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儀式の効能

  1. 印鑑制度

子供が複数いますと、稀に訪れる入学ラッシュ。
今回はタイミング的に2人が対象となっていました。
ところがここ最近は、コロナの影響で式自体の入場制限もあり、父親である私は出たり出られなかったりとまちまち。
まあ運営する側の立場を考えるとそれもやむを得ませんし、厳しい参加者にとっては逆に安心だったりもするはずです。

そして短いタイミングで対極の体験をしますと、これまた違った角度から物事を見られるものです。

儀式を経ると覚悟が生まれる

昨今、日本の伝統文化は無駄だとの意見を見るようにもなりました。
この式典などもそれに含まれるようです。
ちなみに私自身も、以前は無駄派でした。
「あの長い話になんの意味があんのよ?誰だよ?一体何人登場するんだよ?」的な。
まあ今でもただ長いだけ話には、ほとんど意味はないと思ってますけど♡

でも不思議なことに、全てではなくても一部は記憶に残ります。
長い話は覚えてなくても、子供が入場してきた時や、一緒に撮った写真など。
今ではスマホでいつでも見られますし、最近はウィジェットをカスタムすると、思い出の写真として突然スマホトップに出てきたり。

また長い話の途中では、ワタクシは思考の旅に出かけていることが多いです。
このブログもそうですけど、お話の1つのキーワードから文章にまとめていく貴重な時間。
そして「また聞いてない」と怒られます♡

まあそんなこんなも含めて思い出になります。
仕事を休んで、家族揃って、普段とは違った綺麗な衣装を身に纏い、特別な一日のはじまりです。
子供も普段とは違う雰囲気に、いつもと違った一面を見せてくれます。
幼稚園の入園式なら、もしかするとママと離れる最初のタイミングかもしれません。
子供だけが揃って整列して入場する際は、独り立ちのスタートを感じます。
一方で子供側も自覚し、ママから離れる覚悟の時なのかもです。
そんな感情が入り混じって、きっとあの場は感動するのでしょう。

子供の覚悟を垣間見ると、親も覚悟が決まります。
あいつも頑張ってるから、園や学校の行事にも積極的に参加しようなんて感じです。
これから数年間お世話になるこの場が子供にとってより良い場であることを願って、覚悟が決まる感覚でしょうか。
つまり、その場をみんなで共有することで一体感や連帯感が生まれるのでしょう。

儀式を経ないと覚悟が薄い

今回思ったのがですね、式に参加しないと子供が覚悟した瞬間が見られないため、親の覚悟も弱くなります。
決して奥様に丸投げってつもりはないんですけど、これまで参列した時と比べると明らかに軽い感じなんです。
マズイと思いましたね。
なのでその後、家族だけでお祝いの席を用意しました♡

普段はなかなか食べられない特別な食事の席を、親と入学した1人だけの3人だけで。
小さいとどこまで理解してくれているのかは分かりませんけど、狙いは特別な環境を共有する一体感です。
あと親的にはたまの贅沢の口実♡

兄弟が多いから余計かもしれませんが、子供に少しでもいいんで、3人だけで出かけた記憶が残ってくれたら嬉しいなと。

捺印は儀式です

ご存知のように、捺印は本人確認ではなく、意思の確認です。

【捺印の意味】
×私は鈴木です
◯この内容を全て認めました

意味合いとしては、例えばネットでの注文やログインの際に出てくる以下の画面。

□上記規約に同意します
の項目。

なんとなくチェックを入れている場合もあると思いますが、これと捺印は同じ意味です。
つまり□をクリックすることで、「全て認めました」の意思確認となって契約成立って流れ。

例え深夜で酔っ払っていてチェックを入れようが、契約成立です。
相手が欲しいのは正常な意識のあなたの確認ではなくて、あくまで意思を示した事実だけです。
でも意思確認がないと契約が成立しないから、長々とほとんど読まれないであろう約款を用意して高速スクロールさせ、最後のチェックはできるだけ簡単に。

みなさんも酔っ払って次の朝に「注文確定のご連絡」メールを見て慌てたこともあろうかと思います。
これが押印廃止の1つのカラクリです。
ハンコからチェックにすることでテレワークで簡単契約。
これって結構怖いことですよね?

でもご安心ください。
実印は残る=高額商品は印鑑+印鑑証明書が必要となっていて、チェックで成立はあくまで簡易契約のみ。
つまりチェック方式は三文判の代わりってことですね。

なんとなく言わんとしていることは伝わっているかと思いますが、儀式を経ない契約はヘタしたら覚えてないくらい覚悟が軽いんですよ。
合理的に考えればチェックも捺印も意味は同じです。
だからめんどくさいからチェックでいいじゃんって気持ちも分かります。
だけど昔からずっと儀式が続いてきた理由は、後でやっぱやめたができないため、高額取引の場合は特にお互いに覚悟を決める必要があるからなんですね。

最後に

印鑑を捺すという行為が儀式である意味が、垣間見えたような気がしませんか?
儀式には覚悟を決める意味があります。
覚悟にはもれなく、その後の全責任が付いてきます。

これって日本だけの話ではありません。
例えば調印式って国際契約でも印(しるし)が必要です。
欧米では印鑑ではなくサインですが、登録されたサインという印(しるし)です。
調印式、英語で「Signing ceremony」
日本では印なのに、英語ではサインってところに深い意味を感じます。
しかもこっそりやってもいいのに、あえて公衆の面前で式典を行う。

古来から続く風習には必ず意味があります。
また先人たちの知恵がそこには内包されます。
そしてそんなことを考える時間も、儀式にはあります♡

 

 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜
鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)
1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。
専門店として、はんこ(印章)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長

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