これまであまりブログ等で積極的にお伝えしてきませんでしたが、鈴印では象牙の小物や根付など、アクセサリー類も取り扱っています。
近年ではお客様からのご質問やお問い合わせも増え、実際に店頭でお求めいただく機会も多くなりました。
そのため当サイトでも、少しずつではありますが象牙の小物類をご紹介してまいります。
まずは象牙のお箸です。
以前ブログでご紹介した際、Facebook経由でご購入くださったお客様もいらっしゃいました。
あれから年月が経ち、ブログのテイストもずいぶん変わったなと感じます。
象牙といえば、豪華で貴重、そして古くから贅沢の象徴とされてきた素材です。
その象牙で作られたお箸は、単なる食器を超えた存在感を放ちます。
実はこの象牙箸には、美しさだけでなく「驚くほどの効果」が隠されています。
2013年8月9日に公開したブログを、2024年4月3日に全面リライト。
さらにデッドストック完売と新品入荷に伴い、2024年5月3日に再び改訂、商品リンク移行に伴い2025年10月21日新たにリライトしました。
象牙のお箸がもたらす心理的満足感

象牙のお箸を手にすると、まず感じるのはその滑らかで柔らかな口当たり。
これは象牙が、歯と同じ「象牙質」で構成されているためかもしれません。
日常の食卓に使うたびに感じるこの感触が、何気ない食事を特別な時間へと変えてくれます。
さらに、象牙の印章と同様に、使い続けることで少しずつ飴色に変化していきます。
年月とともに深みを増す美しさは、まさに“自分だけの一本”へと育っていく証。
この経年変化も、象牙ならではの魅力です。
毒味と象牙のお箸の関係

象牙のお箸と聞いて思い出すのは、私の父がよく話していた「昔は毒味に使われていた」という話。
調べてみると、確かに関連する資料がいくつか存在しました。
たとえば清王朝時代、毒見役が銀製の箸を使って安全を確かめていたという記録があります。
立命館学術成果リポジトリ『北京の宮廷料理と博物館についての一考察』には次のようにあります。
宮廷で御宴が行われる場合、「尚覚禄」と呼ばれる官吏が、皇帝が箸をつける前に、全ての料理を銀製のお箸で安全無毒かどうか試す。
立命館学術成果リポジトリより
また東京家政大学の『北京料理と宮廷料理について』では、次のように象牙箸の使用にも触れています。
皇帝に供されている料理は何人もの検査を経ていたが、さらに「賞膳」といって太監に試食させ、毒物の有無を確認した。
銀の箸や象牙の箸の使用も毒物を発見するためであった。
東京家政大学機関リポジトリより
実際に象牙が毒素に反応したかどうかは定かではありませんが、少なくとも象牙が権威や格式の象徴として扱われていたことは間違いないでしょう。
現代においては、象牙のお箸を使うこと自体が「特別な安心感」を与えてくれる、そんな歴史の名残なのかもしれません。
象牙婚式と夫婦箸

結婚14年目を祝う「象牙婚式」。
象牙が長い年月をかけて成長するように、夫婦の絆が年月とともに深まっていくことを意味します。
この節目に象牙をモチーフとした贈り物を交わす習慣があり、特に象牙の印鑑や夫婦箸は定番の記念品として人気があります。
象牙の夫婦箸はまさに「長く使うほど美しくなる」象徴的なアイテム。
ご夫婦の記念日や贈り物に最適です。
象箸玉杯 ― 贅沢と美食の象徴

「象箸玉杯(ぞうちょぎょくはい)」という四字熟語をご存知でしょうか。
象牙の箸と宝石の杯を意味し、贅沢な生活への憧れを表した言葉です。
贅沢な生活を表す言葉。または、贅沢な欲求が芽生え始めること。
象牙の箸と宝石の杯という意味から。
殷の名臣・箕子が、主君・紂王が象牙の箸を作ったことを聞き、「これではいずれ世界のすべてを求めるようになるだろう」と恐れた故事に由来する。
四字熟語辞典オンラインより
それほどまでに象牙のお箸は、古来より特別な存在として扱われてきました。
最後に

ぜひこの機会に、象牙のお箸を生活の一部として取り入れてみてください。
ご自宅用としてはもちろん、大切な方への贈り物としても最適です。
年月とともに色艶を増し、手に馴染んでいく過程は、まさに人生を共に歩むような感覚を味わえることでしょう。
象牙のお箸は、ただの食器ではなく「日常を特別にする道具」。
歴史・美しさ・手触り、そのすべてが深い満足を与えてくれます。

なお、象牙の箸置きとセットでお使いいただくのもおすすめです。
こちらは限定1点となりますので、気になる方はお早めに。

