今回はゴム印が剥がれた場合の対処法をまとめてみます。
最近は便利ますますになり、ネットを調べたりchat GPTに聞いたりと、すぐに答えが見つかります。
ところがハンコに関する内容、しかもゴム印ってなるとなかなか正確な情報に辿り着けなかったりもします。
そのため店頭でもよくお問い合わせいただく、ゴム印の剥がれに関しての問題と対処法をご紹介します。
あとこれまであちこちに似たような内容も書いてますので、一本化して2018年3月24日にこちらにまとめ、2023年11月25日に再びリライトしました。
ゴム印のゴム部分が剥がれた時の対処法
まず結論から申し上げますと、剥がれたゴム印を接着してください。
使う接着剤と分量を守るだけで誰でも簡単にできます。
逆に言うと接着剤と分量を間違えると再起不能になってしまいますのでご注意ください。
では次に具体的にご紹介していきます。
接着剤はG17ボンド
みなさん応急処置的にその辺にある接着剤を使ってしまうようです。
剥がれたってことは、もう2度と剥がれないようにより強力な接着剤を選んでしまう場合もあります。
ちなみに一番使っちゃダメなのはこちらです。
×瞬間接着剤
できるだけ早くしっかり接着しようと瞬間接着剤を使うと、再起不能に陥ります。
なぜなら接着剤は乾く過程で収縮するからです。
接着剤が乾く時に収縮するため、粘着スポンジもゴム印も接着剤に引っ張られ歪んでしまいます。
こちらが接着剤で歪んだゴム印
反ってますね。
このように接着剤が強力過ぎると、ゴム印が変形してしまうんです。
しかも瞬間接着剤は接着力も強力なんで、私たちもその後どうにもできなくなります。
なのでくれぐれも瞬間接着剤だけは使わないで下さい。
それからもう1つのNGはこちら
×のり
こちらは逆に接着力が弱すぎて、貼っても確実に剥がれ落ちます。
じゃあ何を使えばいいのか?
こちらです。
私も愛用中です。
ちなみにG17ボンドは革にも使えるので、ゴム印以外でも財布とかバッグとか革製品の一部が剥がれそうな時に、ちょいちょい塗って補修していたりもします。
ぜひゴム印の接着の際には、こちらをお使いください。
分量は少なめに
パッと見少ないように思えますがこのくらいがベストです。
気持ちとしてはわかるんです。
取れないように目一杯塗りたくなるんですが、それもNGです。
このように全面に隙間なく塗ってしまうと空気の抜ける箇所がなくなり、これまたゴムが反り返る原因になります。
なのでまず剥がれの原因でもある四隅を塗り、他は軽く点・点・点と。
ボンドの補足
実は結構細かい作業です。
そのためボンドの口が固まって厚みがあると、余計な塊が付着しちゃうこともあります。
それを避けるために久しぶりに取り出した際には付着した塊はとっておいてください。
なぜゴム印が剥がれることがあるのか?
ここまででゴム印が剥がれた際の対処法はご理解いただけましたでしょうか?
ではせっかくなので、なぜゴムが剥がれてしまうのか?
参考にそんなお話も補足しておきましょう。
ゴム印は3つのパーツから成り立っています。
左から「持ち手+粘着式スポンジ+ゴム印」となっています。
真ん中の粘着式スポンジは両面粘着になっていて、持ち手とゴムをくっつけているんですね。
ところが長年使っている内に汚れが入り込んだり、接着力が落ちたりして、ゴム印部分が剥がれちゃうことがあります。
また小さめのゴム印の場合は、このスポンジを使っていない場合もあります。
これも原因は一緒で、汚れなどによる経年劣化です。
その場合はスポンジだけ交換することももちろんできるんですが、そこまで劣化している場合はゴム印も摩滅している場合がほとんどですので、新規で作り替えることをオススメしています。
ゴム印は消耗品です
残念ながらゴム印は消耗品ですから、長く使う内にあちこち痛んできます。
上記は私が使っているゴム印ですが、バーサクラフトという特殊なスタンプ台を使っているため耐油性ゴムを使っていても膨張しています。
これは通常のゴム印で通常のスタンプ台を使っていても、同じように摩滅はしてきます。
これまでの実績で言うと、大体10年ほどが交換の目安になります。
同じゴムで考えますと、例えばタイヤや輪ゴムなどは、耐久力や性能は価格によって違いますよね?
一方でどんなに良いゴムを使っても、長く使うと硬くなり割れやヒビで交換になります。
スタッドレスタイヤなら3年?
輪ゴムの古いのだと数年で切れちゃいますよね?
ゴム印も同じです。
使用するほどにゴムは硬化し、また捺印するほどに圧がかかって潰れてきます。
潰れて角が写らなくなっちゃったり一部が剥がれた場合は、残念ながら全体的に痛んでます。
その場合一部の修正もできることはできるんですが、明らかにそれは押した時に差が出ちゃってかっこ悪いです。
そのためスポンジやゴムの摩滅が見られる場合は、作り直しをオススメします。
最後に
ゴムが剥がれてとりあえず貼り直したい場合は、今回の方法でG17ボンドをちょっとだけ塗ってみて下さい。
それでも写りが改善しない場合は、ぜひご相談ください。
私たちがゴム印を補修するときは、スポンジの痛み・ゴムの摩滅具合・他社製の場合はそもそものゴム質など、いくつかチェック項目があります。
なぜなら私たちが補修する以上は「綺麗に写る」を前提としており、綺麗に治せない場合は、作り直しのご提案をさせて頂きます。
出来るだけ補修を前提としておりますが、長年(10年)お使い頂いたゴム印は難しい場合が多いですね。
実はこういった補修等のご依頼も鈴印で承っています。
もしどうしていいか分からなくて困った場合は、何もせずそのまま現物をご持参の上ご相談下さい。
あちゃー!ってなる前に、ぜひその道のプロにご相談ください。