法人の実印などで、印面に象牙のキャップがかぶせてあるのを見たことはありますか。これを鞘(さや)と呼びます。
この鞘、実は関東と関西で形が違います。印章の業者の間でも、あまり知られていない話です。
関東は溝あり、関西は溝なし

印鑑を立てたとき、鞘の上と下に溝が入っているのが関東風。溝がなく、すっとした筒の形が関西風です。
どちらが正しいということはなく、土地ごとに受け継がれてきた形です。
鈴印も、以前は関東風でした
宇都宮は関東ですから、鈴印の鞘もずっと溝のある関東風でした。
変えたきっかけは、象牙を手で取る職人さんとの出会いです。関西風の鞘の形を教えていただき、鈴印の鞘付きは溝のない関西風に移りました。
関西風の第一印象はとにかく「シンプルイズベスト」
見慣れない新鮮さもあるとは言え、余計な装飾がないことで、美しさを感じました。
溝がないぶん、素材の良さで勝負できる
関西風に決めた理由は、形がシンプルで、象牙そのものの良さで勝負できるからです。
鈴印では、印材と同じ生地から取り出す「共鞘(ともざや)」もご用意しています。ひとまわり大きな印材を1本使って鞘にするので、印材と鞘の色や目がそろいます。
鞘は、もしものときにも印面を守ります
鞘のいちばんの役目は、印面のふちの枠を欠けから守ることです。
阪神・淡路大震災のとき、火災で耐火金庫ごと焼けてしまった会社で、鞘付きの実印は、持ち手が黒ずんでも鞘の中の印面は無事だった、という話を聞いたことがあります。
くわしくは、象牙オンラインショップに書きました
鞘の作り方、共鞘、印材に合わせて手で作るKFケース、もう作れない象牙の蓋「牙蓋」まで、象牙オンラインショップの読みものにまとめました。