Macで作成したレーザー用加工線データがうまくいかない?原因と解決方法を徹底解説!
レーザー加工の大前提:赤線と青線とは?
レーザー加工機(トロテック)を使う際、データ作成で重要なポイントが「赤線」と「青線」です。
ちなみに私の場合は、以下の条件で設定しています。
- 赤線:レーザーで切断するためのライン。
- 青線:配置のためのガイドライン。
これらが正しく設定されていないと、カットできなかったり、また狙った位置に配置できないなど、加工が思い通りに進みません。
それなのに、なぜか上手くいくときと、そしていかないときがありました。
でも同じ失敗を繰り返すのは時間の無駄ですからね。
今回、ようやく本腰を入れて調べた甲斐あって、ようやく原因と対処法が特定できました。
問題の発生:Macで作ったデータがうまくいかない!
そもそも自分の環境が問題だとは思いもよりませんでした。
が、まず私の環境をざっくりお伝えします。
【使用環境】
データ作成:Mac(Illustrator)
データ移動:Dropbox
データ出力:Windows(Illustrator)
データ加工:Windows(JobControl)
つまりMacのIllustratorでデータを作り、Dropboxを経由して、トロテックレーザーを制御するWindowsに引き継いでいます。
ところがなぜか毎回ではないのですが、Macで正しく作ったつもりなのに、WindowsのIllustratorで開き、レーザーの制御アプリのジョブコントロールに出力すると、なぜか赤線や青線が消えることが多々ありました。
ちなみにチェックポイントと認識していたのは以下になります。
【チェックポイント】
・カラーモード:RGB
・線の数値:「赤」R=255/G=0/B=0、「青」R=0/G=0/B=255(ジョブコントロールに準ずる)
・線幅:0.001pt
・画像:ラスタライズにて埋め込み(600dpi、モノクロ2階調、背景透明)
・バージョン:Illustrator CS5(Windowsに会わせて)
以下はカラーデータ作成の元になる、ジョブコントロールの画面です。
この数字と一致していないと、いくら似たような色合いでも、ジョブコントロールは認識してくれません。
最初はそのどれかを忘れるなどの、細かな設定ミスかと思っていたのですが、よく調べてみると、原因はもっと深いところにありました。
原因が判明!
MacとWindowsの環境差:Illustratorのカラーの数値や線のプロパティが、MacからWindowsに移行するときに崩れる。
自分の環境でどれほど試しても、線が消えてしまいます。
そのなかでも1つ大きなヒントになったのは、サポートに連絡して確認したことでした。
やはりデータの作成方法に問題はない。
これで1つの可能性を消せます。
すると思い浮かぶのは、OA機器等でよくいわれる、Mac問題。
もしやと思い、同じデータをWindowsで作ってみると上手くいくんです。
つまり今回の原因は、Macで作ったデータをWindowsで開いた際に起こる現象であることがわかりました。
そのため自分の環境で、できるだけMacでできる範囲を探り、ようやく最適化する方法にたどり着くことができました。
解決策:Windowsで最適化する方法
正しいデータ作成の流れ(Mac→Windows)
【Macを使用する際の正しい流れ】
1.Mac:ロゴをPhotoshopでJPG形式(グレースケール)に変換。
2.Mac:Illustratorで、JPG変換したロゴを作成データに貼り付け、ラスタライズ(600dpi、モノクロ2階調、背景透明)を実行し、プロパティを固定化する。
3.Mac:Illustratorのaiデータを保存(この時点で赤線・青線は設定しない)。
4.Windows:データ作成をWindowsに引き継ぎ、赤線・青線を設定(RGBモード、赤R=255/G=0/B=0、青R=0/G=0/B=255、線幅0.001pt)。
5.Windows:トロテックのJobControlで、色設定が正しく紐付いているか確認する。
これまでMacで行っていた赤線や青線などのカラーデーター作成を、最終的にWindowsで行うことでクリアすることができました。
全てWindowsでやればいいのですが、当社の場合、複数人で「校正用」や「制作データ作成」など役割分担しているため、どうしても一部にMacを使用する必要が出てしまいます。
そのため、どのPCを使っても確実なデータが作れる法則を知る必要があったのです。
こちらはサポートに確認してもわからない情報だったため、四苦八苦しつつも最終的に確実な方法が見つ蹴ることができました。
最後の手段:成功データに頼る
どうしてもうまくいかない場合は、過去に成功した赤線・青線のテンプレートにJPGデータを貼り付け、別名で保存すると改善することがあります。
なので成功した際のデータは、Windowsのどこかに保存しておくと安心ですね。
まとめ
Macで作成したデータを正しくレーザー加工機に反映させるには、Windowsでの最終仕上げが鍵です。
手間に感じるかもしれませんが、確実かつスムーズな加工を実現するためにぜひ試してみてください!
同じ問題で困っている人のお役に立てましたら幸いです。