っていても残念ながら、髪の毛のお話ではございません。
これ。
上の画像はワタクシが仕上げてるところなんですけど、この土台になってる部分。
コレを「ぼうず」とか「だるま」って呼ぶんですね。
きっとそんな見た目だからでしょう。
ぼうずのこだわり♡
さてさて、そんな「ぼうず」なんですけど、もちろん手作りです。
正確には土台があってアレンジをするだけなんですけど、やっぱ使ってるうちにボロボロになっていくんですね。
で、久々に新しいのに取り替えたんで、小ネタ的にご紹介しておきますね。
まず土台部分は、こけしみたいになってます。
実はコレは、親父が使ってたのを事業継承の際に勝手に拝借しちゃったんで木の土台です。
なんか技術が乗り移らないかな?なんて想いもあってのことでしたけど、もちろんそうは問屋が卸しませんでしたね。
話は逸れましたが、最近のぼうずは木ではなく、軟式の野球ボールの一部を切って嵌め込む仕様で、ワタクシが修行時代に使っていたのはボールバージョンでした。
多分その方が安上がりだからでしょうね。
まあ修行時代って御多分に洩れず、あまりお金なかったですからね。
そして次に土台部分に布を巻いていくんですけど、ここからが職人さんによって好みが分かれるところ。
小さくてコンパクトな方が好きって人もいれば、ワタクシのようにデカい方が安定して好きって場合もあります。
デカくするためには単純に厚い布切れを使います。
ワタクシはスウェットをベースにしました。
さすがに20年も使ってると下地なのにボロボロです。
ただ慣れた厚みを変えたくなくて、痛んでない部分を傷みやすいところに移動させて使ってます。
次に一番外側です。
ここは印面を擦って汚れを取ったり、刃物についたカスを取り払ったりと、汚れたり傷んだりする部分なのでマメに取り替える必要があります。
で、冒頭の写真。
本来覆い被さっているはずのTシャツが切れて、中のスウェットが出ています。
なので交換しました。
で、ここは気分を変えて今回は、最近予備がたくさんあるマイクロファイバークロスに変えてみました。
実際に彫る時ワタクシの場合は、棒に挟んで彫るのでこんな感じ。
実際に使ってみるとコレが案外、手触りが良くて気に入りました。
今までのTシャツの綿の感じから、フワッとしたタオル感。
汚れも引っかかって落ちやすく、仕事も捗る捗る。
あと他のハンコ屋さんのサイトとかを見ると、違う道具で彫っている人を多く見かけます。
実際に多くのハンコ職人さんは、以下のような篆刻台を使って彫っています。
ワタクシも職人時代は師に従ってこの篆刻台を使ってたんですけど。
冒頭でも書いた通り、ワタクシの親父がこのぼうずを使って彫るスタイルで、それがずっとかっこいいと思ってたんですよ。
なぜなら篆刻台だと上から覗くスタイルなんで、背中が丸まりがち。
対してぼうずを使うスタイルだと、体が起きて姿勢が良くなるんですね。
ワタクシのアイコンとして使っているこちらの画像も、体がちゃんと起きてます。
このスタイルがカッコいいって幼心に思ってたんです。
なので、鈴印に戻ってから必死にマスターした、なんてマル秘話でございました。
最後に
ワタクシ日々の生活の中であまりこだわりってない方なんです。
でも車の着座位置と、この印章を彫る形だけは、ちょっとでも狂うと違和感があって嫌。
だから正直言うとあまり交換ってしなくないんですよ。
今回もちょっと違和感があったりもしますけど、それも楽しめるようになったのは、大人になって少しだけ余裕が出てきたのかもしれませんね。
たまにはこんな、みなさんにとって何のメリットもないお話もいかがでしょうか。
ま、言いたいことは「ちゃんと彫ってるぜ」ってことですかね。
「手彫り」って言って機械使ってるワケじゃないことが伝わりましたら、狙い通りです♡