「カタチから入る」
どちらかっていうとネガティブな意味で使われるコトが多いですね。
でも私は逆じゃないか?って思うんですよ。
カタチこそ重要。
例えば毎日使うペン。良いモノに買い換えればテンションが上がりますし、丁寧に綺麗に書こうというキモチになります。
安いモノは雑に使うけど、良いモノは大切に使うから上達も早い。
また例えば毎日使うモノだからこそ新調するメリットもあります。
変化のない日常に新品が加わり、そのちょっとした違和感が意識を変えて、ちょっとした高揚感も味わえます。
つまり豊かなキモチになるんですね。
そして仕事をする上でも、もちろん生活をする上でもこのキモチが最も大切。
そんなワケで・・・
カタチを変えました
さて、ここで問題です。
コレなんでしょうか?
ヒントは・・・ハンコを彫る彫刻刀、つまり「印刀」を入れるケースです♡
正解♡
なんだこのくだり♡
そうなんです。
私たちが日頃ハンコを彫るための道具
「印刀(いんとう)」を入れるためのケースを新調しました。
これまでの印刀ケース
職人時代は仕切りのある箱を使ってましたけど、本数が増えるにつれて収納しきれなくなります。
そのため当初はこんな感じのを使ってました。
青い別珍の布。
まあ当時はこういったモノに全くこだわりがなかったんで、お店に余ってた布。
そして持ち運ぶ時はバラバラになっちゃうと嫌なんで、よく雑誌とかダンボールを捨てる時に使うひもありますよね?それで縛ってました。
それがイベントなどで人前に出る機会も増え、魅せたいのにコレじゃちょっと、って感じで自分で入手したのがこちらでした。
バッファローレザー
水牛の革ですね。
印章の材料にも使われる水牛ですし、あまり一般的でなくかつ存在感のある革がほしかったんです。
だから革問屋さんで大盤で買って、切りっぱなし部分を残してハサミでカット。
ちゃんとした紐も付けたかったんで、一緒に強度最強の鹿革の紐を買って、穴を開けて通したお手製。
使い続けてツヤも出てきて、とっても気に入って使ってたんです。
ただ1つだけ問題だったのは、持ち運びの際。
普段は机の引き出しに閉まっているのでいいんですけど、持ち運びの際にいくらきつく縛っても、両面が切れ端のため刃物が落ちちゃうんですよ。
だって近々技能グランプリに出るために、持ち出さなきゃならないですからね♡
新型印刀ケース
そんな中千載一遇のタイミングで、鈴印のBLマットの制作をお願いしているthree2four松山さんご来店。
グランプリネタを交えつつ、持ち運びに困ってるなんてお話をしました所「やってみましょう!」とご快諾。
その場で入念な打ち合わせ。
サイズ感や使い方まで細かく聞いていただき、素材は私がここ最近とても気なっていたエレファント。
見た目のゴージャス感はもとより、強度も非常に高く、また象という私の職業とは切っても切れない素材。
そうして出来上がったのがコチラでした。
見てください、この惚れ惚れする完成度。
素材感もさることながら、細部にまで気持ちの行き届いた細かい縫製。
そして商品の良さだけに収まらないのが松山さん。
お渡しの際に
「鈴木さんの職業は、和のテイストが強いですよね?なので和をイメージしてみました。そして紐の色はロイヤルブルー。ちなみにロイヤルブルーの意味は”最高位”です。グランプリで最高位を目指して頑張ってください!」
の言葉。
この瞬間の感激は、もう言葉に表せませんね。
ありがとうございます!
まとめ
カタチが変わればキモチが変わる。
タイトルの言葉は、今の自分の率直な気持ちを書いただけでした。
そのくらい強烈にテンションが上がっています。
人はキモチで動きます。
作り手はどれだけ腕が良くても、キモチが入っていないとロクなのができない。
でも逆に強烈なキモチが入ると、自分の限界を超えた力を発揮するのが人間です。
自分一人じゃなかなかキモチって高まりませんよね?
それが何か新しいカタチに変われば、新しいキモチが生まれる。
そう考えるとカタチはあくまで目に見える、手にすることのできる物質なだけなのかもしれません。
つまり変わるのは、カタチを通して人のキモチが通うことによって、作り手のエネルギーに満ち溢れた自分の心なのかもしれません。
松山さん、今回もありがとうございました。