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枠の欠けたハンコが直せない2つの理由

  1. 印鑑を使っていて困った時
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「ハンコを落として枠が欠けちゃったんですけど、補修ってやってもらえるんですか?」

よくお問い合わせ頂く内容ですが、まず結論から申し上げますと、誠に申し訳ありませんが
欠けた枠の補修はできません。

お客様のご要望ですから何とかしたいと考えていますが、やってもあまり意味がなくなってしまうからやらない、という言い方が一番近いでしょうか。 
その理由を2つ、以下にまとめておきます。
2014年6月6日に書いたブログですが、2021年3月29日にリライトしました。

枠の欠けたハンコが直せない2つの理由

1.補修してもまた欠けてしまうから

まずこちらが欠けてしまった印面の横からの写真です。
多分みなさんが考える補修って、欠けてる部分をプラモデルみたいにパテみたいな補修キットを使って埋められないか?でしょうか。

プラモデルはそもそもプラスチックですし、印章のように圧力をかけるわけではないので、後から足してもほどんど影響はないです。
対して印章は、それよりも遥かに硬い異素材です。
しかも力を入れて紙にグリグリ押し付けるため、同じ方向に強い力がかかります。

すると当然ですが、印章にはこのように負荷がかかります。

そして、この力がが均等に保たれるには、材料の硬さが均一ってのが条件になるワケですね。
均等じゃないと・・・

硬さの違う部分だけ違う圧力がかかって、押した時に更に破損してしまいます。
よって特に枠のように外側でかつ、強い負荷がかかる箇所に関しては、パテや接着を使っての補修は意味がない物になってしまいます。

2.欠けた部分に合わせて全体を調整すると彫刻面がなくなってしまうから

1.で述べたように、枠のみの補修は物理的に意味がないことが分かります。
では他に方法はないのか?
考え方としては悪い部分を全て取り除く、つまり削り落とす方法になるワケなんですが、印章彫刻の特性上、これも無理なんです。
なぜなら、写っている部分が土手の頂点になっているから。
仮に印章が丸い枠だけだと考えると、このような状態です。

黒い斜線の部分を削って仕上げます。
これによって捺した時に細い枠も、土手を作ることで丈夫になっています。
そのため削除してしまうと・・・

今度は、太さが変わってしまうんですね。
またほとんどの場合は、彫刻の底面ギリギリまで欠けていたりしますから、結果・・・

彫刻面までごっそり削り落とすことになり、全てなくなってしまいます。
参考ですが、削り落とす時の動画を撮りましたのでご覧ください。

このように完全に削り落とす必要があるんですね。
よって、枠に合わせて全体を調整すると彫刻面がなくなってしまうワケです。

以上の2つ理由から枠が欠けた場合の補修対応は、大変申し訳ございませんが承っておりません。

欠けた場合の対処法

欠けた場合の補修ができないということは、彫り直すもしくは、新たに作り替えとなります。
彫り直しに関して、柘植やプラスチック以外なら対応することが可能です。
ただし、全部を削り落として新たに彫るため、以前の印影とは異なるため、もし実印や銀行印などの登録印の場合は、再登録となりますことご了承ください。
詳しくは別のブログにまとめています。

作り替えは新しい材料を購入されて作ることになりますので、新規でのご注文と同じになります。

最後に

以上が枠が欠けてしまった場合に、鈴印でできる対処法になります。
いずれにしましても、枠が欠けてしまった際には必ず登録変更になってしまいます。
時間もかかりますし、当然費用も発生しますから、くれぐれも落とさないように十分ご注意下さい。

こちらをご覧の方はすでに落とされている可能性が高いのですが、一応以下のブログのリンクも貼っておきますね。

今後の参考にしていただけましたら幸いです。

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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