですが、1つのポスターですが、様々な匠の技術の結晶です。
そんな自分のルーツをお褒めいただいた瞬間は、なんとも言えない嬉しい気分になりますね。
本日ご来店いただきたお客様の一言で、そんな物語を思い出し記しました。

 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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