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認印こそ力を入れて彫れ

  1. 鈴印と人

これは親父によく言われていた事です。しかも聞けば親父も祖父に言われていたそうです。

でも今でも通用する教えなので、きっと真理なんでしょうね。

 

 

認印こそ力を入れて彫れ

物を作る仕事だけに限らないかもしれないんですけど、 やはり力を入れるポイントってありますよね?

多少力を抜いても大丈夫な所と、絶対に力を入れないといけない所。

理想を言えば全てに手を抜くな!ってことになるんでしょうけど、やっぱどうしてもどこかで緩急をつけてしまうもんです。

 

ではそれが価格と照らし合わせて考えるとどうでしょう?

高い物は力を入れるけど、安い物は手を抜く?

いやいや、それは絶対にいかん!って教えなんです。

 

実印は10万円を越える商品も多々ありますが、認印は1万円以下の物が多いです。

不思議ですよね?

あまり使わない実印の方が高くて、しょっちゅう押す認印の方が安いんです。

 

祖父の考えはこうでした。

「いくら実印を力入れて上手に彫っても、押す頻度は低いし、それにそもそも実印の書体はお客様に馴染みのない書体だから、上手いのか下手なのかよく分からない。それが認印は読める文字が多いから、善し悪しの判断がしやすい。それに毎日押すだろ?毎日使う認印が気に入らなかったら、上手に彫れた実印だって、大したことない?って思う。だから認印こそ手を抜いちゃダメなんだ。」

 

ま、ここだけ読むと凄く極端な話しに聞こえるかもしれません。

だって実印は手抜きしても構わないって教えに聞こえますからね(笑)

実際私も最初はそう思いましたからね。おいおいって。

 

でも実はここには隠されたメッセージがあったんです。

簡単な話ですよ。

高価なハンコは、もうそれだけで手なんか抜けないんです!

 

もちろん材料代も高いってのもあるんですけどそれより、お客様の想いがその分とてつもなく大きいんです。

想いが大きければそれに応えようと思います。

だから勝手に力が入ります。

 

つまり「どれも手を抜くな!」

そんなメッセージが上の言葉には秘められてたんです。

 

親父にしろしかり、祖父もそんな感じで、どこか人を試すような発言が多かったんですよね。

でもいつも説得力があったんです。

だって「どれも手を抜くなよ!」って言われても、どこかで手を抜いてしまうのが人間、いや私の性♡

 

見抜かれてたのかな?

 

見抜かれてたんでしょうね♡

 

認印

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜
鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)
1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。
専門店として、はんこ(印章)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長

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