現在、国内に流通している象牙のほとんどはアフリカ象です。
一方で、かつて国内の細工象牙の多くはインド象が使われていました。
それはインド象の、アフリカ象よりもしなやかで粘り気のある特性に関係します。
色や硬さだけでなく、彫り心地も違う。
つまり加工がしやすいため、日本では長いあいだ、インド象の象牙が最上とされてきました。
写真で分からないものは、言葉にするしかない
象牙は、写真で優劣がつかない素材です。
色の違い、キメの細かさ、彫ったときの手応え。どれも実物を前にしなければ伝わりません。けれどオンラインでご覧になる方に、そのままお伝えする方法がありませんでした。
ですので、書くことにしました。
象牙オンラインショップのほうに「読みもの」という場所を作り、その一本目として、インド象の象牙がなぜ最上とされてきたのかをまとめています。かつて日本で「唐方(とうかた)」と呼ばれていたこと、仏教とともに象が伝わってきた背景、アフリカ象との違い、そして「太陽の輪」と呼ばれる横目芯持ちの希少さについて書きました。
私自身、インド象の存在自体は知っていましたが、実際に手にしたことはありませんでした。
そんな折、お客様から「インド象の芯持ち」があるかご確認いただき、現在の手で取る職人さんに尋ねたところ、その存在を知ることになりました。
アフリカ象ですら貴重な芯持ちを、幻と言われるインド象にあることを知った衝撃は、今でも忘れることができません。
お読みいただけたら嬉しいです
三代にわたって象牙を扱ってきましたが、あらためて文章にしてみると、知っているつもりで説明できていなかったことが自分でもよく分かりました。
ご興味のある方は、こちらからどうぞ。
読みものは他にも書いています。二本目は象牙の印材は、どうやって見極めているのかです。