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2年ぶり【マスターピース】横目芯持16.5ミリが入荷しました

  1. 印材
  2. 98 view

ようやく待望の商品が入荷しました。
今からちょうど2年前、2022年11月9日にソールドアウトになって以来です。

店頭にてお客様にお問合せいただき改めて探し直してみたところ、タイミング良く「取れました」との回答をいただきました。
そんな待望の商品の入荷です。
2022年11月12日に公開したブログですが、2022年11月17日の動画のアップロードと共に再投稿しました。

象牙横目芯持日輪60×16.5ミリの詳細

横目とは

「横目」は、通称「日輪」と呼ばれる非常に珍しくかつ希少な象牙です。
高価な印材にも関わらず、毎回あっという間に売り切れてしまいます。

横目が人気の理由

みなさまから鈴印の横目が選ばれる1番の理由は、印材の中央部に見える模様にあります。
見た目の引き込まれるような模様の美しさだけでなく、「日輪」という通称の由来が、太陽の輪に似ていることから名付られ、輪を結んで縁起が良いとされている伝説も関係しているようです。

横目が貴重な理由

 

「横目」が貴重な理由は、贅沢な取り方をしている点。

通常象牙の印材は、牙と平行(縦)に取り出していきます。
均等な品質を安定供給するために、最も効率の良い取り方だからです。

対して「横目芯持」は、中心に対して垂直(横)に取り出ししていきます。
すると通常の(縦)に制限が出てきてしまうため、特別な場合にしか行わない取り方になります。

そのため昔から、横目はそれだけで貴重な印材とされてきました。

同じ横目でも模様が全く違う

奥が今回の商品で、手前が一般的な横目です。

実際に一般に流通する横目のほとんどが、手前のようにうっすらと見える程度なんです。
そのため所有している方でも理解されていない場合も多く、私たちの店頭に彫り直しでお持ちいただいて、横目であること知り、その価値に驚かれる場合も多いです。

恥ずかしながら私自身も過去に、ここまではっきりとした横目は見たことがなく、最初見た時はその美しさに思わずため息が漏れたほどです。

芯持とは

ここまでではっきりとした模様がある横目が、いかに貴重であるかをお伝えしてきました。
ところが今回の材料は、さらに希少性を高めるもう1つの要素が備わっています。
それが芯持であることです。

横目の輪の中心に、黒い点が見えます。
これが印材の芯になります。
この芯が、さらに価値を高めます。

もう1度、先ほどのイラストをご覧ください。

印材の中心に赤い線がありますが、ここは神経が通っています。
イラストでは同じ太さで記載されていますが、実は牙の根元に行くほど、中心部分は空洞が大きくなっていきます。

画像の中心が芯で、穴が空いているのがわかります。
この穴が、根元に行くほど大きくなり、先端に向かうほど小さくなっていきます。
そして芯が詰まっていること自体が、稀です。

さらに印材の中央に位置し、かつ模様の美しいものとなるとさらに稀。
割合で言うと、全体の約0.3%ほどしか入手することができません。

横目は彫り手の技術を問う

今度は全く別の角度から見ていきます。
横目は彫り手の技術を問います。

通常の印材(縦目)は牙に沿って取り出されるため、繊維が縦に走っていて彫りやすいのです。
イメージは銅線ケーブル。

繊維が踏ん張ってくれるので、狙った通りに刃物が通ります。

対して「横目」は、繊維が横に走ります。
イメージは魚の鱗(うろこ)です。

上手くやらないと彫り手の意思に背いて、バラバラになってしまいます。

文字は鱗通りではないですから、逆らって彫る必要があります。
すると削る際に必要以上に剥がれてしまい、線がガタガタになってしまいます。
そのため彫り直しで持ち込まれた印材は、ほぼ全てと言っても過言ではないほど、線がガタついています。
要するに縦目の印材とは全く異なる彫刻テクニックが必要になるのが、横目です。

幸い私自身、修行時代に数多くの経験をさせていただいたため、この横目の攻略法を自分なりに見つけました。
刃物の角度を極限まで薄くし、コントロールが難しいほど鋭角な研ぎたての刃物を使用し、切り込む手法で対応します。
この横目の対処法だけで1つの記事が書けそうですが、みなさんには関係ないのでこれ以上は割愛します。

最後に

今回入荷したのは、待ちに待った16.5ミリです。
実印として最も使いやすいサイズで、鈴印の一番人気でもあります。

あれから2年の時を経て、待ちに待った横目芯持が、1本限定で登場です。
もし可能であればぜひ、店頭にて実際にお手に取ってご覧ください。
本物のみが放つオーラは、きっとあなたを虜にすることでしょう。

 

横目芯持日輪60ミリ×16.5ミリ丸 実印の購入はこちらから

 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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