
横目芯持ちインド象 – 中心に美しい芯と放射状の縞模様が見える「太陽の輪」
横目芯持ちインド象とは
印鑑の世界で最高峰とされる象牙の中でも、特に希少かつ美しいとされるのが「インド象」です。
しかもこちらの商品は「横目」+「芯持」とその美しさに輪をかけます。
この印材の特徴を詳細に解説していきます。
象牙の「横目」と「芯持ち」とは
横目(横断面)の特徴
象牙は通常、縦目方向に切り出されることが一般的ですが、「横目」とは象牙を横断面(断面)から切り出したものを指します。
横方向から見た象牙は、年輪のような美しい縞模様が現れ、その自然の芸術性が魅力です。
横目の象牙は、縦目方向の象牙と比較して以下のような特徴があります:
- 独特の縞模様(年輪状の同心円パターン)が現れる
- 象牙質の繊維が断面方向に切れることで特殊な質感になる
- 通常の印材より切り出せる量が非常に限られる
芯持ちの意味と価値
「芯持ち」とは、象牙の中心部分(芯)が印材の中央に位置する状態を指します。
象牙の芯は最も緻密で美しい部分であり、この芯を中心に持つことで、印材としての価値は飛躍的に高まります。
- 芯が印材の中央に位置していること
- 芯が美しく整っていること
- 芯から周囲への縞模様が均等に広がっていること
これらの条件を満たす芯持ちの象牙は非常に稀少です。
特に「横目芯持ち」は象牙の断面から見た際に、中心に芯があり、そこから放射状に縞模様が広がる様子が太陽のようであることから「太陽の輪」とも呼ばれ、古来より縁起物として珍重されてきました。
インド象の象牙が持つ特別な価値
アフリカ象との違い
特徴 | インド象 | アフリカ象 |
---|---|---|
色合い | 黄色味を帯びた温かみのある色 | 白が強い冷感のある色 |
硬度 | やや柔らかく、粘りがある | 硬質 |
質感 | 滑らかでなめらかな光沢 | 艶のある輝く光沢 |
キメ | 非常に細かく緻密 | 非常に細かく緻密 |
希少性 | 極めて希少 | 希少 |
象牙の物理的特性
- 耐久性:天然素材の中では最も硬く、長期間使用しても摩耗が少ない
- 精密な彫刻性:硬すぎず柔らかすぎない絶妙な硬度により、細密な彫刻が可能
- 吸油性:朱肉の油分を適度に吸収し、使うほどに美しく発色する
- 熱伝導率:低く、冬でも冷たくなりにくい
- 湿度対応:適度な湿度変化を許容し、割れにくい
横目芯持ちの組織学的構造
象牙質の放射状構造
象牙質は微細な管状構造(象牙細管)が放射状に広がる構造を持っています。
この細管が、横断面で「太陽の輪」と呼ばれる縞模様を生み出しています。
- 中心に歯髄腔
- 周囲に年輪状の象牙質
- 外周にはセメント質
エイジングによる変化
- 朱肉が浸透し、印影が深みを増す
- 艶と透明感が増す
- 手の脂で自然な艶が加わる
- 縞模様が時間とともに際立つ
象牙印材の保管方法
- 直射日光・極端な湿度を避ける
- ケース保管で埃・傷を防止
- 定期的に柔らかい布で優しく磨く
横目芯持ちインド象の印影の特徴
- 象牙の微細構造により、朱肉の乗りが均一で繊細な印影が得られる
- 長年使用することで輪郭が柔らかく変化し、風格が増す
- 繊維の向きが押印時のブレを抑え、安定した印影を実現
まとめ:横目芯持ちインド象印材の価値

- 二重の希少性:「幻の象牙」と呼ばれるインド象、かつ「横目芯持ち」構造
- 美的価値:太陽の輪と称される同心円の美しさと温かみのある色味
- 機能性:捺印の安定性とエイジングによる印影の深み
- 文化的価値:古くからの縁起物としての伝統
- 資産価値:年々上がる希少性と、次世代へ継承できる品質
当店の横目芯持ちインド象印材は、厳選された最高品質のもののみを提供しております。
芯の美しさ、縞模様の均一性、素材の状態など、あらゆる面で最高級の品質を保証いたします。
マスターピース・デッドストックとは
【鈴印マスターピース】は、鈴印の長年の歴史に裏付けられた至高の傑作たち。
天然素材はすべてが同じではありません。
最高の素材は王室や高級ブランドに優先的に流通されるのと同様、印材の世界でも「特別な一本」は選ばれしルートにしか届きません。
鈴印は創業以来、その「特別」を厳選し、保管し、熟成させてきました。
それが「マスターピース」と呼ばれる所以です。
マスターピース
傑作・名作
【鈴印デッドストック】は、歴史ある店舗様に眠る名品素材を特別価格でご提供する取り組みです。
印材の価値は、素材だけでなく、その背景にある「目利き」によって磨かれます。
鈴印は信頼あるルートで譲り受けた素材のみを、責任を持って皆さまにお届けいたします。