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捺印を急かされた時の対処法

2018.09.11
先代からの教え

捺印に関する物語は人の数だけ存在します。
本来捺印って、誰もがハッピーを願って押すものだと思うんです。

良い車買ってドライブに行って・・・
良い家に住んで、家族が増えて・・・
会社を興して、世の中のためになる仕事をして・・・

夢や希望を持って、それを叶えるための第一歩が捺印です。
ところが、その第一歩をうっかりすると一転してしまうのが捺印の怖さでもあります。
だから本来、慎重に慎重を重ねて押すべきなんですが、稀に、特に自身に不利な契約の時ほど、捺印を急かされるようです。
では、そんな風に急かされてしまった場合どうすべきか?
実際の話と合わせて考えてみましょう。

 

捺印を急かされる時は、自分に不利な場合が多い

その方は、これからとある会のとある代理店契約を目前にしていました。
年齢は比較的若く、そのため自分に必要以上に自信があります。自分が判断をミスするわけないって。
今回も自ら率先した契約ではなかったが、まああの人がそんな嘘つくわけないだろう。
それにいざとなったら断っちゃえばいいし・・・

ところが、いざその席に着き慎重に契約書の中身を読もうとすると、相手の方はそれを遮るようにこう言います。

いやいや、みんな読まないですぐハンコ押してるから。
◯◯君もすぐ押しちゃいなよ。
俺も時間ないし。

契約って慣れていても怖いものです。むしろ慣れているからこそ慎重になるのが契約。
ところがまだ経験の少ない彼は、その場の雰囲気にも飲まれ、決断できない優柔不断やヤツだと思われるのを嫌い、言われるがままに捺印しました。
そして後日、冷静になって改めて契約内容を見直すと、それはそれは酷い取り決めだったそうで、改めて専門家に相談という流れになったそうです。

 

ここまで読んで客観的に見ればですよ、なんで押しちゃったの?って思うわけですよ。
ただ契約の雰囲気って独特です。
相手は百戦錬磨の契約のプロ。なのにそのプロを前に舐められてたまるか!みたいなおかしな感情が湧いたりもするんです。
相手はプロですから当然想定内で、巧みに心理を煽ります。
私自身も過去に新聞の契約でしたけど、論破できずに止む無く捺印しかかった経験がありましたから、よく分かります。
なんか押さないと格好悪いような心理に陥っちゃうんですね。
じゃあ実際にこんな時は、どんな対処をしたらいいのか?

 

捺印を急かされた時は、押さない

対処法は1つ、急かされたら押さない。

私自身はそう心に決めています。
だからこれまでも何度もそれで救われてきたように思います。
だって正しい契約であれば、双方でしっかり合意の上で契約を交わしますから。

とは言え、上記のような場面に出くわした時って、なかなか断る勇気が出ないと思います。
そんな時の対処法を私は毎日、親父の接客から教わっていました。

押すなって言われても断りにくい時もあるでしょう。そんな時に良い方法を1つだけ教えておきますね。
それは、責任を人に預けちゃうんです。例えば親だったり家族だったりね。
「実印だけは親に聞かないと押せない」「実印だけは家族に相談しないと押せない」ってね。
人に預けるってカッコ悪く思える?そんなことないんですよ。
だって相手はあなたのそういう男気を利用しているんですから。
あなたの男気はどこの誰か分からない他人より、あなたの大切な人のために取っておいてください。
実印は、あなたの大切な人のために押してください。

 

最後に

今回のケースは「断る勇気」が一番のポイントでした。
相手はそこを言葉巧みに封じました。
冷静ならそんなミスは犯さないんです。だけど・・・
それが契約の怖さだったりもします。

今回のような事例は、そうそうみなさんの前に訪れる話じゃないかもしれません。
ただ身近な話でも上で書いた不要な新聞契約だったり、連帯保証人だったりの罠が潜んでいます。
そんな時は今回の「急かされたら押さない」「迷ったら押さない」を思い出してください。
あなたのその捺印の後ろには、あなたの大切な家族の未来が掛かっていますから。

そうそう。
私が体験した新聞契約の話。
「捺印しかかった経験があります」って書いた通り、実際には押さないで済みました。
なんでかって?

だって親父が一生懸命彫ってくれた印章だったから。

 

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太陽と海と夏があればだいたいご機嫌な三代目。 日々「印」を通して、誰かの価値がちょっと上がるような仕事ができたらと考えている。 手彫りの美しさに惚れ込み、ブログでその魅力や違いを発信するのがライフワーク。 書くことも話すことも好きで、気がつけば毎日ブログを更新している。 ときどき印章の話から脱線するのもお約束。 趣味は筋トレと海と長距離ドライブ。

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