これは親父によく言われていた事です。しかも聞けば親父も祖父に言われていたそうです。
でも今でも通用する教えなので、きっと真理なんでしょうね。
認印こそ力を入れて彫れ
物を作る仕事だけに限らないかもしれないんですけど、 やはり力を入れるポイントってありますよね?
多少力を抜いても大丈夫な所と、絶対に力を入れないといけない所。
理想を言えば全てに手を抜くな!ってことになるんでしょうけど、やっぱどうしてもどこかで緩急をつけてしまうもんです。
ではそれが価格と照らし合わせて考えるとどうでしょう?
高い物は力を入れるけど、安い物は手を抜く?
いやいや、それは絶対にいかん!って教えなんです。
実印は10万円を越える商品も多々ありますが、認印は1万円以下の物が多いです。
不思議ですよね?
あまり使わない実印の方が高くて、しょっちゅう押す認印の方が安いんです。
祖父の考えはこうでした。
「いくら実印を力入れて上手に彫っても、押す頻度は低いし、それにそもそも実印の書体はお客様に馴染みのない書体だから、上手いのか下手なのかよく分からない。それが認印は読める文字が多いから、善し悪しの判断がしやすい。それに毎日押すだろ?毎日使う認印が気に入らなかったら、上手に彫れた実印だって、大したことない?って思う。だから認印こそ手を抜いちゃダメなんだ。」
ま、ここだけ読むと凄く極端な話しに聞こえるかもしれません。
だって実印は手抜きしても構わないって教えに聞こえますからね(笑)
実際私も最初はそう思いましたからね。おいおいって。
でも実はここには隠されたメッセージがあったんです。
簡単な話ですよ。
高価なハンコは、もうそれだけで手なんか抜けないんです!
もちろん材料代も高いってのもあるんですけどそれより、お客様の想いがその分とてつもなく大きいんです。
想いが大きければそれに応えようと思います。
だから勝手に力が入ります。
つまり「どれも手を抜くな!」
そんなメッセージが上の言葉には秘められてたんです。
親父にしろしかり、祖父もそんな感じで、どこか人を試すような発言が多かったんですよね。
でもいつも説得力があったんです。
だって「どれも手を抜くなよ!」って言われても、どこかで手を抜いてしまうのが人間、いや私の性♡
見抜かれてたのかな?
見抜かれてたんでしょうね♡