■息子への贈り物☆
以前もブログで書きましたのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが
息子凌太郎の1歳の誕生日に銀行印をプレゼントしました。
普段は個人情報の観点から全作業工程は掲載できないのですが
今回は自分の息子の判なので、特別にその時の全作業工程を公開したいと思います!
まずは「版下」これが全ての設計図になります。
これで出来が大きく左右されますので、一番神経を使います。
次に彫刻する準備に入ります。
今回選んだ材料はこちら・・・
もちろん最高級品の「象牙の極上材」
まず最初に「とくさ」と呼ばれるサンドペーパーみたいな物で印面を平らにします。
この「面丁」(めんてい)と呼ばれる作業が手彫りの要になります。
※だって仕入れた段階で材料は平らではないですから。
こちらがその面丁の途中
左がまだ当たってません。
こちらを平らにして
ここに「字入れ」をしていきます。
字入れは墨で書きますが、材料に直接ですと滑って書きにくいので・・・
まず朱墨を塗ります。
次に「字割り」をします。
文字数やその文字の線の本数に応じて、都度微妙に変更させます。
まず鉛筆で「下書き」
適当に見えるかもしれませんが、ざっくりとしたイメージです。
線の位置を決めるイメージで書いております。
そして筆で「字入れ」
ここでほぼ完成形に近い状態まで持って行きます。
そして「荒彫り」と言って、この朱色の部分を全部彫っていきます。
こうして彫り上がったのがこちら
枠を残して朱色の部分を全て彫り上げます。
そして最後の「面丁(めんてい)」
仕上げなので先程の面丁の時よりは細かい番手の物を使います。
その途中経過はこんな感じ
徐々に平らになってるのが分かりますかね?
完全にツルツルになるまで平らにします。
次に墨を打ちます。
これで文字の輪郭がはっきり分かります。
そして「仕上げ」ていきます。
最初に枠を外から落として、中から削って細く仕上げます。
鋏木(はさみぎ)と呼ばれる台に挟んで仕上げていきます。
これが途中ですね。
凌太まで仕上がっております。
そして完成したのがこちら・・・
☆完成☆
そしてここからが初公開☆
実際の捺した物です。
我ながら気合いを感じます!
そして仕上がった材料をバフで磨き上げます。
弾け飛んだら確実に枠が砕けるので、緊張の一瞬です!
最後にキズや汚れがないかチェックしながら、1本1本丁寧に丁寧に手ぬぐいで磨き上げます。
精魂込めて彫り上げた印章の最後のチェックです。
そしてそれをケースに入れて
これにて納品致します。
ここまでが実印や銀行印を彫るまでの全作業工程になります。
しかもその1つ1つがちょっとでも気を抜くと失敗する代物なんです。
だから職人の技量がとっても問われる職業なのかもしれません。
人生の節目に捺印する実印です。
職人が本気で彫った「本物」を人生の重要な場面で使ってもらいたい!
そんな想いを込めて彫り上げました。
凌太郎の人生が圧倒的に輝きますように!