【鈴印デッドストック】は、歴史ある店舗様において眠っている希少かつ状態の良い素材のみを厳選し、特別価格にてご提供する新しい試みです。
品質には徹底的にこだわり、信頼関係の元に譲り受けた最高級品のみをセレクトします。
超極上象牙を盛金丹にカスタムしました
デッドストックを開始してから本当毎回驚かされるのがバリエーションの豊富さです。
やはり自店のみですと、仕入れの際にはどうしても好みに偏ってしまいます。
ところが他店様から譲り受けているため、思いがけない素材に巡り合います。
今回ご紹介する印はお宝のように高品質にも関わらず一部に痛みが見られたため、その部分だけ新しくカスタムしました。
カスタム部分は上記画像をご覧いただくと分かりますように、盛金丹と呼ばれる上下の印です。
元々は銀の丹が着いていましたが、一部に傷が見受けられました。
そのままの分をお値段に反映してお安く提供する方法も考えられましたが、鈴印のお客様はいずれも印章を大切にされる方々です。
そのため傷モノは提供したくない。
そんな思いから、カスタムする方を選びました。
ちなみにこの「丹」、接着剤等は一切使われておらず、埋め込まれているんです。
ではなぜ落ちないのか?
図にすると以下のような感じです。
象牙で金丹を挟み込む形状です。
互いに支え合いつつ、温度で膨張する特性によって落下を防ぐという、緻密な設計となっています。
また盛り上がっている部分が多ければ多いほど引っかかり取れてしまう可能性も高まりますが、そこまでも計算し尽くして落ちないように設計されています。
もちろん金丹に使用される金は24Kです。
とまあ、途方に暮れるような緻密さがこの材料には隠されているんですね。
極上45㎜丈×15㎜丸のスペック
長さは通常の60㎜に比べ、45㎜丈とやや小振りな印。
直径は実印に最適かつ、銀行印としてもご使用いただける15㎜。
一番お伝えしたい点は、やはり品質です。
私たちは毎日印材に触れていますので、触った瞬間にある程度の良し悪しを判別することができます。
そんな中、いつものように送られてきた印材の中でも特に衝撃的な品質に巡り合いました。
うまく言葉では表現できないんですが、質感が高く、重量感もあり、吸い付くような肌触り。
「なんだ、これは!?」が第一印象でした。
せっかくですので象牙を切り出す職人さんに送り品質を確認していただいたところ、全く同じ印象を持たれたそうです。
つまり民生などの銘が入っていない材料としては、ほぼ最高級の品質であることは間違いないです。
それだけの材料でしたので、上記の通り盛金丹にカスタムし、品質に見合ったクオリティーに仕上げていただきました。
またそれだけでも希少価値の高い、鞘と呼ばれるキャップが付き、万が一の落下の際にも、極端な例としては火災の際にも印面を保護します。
ケースはもちろん印材に合わせ、新たに手作りのKFケースをご用意しました。
ちなみにKFケースはテレビ番組和風総本家にもご主演された、日本で唯一の手作りのケースを作られているメーカーさんです。
ぴったりのサイズを実現させるため、一度職人さんに印材をお送りし、それに合わせて作っていただきました。
そのため誂えた靴のように、スッと見事に収まります。
外を覆う革も、レザーの最高峰ワニ革の厳選された部位を贅沢に使用しており、使うほどに艶感も増し、手に馴染んでいきます。
最後に
鈴印デッドストックはその性質上、ほぼ全てが1本限りです。
その中でも素材の品質に関しては特別なランクに入ります。
痛みの見える状態ではなく、金丹やケースを新調して、品質の価値が最大に高まるようにカスタムしました。
このお値段でこの品質は、なかなか巡り合えないです。
だって私も偶然巡り合ったくらいですから。