実印とかに使う読めない文字がありますよね?
あれは篆書(てんしょ)と言って、中国の秦の始皇帝が文字を統一した時にできた文字です。
ちなみにその前は甲骨文字ですね。
つまり非常に長い歴史を持つ文字ですから、その形態も様々な種類が存在するんです。
意味が分かりにくいか?
文字って歴史と共に若干変化しています。
分かりやすい例えですと
「髙」→「高」ですね。
あとはこれとか
「辺」の種類。
これって色々な要素が絡んで、こうなってます。
その話は結構ややこしいので割愛するとしまして、文字に様々な書体があるのは、時代によっての変遷が理由なんですね。
で、実印によく使われるのはその中でも歴史の古い左上の篆書。
でもこれが今使われている楷書と違って歴史が長いので、先ほども言ったように長い時代の変遷によって文字にも様々な種類が存在します。
そして実印を彫る最初のデザインは、その中からお客様のフルネームの前後左右を見て、バランスの良い文字をチョイスして作ってるんです。
実印に使う文字は、数ある中から選びます
例として「鈴」
一言で「篆書」と言ってもこれだけの種類があります。
それにこれはあくまで1つの辞書ですので、他の辞書を見るともっと種類は増えます。
まあそれはそれは膨大です。
その中から鈴印では例えば、男性用ならサイズも大きいので複雑な文字を選びますし、女性用ならサイズが小さいので出来るだけシンプルな文字をチョイスします。
もちろんその時のインスピレーションによっても変わりますし、当然作り手の好みだってあります。
鈴印では、印章を彫る際に一番こだわるのは文字のデザインだと申していますが、その理由がなんとなくご理解いただけたら幸いです。
まとめ
昨日はブログで手書きの文字をPC文字との構造上の違いを書きましたが、今日はデザインの観点から書いてみました。
お客様の中には「別に手書きの文字でもPC文字でもそんなに変わらないんでしょ?」って方もいらっしゃいます。
大きいくくりではPC文字も文字として間違っているワケじゃありませんから、一般的に見たらそんなに変わらないのかもしれません。
でも手書きの文字を使うメリットは、当然複製もしにくいですし、それより何よりバランスの良い美しい実印に仕上がることなんです。
そんなワケで連日、日頃あまり表に出ない手書きの文字に焦点を当ててブログを書いてみました。
だってこれが自由自在に書けるようになるのに、10年以上掛かってるんですから♡
結局自慢♡