構想より7年。
ついに世界初、大谷石の朱肉が完成しました。
時間がかかったということは、それに向けての課題も多くあったということに他なりません。
そんなプロセスを合わせてご紹介してきます。
2023年3月14日に公開したブログですが、動画追加に伴い同年同月28日に、またリンク先の商品ページに追記したため同年4月6日に再公開しました。
【世界初】大谷石を使った本格練り朱肉入れが完成しました
世界初、鈴印独自ルートで完成に漕ぎ着けることができた、大谷石の朱肉入れ。
「日本の伝統文化を大切にする人に、大谷石の魅力をもっと知ってもらいたい」そんな想いで、商品化しました。
コンセプトに基づき、なんとなくそれっぽい商品はNG。
やはり本格志向の商品にしたいと考えました。
使用する器はもちろん大谷石。
そして中にスポンジ朱肉を格納する構造ではなく、本格練り朱肉を使用したいと考えていました。
ところがそこが大きな壁となって立ちはだかりました。
ご存知の通り、大谷石は吸水性に優れます。
つまり水分を吸い込むんですね。
そして練り朱肉は、温度変化などで表面に油分が浮かび上がる特性があります。
ということは、朱肉の油分が大谷石に染み込みベタベタになってしまう可能性がありました。
ここが大きな壁となり、やはりスポンジ朱肉を入れ物ごと内蔵する形状にしようか検討は続きました。
いまいち方向性が定まらなくなり、一旦ペンディング。
そんな折、大谷石のカネホンさんとご縁ができ、一気に話が進みました。
ただ遊んできただけじゃありませんでしたw
大谷石朱肉入れの魅力はミソにあり
こちらが底面になりますが、左手前をご覧いただくと見える欠けが、大谷石の大きな特徴の1つになります。
「ミソ」と呼ばれる、茶色い穴。
これは、火山灰に木の欠片などの不純物が混ざりこみ、固まったものだと言われていており、他より柔らかいため部分的に崩れるんですね。
全てが天然のため必ずあるわけではないですし、あっても当然同じ箇所にはありません。
ミソによって、1つ1つ異なる表情を見せてくれます。
蓋の落下を磁石で防ぐ
器の右上と左下に金属が見えるかと思います。
ここには磁石が内蔵されています。
蓋側の下部、そして受け皿側の上部に磁石を埋め込むことで、くっついて落下を防ぎ、正しい位置に戻してくれます。
少しではありますが、大きなこだわりの1つです。
最後に
思い返せば構想はこの時でした。
私が異業種交流会の40代会長を勤め、その周年事業で大谷石と深い関わりを持つことになった際。
「宇都宮の異業種の経営者が、地元が世界に誇る大谷石の魅力をさらに広めたい」
そんな活動でしたから、大谷石のことをかなり調べました。
調べれば調べるほどに魅力を増す大谷石。
この大谷石を鈴印として広げられないか?
きっかけはそんな流れでした。
朱肉なら日本中の契約の席で必要になります。
また大谷石の魅力でもある、どこかおしゃれなのに重厚感を感じる雰囲気は、厳格な契約の席に最適です。
そんな想いで完成させました。
最後にそんな無理難題をご快諾いただき、理想の形に仕上げていただいたカネホン株式会社の高橋卓社長に心より感謝申し上げます。
おかげさまで素敵な朱肉入れが完成しました。