鈴印は印章専門店ですので、たくさんの種類の印材を取り揃えています。
多くの方は、実印や銀行印が必要になったタイミングでさまざまな情報を調べることが多いです。
そしてイメージが固まり、ご予算に適した印材を決定される流れでしょうか。
人生で何度も購入する機会があるわけではない印章ですから失敗したくない思いもあるでしょうし、かと言って膨大な中から1本を選ぶのも大変かもしれません。
先日、友人と飲んでいた時にこんな相談を受けました。
自分も成人のときに親からもらったし、一生使うものだから良いものを贈ろうとは思ってるんだけど
普段店頭などでご相談を受ける際は、ある程度決まっているであろう、お客様の予算感をもとに話を進めていきます。
しかしそこは酒席でもあり、またそもそもの予算感が全くわからない上でのご相談でした。
そんな流れもあって今回は、常日頃印章を作っているプロでもある、鈴印としてオススメしたい実印と銀行印のセットをご紹介したいと思いました。
本当はオススメしたい実印と銀行印のセット、トップ3
ここでは基本的には、安定供給できる印材をご紹介します。
マスターピースにもオススメしたい印材は多々ありますが、いずれも嗜好性の高い商品でもあるため、このランキングでは鈴印のグランドメニューでもある印章具からセレクト致します。
オススメ1:象牙(極上)セット
(税別)328,100円
私自身「どれが一番オススメなの?」を聞かれて、いつも真っ先に頭に思い描くのはこちら。
象牙(極上)です。
■オススメする理由
これ以上ない象牙最高峰の品質だから
象牙の品質は、以下によって決まります。
- そもそもの牙の品質
- 牙から取れる部位
- 職人の目利き
1と2は物理的な話になりますが、特に重要なポイントが3になります。
象牙は天然材ですから、最終的に品質をジャッジするのは人の目になります。
鈴印で取り扱う象牙はいずれも、日本でただ一人、手作業で切り出す職人さんが手がけたものです。
手作業だけに大量生産もできない上、特に厳選された部位をお譲りいただいていますので、おそらく鈴印以外では入手できない、そんな貴重な印材です。
そして職人さん曰く「これ以上の象牙はない」とお墨付きをいただいた印材が極上です。
つまりプロが選んだ最高峰、これが極上をオススメする最大の理由です。
極上象牙の特徴
では実際に極上象牙はどんな特徴があるのかも解説したいと思います。
・取れる量:全体の象牙から0.25%程度
・色と光沢:ややピンク掛かったアイボリー色が多い。奥から鈍く光るような光沢を感じられる
・キメの細かさ:ほぼ見えず、透き通るような美しさで、触れるたびに品質の高さを実感できる
・触り心地:これ以上ない滑らかさで、吸い付くような触り心地が一層増し、これ以上ない高級感を味わえる。
・捺し心地:ピタリと紙に吸い付くように気持ちのよい捺印ができます
数が取れないだけでなく、見た目や触り心地も別格で、所有欲も満たされます。
また彫刻する立場の感想は、非常に固く、かつキメが細かいため、狙ったところに気持ちよく刃物が入ります。
つまりすべてにおいて別格の素晴らしさが極上には詰まっています。
「どれが一番いいの?」
印章に必要なすべてが高次元で揃っている極上の他には考えられません。
オススメ2:象牙(上上)セット
(税別)164,300円
■オススメする理由
ここから象牙のグレードが一気に良くなるから
鈴印の象牙のラインナップは「極上・特上・上上・上・中」と5段階にわかれています。
そのため極上の次は特上と言いたいところですが、オススメしたいのは上上になります。
象牙は年輪のように中心にいくほどキメが細かく、また外側ほどキメが荒くなっていきます。
そしてきめの細かさが一気によくなるのがこの(上上)になります。
職人さん曰く「一番象牙らしい」と、バランスのよい象牙となります。
つまりバランスよ良さ、これが極上の次に上上をオススメする理由です。
上上象牙の特徴
では実際に極上象牙はどんな特徴があるのかも解説したいと思います。
・色と光沢:ややピンク掛かったアイボリー色が多い。奥から鈍く光るような光沢を感じられる
・キメの細かさ:うっすらと模様が見えるため、象牙らしさを感じられ、一番バランスが良い。
・触り心地:滑らかで吸い付くような触り心地で、高級感が際立つ。
・捺し心地:紙に吸い付くように気持ちのよい捺印ができます
象牙の品質にこだわる方に、自信を持ってオススメできるのが上上です。
「凄く良い象牙」
それは見た目でも触れた際に感じ取ることができ、実際に店頭に訪れていただいたお客様はみなさんその違いに驚かれています。
また彫刻する立場の感想は、かなり固く、かつキメのバランスがよいため、彫っていて気持ちよさを感じさせてくれます。
つまり印章に必要なすべてを兼ね備えながら、もっともバランスが良い点が、上上をオススメする理由です。
オススメ3:象牙(中)セット
(税別)94,200円
■オススメする理由
鈴印が誇る象牙だから
象牙の品質は、お店によって異なります。
なぜなら前述したとおり、品質を決めるのは職人の目利きに頼る部分が非常に大きいからです。
鈴印ではどこよりも多い象牙の取り扱いによって、また長年の実績と、手で取る職人さんとのやりとりにおいて、揺るぎない目利きを可能としています。
その目利きができることによって、仕入れの際にも良いものを厳選することができます。
鈴印で取り扱う以上、全精力を上げて良い象牙のみを厳選します。
そして鈴印として取り扱う象牙、これがオススメする理由です。
極上象牙の特徴
では実際に極上象牙はどんな特徴があるのかも解説したいと思います。
・色と光沢:やや白っぽいものが多い。象牙らしい光沢がある
・キメの細かさ:格子柄の綺麗なキメが見える。象牙のキメが均一な象牙が良品
・触り心地:上質材と比較すると多少のザラつきは感じられるが、象牙本来の吸い付き感を味わえる
・捺し心地:使用するにつれて、紙に吸い付くように気持ちのよい捺印ができます
象牙本来のキメを存分に感じられるため、人によっては上質材より好まれる場合もあります。
なにより鈴印で取り扱う象牙であることは、他のどの素材とも一線を引きます。
長く信頼の証として大切にされてきた象牙ですから、その品質の高さは疑いようがありません。
また彫刻する立場の感想は、象牙は刃物を変える必要があるほど、他の素材より固いです。
私の場合、象牙彫刻はすべて親父から譲り受けた中でも、特に固い刃物を使用しています。
古い刃物は非常に固いのですが、その中でも厳選したもので象牙の堅さに対抗します。
「どれが一番いいの?」
やはり鈴印としては自分ですべてを手がけることができ、かつ耐久性が高く、使うほどに写りがよくなる「象牙」をオススメします。
最後に
今回のブログを書くきっかけになった会話から、いろいろと深く考え直す機会にもなりました。
今では多くの素材を手がけていますし、またお好みも人によって多種多様です。
そしてそれぞれの印材に、優れた特徴があるのも事実です。
一方で今回はそうした客観性ではなく、あくまで主観で書きました。
鈴印は創業以来象牙を主力商品として取り扱っており、その技術と知識を積み重ねてきました。
であればオススメしたいのやはり、そのノウハウをすべて注ぎ込める象牙になりました。
今回のブログはかなり一方的な内容かも知れませんが、思いの丈を思う存分込めました。
なのでタイトルを「本当はオススメしたい」とさせていただきました。
鈴印では象牙についてはさらに深くまとめていもいますので、もし興味が出た方が以下のリンクからご覧ください。