「ひらがなやカタカナで美しい実印を作りたい」というご要望をよく耳にします。
なぜならお名前がひらがなやカタカタの場合、多くの方が直面しているのは、「ひらがなやカタカナだとかっこいいハンコが作れない」という悩みだからでしょう。
でも、そんなことはありません。
私たち鈴印では、あなたのお名前がひらがなやカタカナであっても、印相体を駆使して、他にはない美しさと個性を兼ね備えた実印をお作りします。
なぜ印相体が最適なのか、その秘密をここで明らかにします。
この記事では、PCフォントと手書きの違いから始まり、鈴印独自のSK印相体シリーズの紹介、そしてひらがなやカタカナの名前でも印鑑登録が可能である理由まで、詳細にわたり解説していきます。
おかげさまで俺まで数多くの制作実績があり、かつ実際に多くの方々に愛され選ばれ続けています。
鈴印では、ひらがなやカタカナの名前でも美しい実印を作ることができます。
あなたの名前の可能性をぜひ感じてみてください。
2017年4月7日に書いたブログですが、2022年2月19日に、2023年12月9日に、また2024年2月22日に再びリライトしました。
ひらがなやカタカナは、日本独自の美しい文字です
日本が誇るひらがなとカタカナは、柔らかく流れるような曲線とシンプルながらも印象的な形状で、世界に類を見ない美しさを持っています。
ひらがなは元々、中国から伝来した漢字から日本で派生したものです。
西暦900年頃の平安時代に、万葉仮名をくずして簡単にしたルーツを持ちます。
カタカナも誕生時期は同じ頃ですが、くずしたひらがなに対して、一部を抜き出したものが起源と言われています。
しかし残念ながら由緒正しいひらがなやカタカナの美しさも、印鑑という形で表現しようとすると多くの問題に直面します。
一般的な印鑑は、認識性や公式性を重視して設計されるため、文字の美的要素を最大限に引き出すことが難しいのです。
特にPCで作成されるフォントは、文字の本質的な曲線やバランスを損ねてしまいがちで、その結果、本来持つべき美しさや特徴が十分に反映されない印鑑が多く見られます。
本来ひらがなやカタカナの持つ繊細な美しさや文字としての個性を活かすためには、芸術的な観点からのアプローチが必要なんです。
文字それぞれの形状や流れを大切にし、手書きのような温もりと自然な美しさを印鑑に反映させることで、文字本来の魅力を最大限に引き出すことができます。
それでは次に、印鑑として美しくならない原因をご紹介します。
美しくならない原因は印鑑作成プロセスにあります
PCフォントと印鑑は相性が良くない
原因は大きく分けて2つありますが、いずれもPCフォントを使用していることが原因となっています。
・PCフォントは美しくない場合が多い:機械彫りの印の多くはPCフォントを基にして作られますが、ひらがなやカタカナの柔らかな曲線とは相性が悪く、結果として不自然な形になりがちです。
・四角い文字と丸い印鑑の不一致:フォントはまず四角で構成されますが、丸い印鑑の中でそれを使うことは、文字の美しさを損なう主な原因となります。
具体的に2つの書体で見てきましょう。
PCフォント篆書
漢字なら多少”らしく”なるPCフォント篆書も、ひらがなの場合こんな残念な感じになってしまいます。
具体的には、濁点の有無で幅や高さも変わってしまい、「す」の方が「ず」より大きく見えるなど、非常にバランスが悪いです。
PCフォント古印体
書体が変わっても同じような問題が発生し、こちらもまた「す」の方が「ず」より大きく見えてしまっています。
これが文字を四角の中に納めるフォントの弊害でもあります。
それより何より問題なのが、実印らしさを感じることができない点です。
手書きなら自然に文字を作ることができる
それらの問題の対処法として、鈴印では以下のアプローチをとっています。
正しく言い直すのであれば、鈴印は印鑑のPCフォントが誕生する前から営んでいるため、こちらが印章制作のルーツとも言えます。
手書きでデザイン:文字本来の美しさを最大限に引き出します。
印相体の活用:文字の線を伸ばし、隣り合う文字や枠とつなげることで、独自の美しい流れを作り出します。
こちらも実際の制作事例をご紹介します。
手書き印相体
先ほどのPC文字と比べると、実印らしく見えることがお分かりいただけるかと思います。
ちなみに以下のような手書き文字をベースにしています。
「す」の縦線と「ず」の縦線を繋げました。
印鑑は、下の文字が大きく見える方がバランス良い傾向があります。
ここでは「ず」濁点の位置を変えることで、下部をどっしりと落ち着かせています。
また鈴印では他にも印相体をルーツとした「SK印相体」という、オリジナル書体で作ることも可能です。
SK印相体シリーズ
いずれも鈴印のオリジナルデザインとなります。
SK印相体:直線のみで構成され、力強い印象を与えます
SK印相体Ⅱ:直線+一部曲線で、柔らかさとスタイリッシュさを兼ね備えます
SK印相体Ⅲ:細い直線で描かれる、一番グラフィカルなデザインです
中でも一番人気のSK印相体Ⅱの実例をご覧いただきたいと思います。
幾何学的な構成のSKシリーズですから、かなりスタイリッシュな雰囲気に変わります。
SK印相体のさらに詳しくは以下にまとめてますので、さらに深く興味が湧いた方がぜひご覧ください。
そして特筆したい点は、これらの書体は全て印鑑登録が可能な点です。
では次に印鑑登録できるできないの問題を見てきます。
鈴印のひらがなカタカナの印相体は全て、印鑑登録することもできます
インターネットで調べていると、似たようなグラフィカルな文字を見かけることもありますが、それらは「銀行印には使えます」との表記になっています。
そのためこれらのデザインは実印に使えないと思われている方も多いようです。
確かに多くのグラフィカルなデザインは、印鑑登録できない可能性が高いです。
ではなぜ、鈴印のデザインは印鑑登録も可能なのかをご説明します。
まず一番大切なことは、印鑑登録にはルールがあるとことです。
一般的なグラフィカルな印鑑デザインはデザイナーさんが手がけている場合が多いようですが、美しいデザインと印鑑登録のルールは全く別物です。
対して鈴印の場合は、印鑑登録の有無を熟知しています。
具体的には印章字林という辞書に基づいた文字を使用し、印鑑登録のルールに沿ったデザインを行うことです。
また印相体は線を伸ばして繋げますが、漢字で言えば「田」の中央線の上下に伸ばしてしまうと「申」と誤字になってしまいます。
そのため印鑑登録可能な文字を使い、印鑑登録可能な範囲でデザインしているのが鈴印の印相体になります。
この文字を使いながら線をつなげたりして、丸の中にデザインしていきます。
先ほどの漢字同様、誤字でないかどうかを十分に精査する必要もあります。
例えば「い」と「り」や、「ら」と「ろ」などは、つなげると似てしまいます。
それを避けるため、書きながらバランスを整えていくなどの微調整も必要になります。
このように専門知識を駆使し、ひらがなやカタカナに最適で美しくデザインすることで、印鑑登録可能な印を作ることができます。
※戸籍のお名前が漢字の場合、ひらがなやカタカタで印鑑で登録はできませんのでご注意ください
ひらがなカタカナ印鑑のQ&A
最後に、ひらがなやカタカナの名前で印鑑を作る際によくある質問に答えるQ&Aセクションを設けました。
参考にしてみてください。
Q:実印だからひらがなでも重みを感じる雰囲気がいいのですが、オススメの書体はどれですか?
A:印相体がオススメです。
Q:誰も使っていないようなスタイリッシュな雰囲気にしたいのですが、オススメの書体を教えてください。
A:SK印相体Ⅱがオススメです。
Q:男なので、カチッとした凛々しい雰囲気を希望します。
A:SK印相体がオススメです。
Q:1文字や3文字の場合のイメージが湧かないんですが?
A:基本的には文字数に関係なく縦配置にしますが、見本の2文字と雰囲気は大きく変わりません。
Q:自分の名前の場合、どうなるかがわからないのですが。
A:どのようなお名前でも基本的には見本の雰囲気と大きくは変わりません
またご注文の際に「イメージチェック」をご選択いただくことで、彫刻前に1点だけ手書きのイメージをご覧いただけます
Q:注文前にざっくりとしたイメージでもいいので見たいのですが?
A:ご来店いただくか、もしくはzoomを使ったオンライン相談で手書きのラフをご覧いただくことも可能です。
最後に
今回のブログでご紹介したように、ひらがなやカタカナの名前でも印相体を駆使することで、美しくそして個性的な実印を作ることが可能です。
ひらがなやカタカナのお名前だけでなく、お苗字が漢字との組み合わせでもお任せください。
もしこれまでそのようなお悩みをお持ちであれば、ぜひお気軽にご相談ください。
私たちはお客様一人ひとりの特性に合わせて、最高の印鑑を提供することにこだわり続けます。
あなたの名前に相応しい、唯一無二の印鑑を一緒に作り上げましょう。
この記事を通じて、ひらがなやカタカナの名前でも、美しく、かつ印鑑登録可能な実印を持つことの可能性を知っていただければ幸いです。
鈴印では、お客様の期待を超える印鑑作りを目指しています。
ご不明な点やさらに詳しい情報が必要な場合は、いつでもお気軽にお問い合わせください。