先日当ブログで、車でスタックしてしまった際の顛末をお伝えしました。
なかなか大きなネタだったので、まだまだ再利用させていただきます。
さて、このスタック騒動を振り返ると、結局すべては「信用」に尽きるなと感じました。
なぜなら、同じ「助けに来た人」でも、ある人は最初の一言と立ち居振る舞いだけで信用を落とし、別の人は説明と行動で信用を積み上げる。
その差が、こちらの意思決定をまるごと変えてしまう。
そんな現場だったからです。
「信用がない人」は最初の一手で自滅する
少しだけ振り返りますと、海の一本道で立ち往生。
最初に現れたのは、いきなりけんか腰の物言い、
装備も不十分、しかも自分の車まで同じ場所でスタック……。
こちらの不安に寄り添う言葉はなく、真っ先に口にしたのは「キャンセル料」。
この瞬間に、私の中で相手へのメーターは0になりました。
人は困っているときほど、発される言葉と所作に敏感になります。
「まず状況確認」「できることとできないことの明示」「段取りと見通し」
その3つがなく、代わりに自分の都合だけが並ぶと、信用は一瞬で蒸発します。
「信用がある人」は段取りと透明性で不安を消す
対照的だったのは、サーファーのみなさん、民宿のご年配の方、警察、そしてJAF。
最初のひと言が「大丈夫、押しますよ」「工程はこうです」「暗くなったらこうします」。
順序立てた説明、できる・できないの線引き、代替案。
その場でこちらの不安が一つずつ消えていくのが分かりました。
信用は情で作るものではなく、段取り・説明・実行の積み重ねでしか育たない。
それらを冷静に見極めることで、誰の言葉と行動が信用に足るかが、はっきり見えました。
もし最初の一手が違っていたら?
仮に、あの業者が本当にトラックを手配し、救助する気だったとして、
第一印象、顧客第一の姿勢、情報の出し方が違っていたら、もしかすると私は乗り換えなかったかもしれません。
つまり判断を変えたのは「信用」でした。
人と人が関わる大事な局面ほど、信用の有無が結論を左右することを体験しました。
信用は一朝一夕では積み上がらない
信用は、一回の名台詞で生まるわけではありません。
小さな「約束を守る」「説明を怠らない」「誤解を放置しない」の反復でしか育くまれない。
そして、その積み重ねは不思議と相手に伝わってしまう。
だからこそ、焦って取り繕うより、淡々と積むしかないのだと思います。
契約の現場でも、信用は姿を現す
私は印章の商いをしています。契約の場で押されるハンコは、法的な手続きのツールであると同時に、
「私はこの約束を守る」という意思表示、つまり信用の具象です。
日々、契約のプロたちはハンコを見ています。
同じ押印でも、三文判と、きちんと手を掛けた印では、
受け取る側の印象が違うのは正直なところです。
友人に、大手自動車メーカーの販売店から、高級車専門ディーラーに移った人がいます。
彼女が新天地で驚いたのは「お客様のハンコ」でした。
高級ディーラーの顧客は、高級そうなご自身の印章を丁寧に扱い、契約の所作も整っている。
車両価格の大小というより、「自分の信用をどう表すか」への意識の差。
単に高級な車や印章だからではなく、自分の信用を正しく映すものとして選ぶ。
そうした相手からどう見られるかという信用への意識が、現場にいる誰にでも自然と伝わってしまうのだと思います。
最後に

今回の騒動で改めてわかったのは、信用がない人は、最初の一手で自らそれを壊すということ。
逆に、信用がある人は、説明と段取りと所作で、相手の不安を1つ1つ消していく。
結局のところ、目に見えるようで見えない「信用」を重ねるためには、小さな約束を守ることに尽きるのではないでしょうか。
怒らず、焦らず、手を抜かず。
信用は一瞬で作れるものではなく、いつの間にか「伝わってしまう」ものだから。