司法書士の先生方向けに整えた売り場に続いて、このたび弁護士の先生方向けのカテゴリを設けました。
先生方からご注文をいただくたびに、素材を手に取っていただき、印影のサンプルを並べてご覧いただき、そうして選んでいただいてきた印章です。
先生方の資格を体現する「職印」と、実務の相棒たる「角印」です。
90年以上、牛角や柘植をはじめとする天然素材と向き合い、一本一本を手で彫り続けてきた鈴印が、弁護士の先生方のために設けた特設カテゴリです。
素材の選定から、サイズの根拠、レイアウトの設計まで——妥協は一切ありません。
これが、鈴印の答えです。
角印と職印。二本が揃って、実務の押印が整う。
弁護士の先生方が実務で用いる印章は、大きく二種類です。
角印
1つは「角印」
法律事務所の印として、あるいは先生個人の認印として、契約書や各種書類に広く押印される印章です。
鈴印では15mm・18mm・21mm・24mmの4サイズを、「寸胴」と「角天」の二形状でご用意しています。
寸胴は天地が水平に切り落とされた端正な形。
角天は上部が緩やかにアーチを描く、古来からの伝統的な形。
どちらを選ぶかは、先生方が書類の上でどのような印象を纏いたいかによります。
職印
もう一つが、「職印」
職印は、弁護士としての資格と氏名を一体に刻んだ、先生方の本尊たる印章です。
実務上欠かせない一本——職務上請求書など、先生方が戸籍謄本や住民票の写しを請求する際に用いる公的書類の押印欄に、この職印が求められます。
角印が事務所や個人の印であるとすれば、職印は弁護士という資格そのものを体現する一本です。
この二本が書類の上に並んだとき、弁護士としての押印が揃います。
だからこそ鈴印は、角印と職印を同じ売り場に、同じ基準で揃えました。
角印(21mm・24mm)と職印(18mm)を並べて捺したとき、書類の上に生まれる視覚的な秩序があります。
直線の格と、円の品格。主従がはっきりと、しかし押しつけがましくなく、静かな調和が紙面に宿る。
このサイズの組み合わせが生む比率は、見る者に「整っている」と感じさせる黄金の間合いです。
職印を18mmに定めたのは、職務上請求書の押印欄——一般的に直径18mm〜20mm程度——に過不足なく収まるという機能的な理由と、角印と並べたときのこの視覚的必然性。その両方からの答えです。
縦割り3行。枠のない円の中で、文字は自由になる。
鈴印の職印には、内枠がありません。
法人の丸印でよく見られる二重丸——外枠と内枠の間に文字を並べるあの形式を、弁護士の職印には採用していません。
円という一つの空間の中に、「弁護士」「氏名」「之印」を縦の流れで三列に刻みます。
枠がないということは、文字が呼吸できるということです。
内枠に押し込められた文字は、どうしても窮屈になります。
しかし枠のない円の中では、文字は空間と対話しながら配置できる。
外枠のみとすることで、朱肉の目詰まりも抑え、長年の使用でも鮮明な印影を保ちやすくなります。
縦に伸びる筆画はしなやかに伸び、余白は余白として生き、そして手彫りの刃が生む「墨だまり」——微細な凹凸が朱肉を抱いて生まれるあの深い表情——がそのまま印影に現れます。
これが、手彫りであることの意味です。
デジタルデータをそのまま機械で彫り込んだ印影と、職人が一筆一筆の流れを読みながら刃を入れた印影は、押してみれば一目でわかります。
鈴印が店頭でサンプルをご覧いただくたびに、「これが欲しい」とおっしゃっていただいてきた。
その理由が、そこにあります。
円に文字を収める難しさ
職印の彫刻難易度について、正直に記します。
文字数だけを見れば、角印とほぼ同等です。
「弁護士」「氏名」「之印」で、おおよそ8〜10文字前後。
しかし正方形の中に文字を並べることと、円の中に縦3行の文字を完璧なバランスで収めることは、難易度がまるで違います。
円は中央が広く、端に向かうにつれて弧が文字を圧迫します。
三列それぞれが異なる幅の空間を与えられる中で、全体として調和した一つの印影に仕上げるには、各文字の大きさ、字間、行間を微妙に操作しながら彫り進めなければなりません。
機械彫りでは、その判断を再現しにくい。
この緊張感を90年以上、一本も妥協せずに彫り続けてきた。
それが、鈴印の職印です。
素材について
プレミアムチタン
チタンは手彫りではありません。
しかし、鈴印が扱うチタンは素材の次元が異なります。
重量感、削り出しの精度、表面の仕上げ——手に取れば、その差は明らかです。
また手彫りができない点は、もちろんアナログで補完します。
手書きの文字を使用し、データ化して彫刻するため、同じ物が2つとできません。
制作が完了した時点でデータは削除します。印章である以上、唯一性は絶対の条件です。
牛角(上白)
天然素材の中でも、特に選ばれてきた一本です。
乳白色の中に透き通るような光沢をたたえ、年月とともに飴色へと変化していく。
使い込むほどに艶を増し、先生方の手に馴染んでいく。
その変化の過程そのものが、天然素材の矜持です。
牛角(中トビ)
白と黒が混じり合う斑のある表情が特徴です。
一本として同じ柄はなく、先生方だけの一本になります。
牛角(黒)
凛とした黒の中に深みのある緑がかった艶があります。
モノトーンの品格とでも言うべき佇まいで、書類の上での存在感は格別です。
柘植
古来より印章の素材として使われてきた木材の王です。
木でありながら緻密で硬く、手彫りの刃が木目に沿って滑らかに走る。
印章の世界で長く選ばれてきた、質実剛健な定番でありながら、その印影の美しさは決して廉価版ではありません。
最後に

開業を控えた先生方へ。
あるいは、長年使ってきた印章を新たにしようとお考えの先生方へ。
職印は、先生方の署名に等しいものです。
依頼人が書類を受け取ったとき、真っ先に目に留まるのは印影です。
その印影が何を語るかは、何を選ぶかで決まります。
90年以上、一本も妥協しなかった職人が、先生方の一本を彫ります。
鈴印の弁護士カテゴリを、どうぞご覧ください。