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骨印彫刻

  1. 手彫りと手書き

いつものように、印材を持ち込まれての彫り直しでしたが、まさかここで初体験をすることになろうとは・・・

 

 

骨印彫刻

お母様が使っていたものだけど一体何の印材なのか?また使う価値があるのか?
そんなご質問と共にご来店いただきました。

パッと見は象牙かな?なんて思ったんですけど、どうも雰囲気が違う。
かといって鯨でもなさそう。
理由は所々に見受けられる模様なんです。
象牙は格子状の模様しかありませんし、鯨は輪っかのような模様が見えるはず。
今回の印材は、そのどちらとも違う模様でした。
なのでカバの歯かな?なんて予想でお受けいたしました。
お受けした決め手は、元々彫ってあったこと。
誰かが彫れたんなら、私に彫れないわけがない。
それにしてもこの材料の歪みが謎・・・

いざ彫ってみると、これが全く予想だにしない彫り心地。
どう違うかっていうと、異常に硬いんですよ。
私にとってキングオブ硬いは鯨です。
そのレベルじゃないんです。
ちなみに鯨は硬過ぎて刃物が引っかからず、滑ちゃう感じ。
そして彫り進めるほどに、明らかに切れ味が落ちていくんですね。
対して今回の印は、刃物が死んでる?ってくらい入っていかないんです。
本当、硬い石でも彫ってんのかってほど。
そして無理矢理彫ると、一刀ごとに刃こぼれを起こしていきます。
泣きそうでした♡

そんな体験を踏まえつつ、印材詳しい方に確認したところ「もしかして骨では?」との回答でした。
私の知識では、象牙=歯と同程度。
で、硬さに関しては歯=骨って思ってたんですけど、動物になると違うんでしょうか?
でもさすがにこのレベルになると、DNA鑑定でもしないと何の骨かは特定できない気がするんですけど、どんなもんなんでしょう?
どなたか詳しい方いらっしゃったら、アドバイスください。

 

最後に

そんなワケで、印刀ほぼ全滅となりました、、、涙
まあ良い機会なんで、全部研ぎ直ししましたよ。

そしてもし次同じ依頼をいただいたら・・・どうしようかな〜。
正直あまり気乗りしないですけど、相手によりますかね♡

 

 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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