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印鑑の書体で、縦か横かで迷ったら

  1. 手彫りと手書き
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ここではお問合せの多い、印鑑の文字を縦書きにしたらいいのか?横書きしたらいいのか?について解説します。

みなさんそれぞれに調べられていて、最初から縦もしくは横とご指定される場合も多いです。
一方で、それでいいのか?という疑問をお持ちの方もいます。
そのため数ある情報の中から、私たちの考えをご紹介します。

迷いが消えたら幸いです。

印鑑の書体は縦がいいの?横がいいの?

まず結論から申し上げますと、鈴印としてはどちらでも良いと考えています。
ただし傾向として、篆書体は横が、印相体は横が綺麗に入る場合が多いです。

ちなみに上記サンプルは右から「前田・前田・幸子・前田・前田」となっています。
私自身の主観でバランスが良いと感じるのは「前田:篆書体(一番左)」「幸子:印相体(中央)」です。
そしてイチオシは「幸子:印相体(中央)」になります。

サンプルは鈴印のデザインではないため客観的に見られるのですが、やはり篆書は重みが出る横がいい。
そして印相体を横に入れると、複雑になり過ぎているように感じます。

一方で、「前田:篆書体(右から2つ目)」も、認印としては非常に素敵だと思います。
やや複雑は書体を使いつつ、縦にスッキリ配置することで、重みにある認印になるからです。

つまり複雑さ重視=横。読みやすさ重視=縦。と言い換えることもできます。

そのため一概に「縦が良いです」「横が良いです」と言い切れない問題も出てきます。
なぜなら漢字の組み合わせと、用途やお客様のご希望によって正解はないからです。
つまり、お客様のご事情を優先するのが鈴印のオススメとなります。

縦横の希望が出る理由

もう少し深掘りしています。
お客様のご希望は、大きく3つに分かれます。

  1. 縦書き希望
  2. 横書き希望
  3. わからない

当然のことではありますが、それぞれにご事情が異なっています。

1.縦書き希望は、ネットで調べている方が多い

ここ数年で、書体に関わらず横書きを希望される方が増えてきました。
理由を伺うと「ネットか何かで見たんです」
そのため色々と調べてみると、以下のような内容が散見されていることがわかりました。

・縦書きはお金が貯まらない
・実印や認印と区別

対して私自身が教わってきたことは、

  • 篆書は縦長だから横書き
  • 印相体は篆書をベースに作られているから横書き

つまり文字としてはどちらも横書きが基本になります。
ちなみに隷書や、それを基本にした古印体などは横長の文字なので、縦書きの方が綺麗に入ります。

そのためネットで見かける理由に関しては、お金が貯まらないことはよくわかりませんし、区別の理由も根拠があやふやに感じています。
ネットの情報が全て正しいかというと、当然疑問が多いこともみなさんご存知かと思いますが、私自身は印鑑に関しては「?」になってしまうことも多いのが本音です。

2.縦書きの希望は、認印を参考にしている場合が多い

日頃馴染みのある認印がベースになっている場合が多い。

「印鑑ってみんな縦書きですよね?」

そんなご意見も多く受けます。
実際に普段見かける印は既製品が多く、その場合読みやすい縦になっている場合がほとんどですから。
でもこれも理にかなっていて、認印の多くは古印体です。
前述の通り古印体は縦書きがオススメですから、いわゆる既製印が縦書きなのには根拠があります。

一方でオーダーで作る場合は、用途や文字によって考え方を変えても良いのかもしれません。

印鑑の文字、縦か横かのオススメ

フルネームの場合は、縦書きがオススメです

実はフルネーム印も、縦か横かの明確な理由は存在しません。
ただ一方で、そのほとんどが縦書きとなっています。

ちなみに横書きのフルネームでも印鑑登録は可能です。
なのに縦書きをオススメする理由は、実印は公式な場面で使うため、できるだけフォーマルが良いと考えるからです。

実印は分身とも言われ、ある程度その人の考えを表すものですから、喪服を着るようにある程度形式に重きを置いても良いと思います。
もちろん礼服にもいろいろな考えがありますので、参考程度にしていただければと思います。

苗字のみ名前の場合のオススメ

ここが少しややこしくなりますが、傾向としてオススメすると以下になります。

銀行印の場合

銀行印は、少し複雑にされる方が多いです。
また鈴印ではお名前で作ることをオススメしています。
そのためオススメは以下になります。

  • 篆書体なら横
  • 印相体なら縦

複雑すぎず、読みやすすぎず、そんな絶妙なバランスになりやすいのが、この配列になります。

認印の場合

認印は、読みやすさ重視の方が多いです。
そのためオススメは以下になります。

  • 篆書体なら縦
  • 古印体なら縦

縦一択でも良いのかと思います。
他にも鈴印では小篆など、横書きと相性が良い書体もありますが、一般的な認識としては上記になります。

まとめ

最後にまとめておきます。

【フルネーム(実印)】
縦書き
【名前のみ(銀行印)】
縦書き:印相体
横書き:篆書体
【お苗字のみ(認印)】
縦書き:古印体・篆書体

ひらがなやカタカナだけどどうなの?
自分の文字だとどれが相性が良いの?

申し訳ありませんが今回のブログでは、そんな疑問を残す内容になっています。
これは内容によって最適なご提案をしたいと考えている結果ですことをご理解いただけますと幸いです。

そして鈴印の場合は、書体の選択に「おまかせ」がございます。
「どうしよう?」そんな場合は、ぜひおまかせください。
最適なご提案をさせていただきたいと思います。

ご注文はこちらから

 

 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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