ありがたいことに私たちは国内トップクラスの素材に囲まれています。
天然材の一番ポイントは、非常に幅広いグレードが存在することです。
そして鈴印には、その中でも特に優れた素材のみを厳選して提供していただいています。
だからトップクラスのみが揃っている訳なのです。
そして選ばれた極上の素材たちは、作り手でもある私により大きな力を与えてくれます。
極上の素材は、元気玉
私自身もある程度の目利きができます。
とはいえ生産者ほどの眼力が備わっている訳ではないのですが、一番は彫刻の際につまり触れ刃物を入れる瞬間に、極上の素材が発するパワーみたいな物を感じるんです。
具体的には指先から背中にかけて鳥肌が立ちっぱなしの状態になって、ちょっとして興奮状態に入ります。
やはり良い素材を扱えるのって誇りでもありますし、それ以上に喜びでもあったりします。
良いものはキメ細やかなんです。
だから気持ち良く狙い通りに刃物が動きます。
本当感覚的ですが、素材が勝手に刃物を導いてくれるような、そんな不思議な感触を毎回味あわせてくれます。
これで良いものができないはずがない、そんな錯覚にすら陥ります。
彫っている時って、走っている時の感覚に近いものもあります。
目標がありますからそれに向かって追い込みつつ、一方で他に考えることがない。
体は目一杯使っているんだけど、頭は別のことを考えています。
ちなみに私はその時は、ご依頼主のことを考えていることが多いですかね。
「そういえば大切なお子さんの実印だって言ってたな」
「遠くからわざわざ来てくれたんだよな」
「どっしりした雰囲気が好きって言ってたな」
「お渡しする時にあれ伝えよう」
などなどです。
一方で最近は素材を取り出した職人さんのことも考えます。
「目一杯良い品が取れたって言ってくれたけど、凄すぎるな」
「今でもこんな凄い素材があるんだな」
「多分ここの部分ってこだわってる箇所だよな」
そんなことが絶えず頭の中を駆け巡り
「じゃあ職人さんのあの話を、お客さんに伝えよう」
「逆に職人さんには、お客さんのあの言葉を伝えよう」
気がつくと、勝手に橋渡しをしているような気分になります。
良い素材を欲っする方は、その商品に対して特別な想いがあります。
同じく良い素材を作る方は、良し悪しを全て熟知しています。
もしかして私自身の仕事って、それらみなさんの想いを繋ぐことなんじゃないだろうか?と最近はつくづく感じます。
つまり、極上の素材が与えてくれるのは品質のみならず、そこに関わる全ての想いがそこに集約されることなのかと。
そしてまた否応なしに気持ちが昂ります。
最後に
元気玉
「オラに元気を分けてくれ」
極上の素材という球体には、みんなの元気がたっぷり詰まっています。