朱肉には大きく分けて2種類あります。
多くの方に馴染みがあるのが、左側のスポンジ朱肉。
そしてもう一方が、朱肉の元祖ともいえる「練り朱肉」。現在でも作品づくりに使われるなど、プロから根強い人気があります。
ただしこの2つ、見た目は似ていても中身はまったくの別物。
どちらも印鑑を押すための朱肉ですが、製造方法が違うため、扱い方も大きく異なります。
スポンジ朱肉は、スポンジに朱油を含ませた構造。
一方で練り朱肉は、朱油に繊維を加えて練り上げたものです。
イメージで例えるなら…
簡単に使えて手を汚さない、靴磨き用のスポンジが「スポンジ朱肉」。
布にしっかり染み込ませて丁寧に磨く、クリームタイプが「練り朱肉」…そんな違いです。
ちょっとイメージしにくいかもしれませんが、実際に使えば違いは一目瞭然です!
2018年4月27日に公開したブログですが、2025年4月19日にリライトしました。
練り朱肉を上手に使うには?
普段から練り朱肉を使い慣れていない方が、スポンジ朱肉の感覚で力を込めて押してしまうと…
練り朱肉は粘土のような質感で、スポンジのように反発がないため、表面が潰れて凸凹になってしまいます。
でもご安心を。
私たちはほとんど凸凹にしません。
今回は、練り朱肉をきれいに使うコツを4つご紹介します!
1. 器をしっかり押さえる
器が動いてしまうと、うまく押せません。
特に練り朱肉は硬めなので、押す際の安定感が大切です。
2. 人差し指を外す【最大のポイント!】
つい力が入ってしまう人差し指。
私はあえて外して、中指と親指だけで印を持っています。
目的は、力を入れすぎて朱肉を潰してしまわないため。
とても不器用な私ですが、この方法ならうまくいきました!
手法は自由ですが、動画で紹介しているように、
軽く「トントントン」と朱肉を付けるだけで、十分きれいに写りますよ。
3. 上下をしっかり確認する
あえて言うまでもないですが…上下は確認してくださいね。
逆さまに押してしまうと、ちょっと恥ずかしいですから!
4. 「の」の字を書くように押す
これは昔からの定番。
全体を回すように、「の」の字を描くように押すことで、印影が均等になります。
人にはそれぞれ力の入り方の癖があります。
だからこそ、全体を意識して押すことが大切なんです。
最後に
何度もお伝えしていますが、練り朱肉はとにかく力を抜くことが大事です。
気持ちは分かります。大切な印鑑だから、ついグッと押したくなる。
でもその想いは、紙に押すその瞬間まで取っておいてください。
朱肉にはぶつけないで♡
それでも綺麗に写らない場合は、朱肉が古くなっていたり、表面が乾燥・粘着してしまっている可能性があります。
その場合の対処法は、過去のブログでも紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。
練り朱肉は、やっぱり色味が美しいです。
どんなに良い印章を使っていても、朱肉がイマイチだと本来の美しさを発揮できません。
素晴らしい印章と、上質な練り朱肉が揃って、はじめて印影が完成します。
そして、少しでも多くの方にこの楽しさと奥深さを知ってもらえたら…私たちは嬉しい限りです!
難しいことは何ひとつありません。
力を抜くだけで、誰でも綺麗に捺印できます。
だって超不器用な私でもできたんですから♡