構想から4年。
ようやくこのパッケージが完成しました。
昨日ご紹介した21㎜よりもさらに希少な印材です。
【マスターピース】象牙横目芯持75㎜丈×24㎜丸実印の特徴
横目芯持
通称「日輪」と呼ばれる横目芯持は、最高級の素材を探す中で、一度は目にした方もいらっしゃるかもしれません。
印鑑最高峰の象牙の、素材の持つ美しさを最大限に引き出した印材です。
通常象牙の印材は、牙と平行(縦)に取り出していきます。
これは数を多く、また均等なランクを維持するために必要なのですが、日輪と呼ばれる材料は、芯を中心に垂直(横)に取り出しした贅沢品。
日輪の名前の由来は「太陽の輪」に似ているから付けられ、輪を結んで縁起が良いとされています。
またあまり知られていませんが、日輪は彫り手の技術を最も問います。
繊維が横に寝ているため、彫刻も困難を極めます。
木で考えると分かりやすいのですが、一般的な縦目は輪切りの断面に彫刻するため、縦に彫る面の繊維が立っています。
立っているからしなりが出るため、外からの力にも耐える力が強いんですね。
ところが横を向いていることによって、繊維が寝ているため、わずかな力でも剥がれてしまうんです。
そのため熟練を極めた職人でも、慣れが必要になるのがこの日輪の彫刻になります。
私自身は修行時代に数多くの経験をさせていただいたため、この横目の攻略法を自分なりに見つけました。
通常より刃物の角度を薄くし、コントロールが難しいほど鋭角な刃物を使用します。
また合わせて極限まで研ぎ澄まされていないと剥がれが起きてしまうため、研ぎたての刃物でしか太刀打ちできません。
そんな特別な横目芯持ですが、さらに今回の商品は貴重です。
通常の横目芯持でも、100本に1本とれるかどうか。
また今回の商品のように、はっきりと目が浮かび上がる印材はさらに貴重。
そして75×24という印鑑登録可能な最大サイズは、今後は入手不可能だからです。
ケースは藍染クロコを使用した、手作りのKFケース
マスターピースアイテムですから、ケースも特別仕様でご用意。
1つ1つ材料に合わせ、手作りで木をくり抜いた型を使用するのが特徴のKFワニ革をご用意しました。
しかもこちらは革もオリジナル。
鈴印捺印マットなどでお馴染みのthree2fourさんオリジナルの、藍染クロコを特別に分けていただきました。
この手間のかかったオリジナルの美しすぎる発色は、他では決して手に入れることができません。
また手作業による着色ですから、全く同じもの作ることができません。
個人的な思い入れもあり、特別に一部のみをお譲りいただきました。
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1本限りとなります
今まで様々な印材やケースを見てきましたが、見た目のインパクトでこちらを超えるものには未だ出会っていません。
これまで見たことがないということは、今後もこちらを超えるものは登場しないことでしょう。
ようやくここに辿り着くことができました。
そんな90年近くの結晶です。
在庫数は1本のみ。
併せて21ミリも個人・法人各1本づつご用意しています。
象牙横目芯持75㎜丈×24㎜丸実印(個人)の購入はこちらから>
マスターピース・デッドストックとは
マスターピースとは、鈴印の長年の歴史に裏付けられた至高の傑作たち。
印章素材のほとんどは天然材です。
工業製品と異なり天然材は品質が一定ではないため、それぞれに大きな個体差があります。
個体差を知る例として、こんな話もあります。
最高級の天然皮革は最初に王室、次にヨーロッパのスーパーブランドに卸されます。
そして残ったレザーが最後に一般市場に出回ります。
本当に良い天然素材は長年の歴史によって流通経路までも決まっており、それらを後発として入手することは非常に困難です。
私たち鈴印は創業より、特別に良い素材のみを集めて参りました。
結果として、優先的に優れた素材が集まるようになっています。
またそれらは全て、専用セラーによって厳重に保管されています。
マスターピース:傑作・名作
マスターピース
傑作・名作
Wikipediaより
デッドストックは、歴史ある店舗様において眠っている希少かつ状態の良い素材のみを厳選し、特別価格にてご提供する新しい試みです。
品質には徹底的にこだわり、信頼関係の元に譲り受けた最高級品のみをセレクトします。
印章店においての素材は、その店のこだわりです。
なぜならその店主が惚れ込んで手に入れた特別なアイテムだから。
ところが眠ってしまっている宝物のような素材もこの世にはたくさんあります。
そういった全国各地に眠っている宝物に再び光をあて、みなさまに届けることができないか?
良い品と、それを欲するお客様の橋渡しをするのが、デッドストックです。