過去ブログ一覧

月を選択してください

カレンダー

2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

黒水牛の法人印が残りわずかになりました

  1. 印材
  2. 14 view

これまで何度かアナウンスしておりますが、黒水牛の輸入が完全ストップしたため、現在残っている在庫をもちまして取り扱い終了となります。
現在個人向けの15ミリがソールドアウトになってしまいましたが、合わせまして法人印もかなり少なくなってしまったため、現時点での在庫数をご連絡させていただきます。

黒水牛の法人印が残りわずかになりました

まず現在の黒水牛法人印の在庫状況です。

寸胴鞘付きの在庫数

実印として人気の寸胴材。
重要な場面で上下を確認してから慎重に捺す意味で、また銀行印とは形状を変えて違いを判断するためとの目的もあります。

■寸胴材
18ミリ:5本
16.5ミリ:1本
15ミリ:5本

天丸の在庫数

銀行印として人気の天丸材。
中央がくびれているため捺しやすく、実印よりも頻度が高い銀行印に人気です。

■天丸材
18ミリ:10本
16.5ミリ:1本
15ミリ:3本

角印

角印は3つの中で一番推すのではないでしょうか。
水牛はとても丈夫ですから、欠けや摩滅の心配がなく、長くご使用いただけるのが一番の特徴です。

■角印
60×24ミリ角印:1本
60×21ミリ角印:1本

 

丸印・角印ともに大きいサイズが人気であることは、参考に補足させていただきます。

黒水牛とは

改めてご説明するのが不要なほどポピュラーな印材です。
素材は水牛のツノで、人の爪と同じ成分の「動物性タンパク質」です。
爪は指先の角質が硬化してできている、簡単にいうと皮膚の延長です。
水牛のツノも同じく、水牛の頭の角質が硬化してできています。

タンパク質であるツノ材の最大の特徴は丈夫さ。
印章を痛める1番の原因は朱肉の油ですが、その耐性が非常に高いのです。
木材は木に油が染み込んで柔くなり経年とともに摩滅や欠けの原因になりますが、ツノ材は油による劣化がなく長期間において安心してお使いいただけます。

しかも鈴印で取り扱っている小山良製の水牛は、惚れ惚れするような見事な光沢を放つのが特徴です。
丈夫で美しいにも関わらず非常にコストパフォーマンスに優れ、長らく印鑑のスタンダードとなっています。

黒水牛の特徴

改めて黒水牛の特徴をまとめておきます。

特徴1:強度

印材として同じくポピュラーな素材に柘植がありますが、水牛とは圧倒的な強度の差があります。
印章に切っても切り離せないのが朱肉ですが、朱肉には油が含まれるため、柘植の場合は染み込んでもろくなる傾向があります。
対して水牛は爪などと同じタンパク質のため、油の影響を受けません。
そのため比較にならないほど長くお使いいただくことが可能です。
参考にこれまでの体感値ではありますが、柘植の場合約10年くらいで作り替える必要がありますが、黒水牛の場合はその5倍は持つ感じです。
劣化して作り替えのコストと手間を考えますと、黒水牛の方がコスパが高いと言えます。

特徴2:高級感

漆黒の艶は角印の特徴でもある曲線を見事に表現し、見た目にも惚れ惚れするほどの高級感を醸し出します。
またこの艶は、そのまま品質の良し悪しにも左右されます。
鈴印で扱う黒水牛角印は、最高級小山良製の特上品のみで、とにかくきめが細かい。
きめの細かさが独特な艶と高級感の源泉でもあり、触れた瞬間に良いものであることを理解できます。

また重量で見ると、柘植の24gに対して黒水牛は37g。
僅か13gではありますが、人の手はその僅かな差を感じ取ることができ、持った瞬間に欲しくなる魅力も備えています。

特徴3:押し心地

誤解されている方もいらっしゃるのですが、印章は固い方が捺しやすいです。
柘植や極論を言えばゴム印などは柔らかいため、ギュッと弾力があって捺しやすいと感じるようですが、実際は逆です。

私個人的にこの特徴は椅子や靴底に共通していると思っていますが、固い方が疲れませんよね?
昔教えていただいて納得したのが、柔らかい座面や靴底は触れた瞬間は心地よいんだけど、長時間となると体重を点で支えるようになるそうです。
対して固い場合は、面で支える。
つまり疲れにくい。

話は逸れましたが、印章にも同じことが言えます。
柔らかい印の場合、ある程度力で押し込める気がしますから、捺しやすいと勘違いしやすいんです。
ところが実際は固い印面の方が平らな捺印面に対してフラットになりやすいため、スッと軽く捺せるんです。

柔らかい方が捺しやすいと感じる一番の原因は、市場に多く出回る機械彫刻が問題かと思います。
そもそもが平らになっていない印面は、力を入れないと捺せないため渾身の力を込めて捺印。
毎回力を込めますから手は痛くなるし、印章もあっという間に痛みます。
対して手彫りの固い印は、上記の通り捺印することを前提に彫っていきますから、まるで芯を食うように自然に捺せます。

黒水牛が入荷がストップした理由

黒水牛の印材は、東南アジアを中心に生息する水牛の角を原材料とします。
水牛は東南アジアで、農耕用の家畜として育てられていたんですね。
農作業に人力では限界があるため、水牛の力を借りて農作物を耕していた。
ところが近年はトラクターなどの機械化に移行しているため、水牛の個体数が激減。
それに伴って当然印章の材料も、入手困難になってきていました。

また昨今の原油高もそこに追い打ちをかけてきているようです。
その影響によって現実的ではない高価格になってしまい、メーカーさんとしても取り扱いをストップせざるを得ない状況になってしまったそうです。
そして今後の再開の見通しは現時点では全く立っておらず、将来的に再販するかどうかも全くの白紙とのことでした。

代替品の検討

まず正確な状況をお伝えしたいため、黒水牛に関してお伝えしておきますが、すべての黒水牛がなくなるわけではありません。
今回対象になっているのは、鈴印で取り扱っている小山良黒水牛のみです。
しかし残念ながら、あまり大きな声では言えませんが他メーカーの黒水牛は、質感や経年変化の少なさだけでなく、1番の特徴でもある艶感が全く違います。
いわゆる「所有欲」を大きく満たすレベルに達しておりません。
私たちとしても迷いましたが、やはり一定品質をクリアしていない素材を取り扱うわけにはいきません。
そのため在庫限りという決断をいたしました。

とはいえもちろん黒水牛に変わる商品を取り扱わないというわけでもなく、現在代替品を急ピッチで選定中です。
こちらも確定次第こちらのブログでもアナウンスして参りますので、引き続きチェックしていただけたらと思います。

最後に

法人印として価格と品質のバランスが良く、漆黒で高級感のある黒水牛は、法人様の価値を高めてくれる印材として非常に人気です。
気になる方はそろそろ最後のチャンスになるかもしれませんのでお早めにどうぞ。

黒水牛寸胴鞘付きの購入はこちらから

黒水牛天丸の購入はこちらから

黒水牛角印の購入はこちらから

 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

記事一覧

関連記事

黒水牛が新しくなりました〜ネオブラック〜

鈴印がオススメする黒水牛の新しい提案、ブラックバッファローシリーズ。今回ご紹介しますネオブラックは、どちらと言いますと男性向け。ぜひ男性の実印や銀行印にお使いいた…

  • 675 view

法人印に中トビを追加しました

ここ最近、また新しい法人に設立が増えてきているようです。また当ブログで度々アナウンスしております通り、黒水牛が輸入終了に伴い販売終了となります。それは法人印も対象…

  • 21 view

ソールドアウトのお知らせ

ソールドアウトになった商品は、デッドストックの上白でした今回ソールドアウトになった商品は、4月11日ご紹介したものですから、掲載より1週間程度でのソールドアウトに…

  • 71 view

リアルブラック、店頭設置完了

昨日ご紹介しました黒水牛の新素材「リアルブラック」店頭でも設置完了しました。写真じゃ伝わりきれない色合いの美しさは、ぜひ店頭で手にとってご覧ください。…

  • 156 view

2024年より「小判印」仕様改定のお知らせ

おかげさまで店頭ならびにオフィシャルHPでも人気の鈴印オリジナル「小判印」。理由として考えられるのは、他で同じ商品がないからだと思われます。なぜなら鈴印として別注…

  • 51 view