鈴印のオリジナル商品、ブラッククイーン。
こちらのブラッククイーンは、実はPC彫刻を前提に作っておりません。
どういうコトかって言いますと、最近ではPC彫刻の実印が増えてきてますが、そもそも鈴印でPC彫刻を是としておりません。
理由は複製が簡単にできてしまうからです。
だから手彫りにこだわっています。
との、前提があるためブラッククイーンは開発の段階から、PCで彫りにくい形状って部分も密かにこだわりました。
いいんです別に、PCで彫りにくくたって。
むしろ彫りにくい方がいい。
そんな感じです。
ブラッククイーンは作り手も選びます
実印って通常、寸胴と呼ばれるストレートな形状をしてますよね?
この形だと、機械彫りの時に彫りやすいんです。
それは彫刻機の形状に関係します。
こんな感じで挟んで掘るために、凹凸のない材料の方が彫りやすい。
まあこういう彫刻機自体が、幅広い印章店のニーズに応えて開発されてますからね。
特殊な形を彫れるよりも、一般的な形が彫れた方が良い。
当然ですね。
対してブラッククイーンの形状は、その挟む部分が狭いんです。
だから上手く挟まらない。
つまりPC彫刻機では彫りにくい形状ってコトになりますね。
そしてこれは手彫りをも苦労させます。
手彫りの場合は、篆刻台というモノに挟んで彫るんですが
これも平らな面で挟み込むため、PC彫刻と同様の理由で挟みにくいんですよ。
鈴印の彫刻方法
じゃ鈴印の場合はどうしているのか?ってコトになりますね。
別に企業秘密でもなんでもないんで、ご紹介します。
鈴印の手彫りの場合、篆刻台の形状が違います。
日頃からこういうハサミ木と呼ばれる道具を使っています。
で、ワタクシの場合ちょっとだけカスタムしてて、印材が痛まないように挟む部分にレザーを分厚く重ねてます。
分かりにくいかな?
ちなみにこれはブラッククイーンを挟んでいるんですけど、挟む部分に三重に分厚い皮を重ねて貼っているため、それが緩衝になって材料を痛めないようにしてるんです。
つまり硬い面で挟むんじゃなくて、柔らかい面で包む形状なんで彫れるんですね。
そのハサミ木を使って、こんな風に彫ってます。
まとめ
実印1つを取っても、作り手によって色々な彫り方があります。
ご紹介したようにPC彫刻だったり、篆刻台だったり、ハサミ木だったり・・・
あとは手で直接材料を持って彫る方法もあります。
言葉でいうのは簡単ですけど、どれも練習しないとちゃんと彫れないんですよ。
道具が変われば扱い方が変わるのは、どの世界も一緒ですよね?
ま、ワタクシの場合、修行時代があり、親父に教わる時代があり、それぞれに使う道具が違うんでそれぞれに教わることができたんで、どんな彫り方でもできるようになりました。
それが自分の特徴なんで、ブラッククイーンにはその特徴を反映させました。
自分だけ彫れればいい!
ケチか♡
まあ見えない部分ですが、密かにこだわったブラッククイーンの秘密をご紹介させていただきました。
鈴印オリジナル、ブラッククイーンは作り手も選ぶんです。
ブラッククイーンのお求めはこちらから