お客様の実際の生のお声ほど、リアリティのある言葉はありません。
それはやはり実際体験された方の生の声だからでしょうね。
鈴印には様々なお客様がいらっしゃいます。
それこそこれから会社を興そうという創業者の方から、後を継ぐ後継者の方まで。
世間ではよく、創業者は一から会社を興したから凄い。
それに比べて跡継ぎはお坊ちゃんだから甘い・・・
なんて事をまことしやかにささやかれたおりますが
ま、そういう方もいらっしゃるとは思いますが
不思議と鈴印にいらっしゃるお客様は、気合いの入った方々ばかり!
今回ご紹介するのは、そんな後継者の方。
「いよいよ後を継ぐ事になりましてね。
ま、実際は今までも実質私が仕切ってるような状態でしたから、ただ単に肩書きが変わる位のイメージしか持っていないんですけどね。
でもこうやってハンコを作り直したりして、社長になる準備を進めるに連れて徐々に気持ちが高まっていきます。」
今回のお客様は、代表者変更に伴い社名も一部変更。
そのため実印から何から全て一から作り直しでした。
こちらのお客様は以前から先代の社長さんからは判の事を色々聞いていたそうです。
「会社の実印ってのはな、会社の顔だ。
つまり社長と一緒なんだよ。
だから会社の実印がコロコロ変わってるようじゃいかん!」
「ハンコってのはな、職人さんが作る作品だ。
だからお店によって技術の差が物凄くあるんだから、ヘタなトコで作るなよ!」
「お前な、気軽に代表印をポンポン押すな!
会社の実印を押す重みは、その会社の重みと一緒なんだ。
それってつまりは会社としての意思の表明なんだ。
分かってんのか?ハンコの重みを知れ!」
そんな判にまつわる数々の興味深いお話を聞かせて頂きました。
我々、判を業としている人間からしますと、こんな嬉しいお話はないですよね。
貴重なお話をありがとうございます。
それから数日後、そのお客様から連絡がありました。
「おかげさまで先日作って頂いた会社の実印、あれ遂に押してきましたよ。
いや〜まさかあんなに緊張するモノだとはね〜。
これでいよいよ社長になるんだっていう高揚感と共に、社員さんの事が頭をよぎりました。
あの人達全員の人生をこれから背負うんだなって。
そんな事を考えたらね、手が震えて止まらないんですよ。
いや〜しびれる体験でしたね!
そしてその想いを全部覚悟して実印を押したその瞬間、俺はこれから社長になるんだって自覚が芽生えました。」
社長になるって、例えどんなに大きな会社でも、例えどんなに小さい会社でも一緒です。
そこには共に働いてくれる社員がいます。
仮に社員がいなくても、家族がいます。
そのみんなを守る決意表明が、代表者印の捺印にはこめられているのです。