象牙といえば、豪華で貴重、そして古くから贅沢の象徴とされてきた素材です。
その象牙で作られたお箸は、単なる食器を超えた存在感を放ちます。
店頭での傾向から、象牙の箸を求めに来られる方は、贈り物にされる方が多いように感じています。
また、もう一つ多いのは、これまで象牙の箸を使ってきて、買い替えに来られる方です。
これまでお使いになってこられたみなさんは、おそらく親御様などがお使いだったのでしょう。
「親が使っていたから、自分も象牙の箸を使う」。
これは印鑑と同じ考え方だと思っています。
親の実印を受け継いで彫り直す方がいるように、道具への思いは親から子へ渡っていきます。
ちなみに印鑑の話は印鑑の彫り直しは、思い出だけでなく、持ち主の意思も継承することに書いています。
鈴印の象牙の箸

鈴印で扱っている象牙の箸は、上上(じょうじょう)ランクの硬い象牙(ハード材)です。
形は四角で、長さは5つあります。
| 長さ | 価格(税別) |
|---|---|
| 18cm | 40,000円 |
| 19.5cm | 43,000円 |
| 21cm | 47,000円 |
| 22.5cm | 53,000円 |
| 24cm | 61,000円 |
夫婦箸は、24cmと21cm、22.5cmと19.5cm、21cmと18cmの組み合わせで、86,000円(税別)からです。
象牙のお箸がもたらす心理的満足感

象牙のお箸を手にすると、まず感じるのはその滑らかで柔らかな口当たり。
これは象牙が、歯と同じ「象牙質」で構成されているためかもしれません。
日常の食卓に使うたびに感じるこの感触が、何気ない食事を特別な時間へと変えてくれます。
さらに、象牙の印章と同様に、使い続けることで少しずつ飴色に変化していきます。
年月とともに深みを増す美しさは、まさに“自分だけの一本”へと育っていく証。
この経年変化も、象牙ならではの魅力です。
毒見と象牙のお箸の関係

象牙のお箸と聞いて思い出すのは、私の父がよく話していた「昔は毒見に使われていた」という話。
調べてみると、確かに関連する資料がいくつか存在しました。
たとえば清王朝時代、毒見役が銀製の箸を使って安全を確かめていたという記録があります。
立命館学術成果リポジトリ『北京の宮廷料理と博物館についての一考察』には次のようにあります。
宮廷で御宴が行われる場合、「尚覚禄」と呼ばれる官吏が、皇帝が箸をつける前に、全ての料理を銀製のお箸で安全無毒かどうか試す。
立命館学術成果リポジトリより
また東京家政大学の『北京料理と宮廷料理について』では、次のように象牙箸の使用にも触れています。
皇帝に供されている料理は何人もの検査を経ていたが、さらに「賞膳」といって太監に試食させ、毒物の有無を確認した。
銀の箸や象牙の箸の使用も毒物を発見するためであった。
東京家政大学機関リポジトリより
実際に象牙が毒素に反応したかどうかは定かではありませんが、少なくとも象牙が権威や格式の象徴として扱われていたことは間違いないでしょう。
現代においては、象牙のお箸を使うこと自体が「特別な安心感」を与えてくれる、そんな歴史の名残なのかもしれません。
象牙婚式と夫婦箸

結婚14年目を祝う「象牙婚式」。
象牙が長い年月をかけて成長するように、夫婦の絆が年月とともに深まっていくことを意味します。
この節目に象牙をモチーフとした贈り物を交わす習慣があり、特に象牙の印鑑や夫婦箸は定番の記念品として人気があります。
象牙の夫婦箸はまさに「長く使うほど美しくなる」象徴的なアイテム。
ご夫婦の記念日や贈り物に最適です。
最近も、結婚記念日の贈り物にと、夫婦箸を選ばれた方がいらっしゃいました。
象箸玉杯 ― 贅沢と美食の象徴

「象箸玉杯(ぞうちょぎょくはい)」という四字熟語をご存知でしょうか。
象牙の箸と宝石の杯を意味し、贅沢な生活への憧れを表した言葉です。
贅沢な生活を表す言葉。または、贅沢な欲求が芽生え始めること。
象牙の箸と宝石の杯という意味から。
殷の名臣・箕子が、主君・紂王が象牙の箸を作ったことを聞き、「これではいずれ世界のすべてを求めるようになるだろう」と恐れた故事に由来する。
四字熟語辞典オンラインより
それほどまでに象牙のお箸は、古来より特別な存在として扱われてきました。
長さの選び方
長さに迷ったら、いま使っている箸を測ってみてください。手に馴染んでいる長さが、そのまま目安になります。
測る箸がないときは、親指と人差し指を直角に広げた長さの1.5倍が、手に合う長さと言われています。箸の世界では「ひとあた半」と呼ぶそうです。
贈り物で相手の手の大きさが分からないときは、男性なら22.5cm、女性なら21cmが目安です。
手入れと、白く戻さない理由
- 使ったあとはぬるま湯ですすぎ、乾いた布で拭いてください。
- 水に長くつけておくと、ひび割れの原因になります。
- 火や熱湯、熱い油は避けてください。
- 食器用の漂白剤は、変色することがあるので使わないでください。
- 食べ物に含まれる成分で黒ずんだときは、歯磨き粉で磨くと落ちます。
象牙はクリーニングすることは可能ですが、箸を白く戻してほしいというご依頼は、お受けしていません。
箸は細くて反りやすく、口に入れるものだからです。
象牙のクリーニングは、数珠とネックレスだけ承っています(象牙の数珠・ネックレスのクリーニング)。
最後に

ぜひこの機会に、象牙のお箸を生活の一部として取り入れてみてはいかがでしょうか。
ご自宅用としてはもちろん、大切な方への贈り物としても最適です。
年月とともに色艶を増し、手に馴染んでいく過程は、まさに人生を共に歩むような感覚を味わえることでしょう。
象牙のお箸は、ただの食器ではなく「日常を特別にする道具」。
歴史・美しさ・手触り、そのすべてが深い満足を与えてくれます。

なお、象牙の箸置きとセットでお使いいただくのもおすすめです。
こちらは限定1点となりますので、気になる方はお早めに。
同じ象牙でも、牙のどこから取ったかで別の素材になります。同じ象牙なのに、なぜ彫り味が違うのか
2013年8月9日に公開したブログを、2024年4月3日に全面リライト。
さらにデッドストック完売と新品入荷に伴い、2024年5月3日に再び改訂、商品リンク移行に伴い2025年10月21日にリライト、2026年9月28日に長さの選び方や手入れを加えて全面リライトしました。
