現在マッコウクジラの印章は全国的に品薄となっています。
過去の捕鯨禁止に伴って入荷がなくなり、現在はIWCから脱退し再開されましたが、再び制作される予定はないためです。
品数が少ないだけでなく、象牙よりも遥かに硬く、また独特の模様は他に類を見ません。
そんな中、非常に珍しい印材が入荷しました。
18Kを冠したクジラとクジラを繋いだマッコウクジラ印章
これまで牙継など、象牙と水牛をつないだ材料をご紹介してまいりましたが、こちらはクジラとクジラをつないだ非常に珍しい印材です。
クジラの歯は象牙と違い、あまり大きな素材ではありません。そのため長さ60ミリ×直径18ミリというサイズは非常に希少。
今回の印材は、小さな歯と小さな歯を繋ぎ合わせることで、このサイズを実現しています。
特徴
牙継は異素材(象牙と水牛)を繋ぐため、つなぎ目は目立ちません。
しかし鯨継は同素材同士の接合になるため、つなぎ目が中央に線として現れてしまいます。
そこでそのつなぎ目に18Kリングをあしらうことで、まるで意匠のような高級感を演出。鯨のアイボリー色と金の調和が、唯一無二の品格を生み出しています。
こちらの写真は、印材の頭部分と印面部分です。どちらにも白く見える中心部があり、これは「歯の芯」にあたる部分です。
天然材の印材では、芯が中心を通っていることは稀ですが、この鯨継ではそれぞれの歯の芯を真ん中にとることで、全体としても中央に芯が通るという理想的な構造が実現されています。
また上下で模様や質感が異なる継材も多い中、本品は非常に均整がとれており、まるで一本の印材の中央にリングが施されたかのような完成度を誇ります。
ケースは手作りのKFワニ革ケース付き
本品には鈴印最高峰の専用ケースをご用意。
ひとつひとつ印材に合わせて木をくり抜いた手作りのKFワニ革ケースです。
アイボリー色を最も引き立てる組み合わせであり、この印材の価値を最大限に高めています。
今回入手できたのは2本限りとなります
クジラ印材は今なお高い人気を誇っていますが、実際の在庫数は非常に限られています。
しかも18ミリというサイズを2本同時に確保できたのは奇跡に近く、今後の再入荷は未定です。
大きめのクジラ印材をお探しの方にとって、今回が最後の機会になるかもしれません。
マッコウクジラはハクジラ類の中で最も大きく、歯のある動物としては世界最大。
その巨大な歯を素材とする印章は、象牙以上に希少性が高く、状態の良い在庫は国内でも極わずかです。
鈴印がそれらを取り扱える理由は、長年にわたって築き上げた信頼と仕入れネットワークにあります。
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マスターピース・デッドストックとは
マスターピース
マスターピースとは、鈴印の長年の歴史に裏付けられた至高の傑作たち。
印章素材のほとんどは天然材です。
工業製品と異なり天然材は品質が一定ではないため、それぞれに大きな個体差があります。
個体差を知る例として、こんな話もあります。
最高級の天然皮革は最初に王室、次にヨーロッパのスーパーブランドに卸されます。
そして残ったレザーが最後に一般市場に出回ります。
本当に良い天然素材は長年の歴史によって流通経路までも決まっており、それらを後発として入手することは非常に困難です。
私たち鈴印は創業より、特別に良い素材のみを集めて参りました。
結果として、優先的に優れた素材が集まるようになっています。
またそれらは全て、専用セラーによって厳重に保管されています。
デッドストック
デッドストックは、歴史ある店舗様において眠っている希少かつ状態の良い素材のみを厳選し、特別価格にてご提供する新しい試みです。
品質には徹底的にこだわり、信頼関係の元に譲り受けた最高級品のみをセレクトします。
印章店においての素材は、その店のこだわりです。
なぜならその店主が惚れ込んで手に入れた特別なアイテムだから。
ところが眠ってしまっている宝物のような素材もこの世にはたくさんあります。
そういった全国各地に眠っている宝物に再び光をあて、みなさまに届けることができないか?
良い品と、それを欲するお客様の橋渡しをするのが、デッドストックです。