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枠の欠けたハンコが直せない2つの理由

印鑑を使っていて困った時

Q:「ハンコを落としてしまい、枠が欠けてしまったんですが、修理は可能ですか?」

というご質問はよくいただきます。
ハンコを大切に使っていただいている中で、このようなトラブルが起きてしまうのは本当に心苦しいですね。
まず結論から申し上げますと

A:残念ながら枠が欠けたハンコの補修をすることはできません。

今回のブログでは枠が欠けたハンコを直せない理由と、そんな時にどう対処すればよいかについて、分かりやすくご説明します。
2014年6月6日に公開したブログですが、2021年3月29日に、また2024年3月19日にリライトしました。

枠の欠けたハンコが直せない2つの理由

1.補修しても再び欠ける可能性が高いから

最初にお伝えしたいのは、ハンコの枠が一度欠けると、その部分を以前と同じ強度に回復させることは非常に困難ということです。

ちなみに私自身がすぐに思いつくのは、パテなどを使って成形できないか?
といった方法でしょうか。

もしかするとこの方法でも枠自体は復元できるかもしれません。
ところが一番の問題は素材が違うことです。
ハンコの枠は同じ素材で構成されているため、均等にかかる圧に耐えることができます。

一方で仮にパテで成形ができたとしても、違う素材のため、捺印した際にかかる圧が違ってきます。
ハンコは強い力を入れて紙に押し付けます。

そのため異なる素材を用いると硬度や密度が異なり、結果として均一な圧力を保てなくなるため、再度の破損リスクが高まります。

2.欠けた部分に合わせて全体を削ると彫刻面がなくなってしまうから

またこちらも私自身思いつく方法ですが、欠けた箇所までを削り落とせないか?です。
欠けた箇所を全部を削った場合、印章の彫刻面のほとんどが消えてしまいます。

大概欠ける場合は彫り込んだ底部分にまで及びますので、彫刻面そのものがなくなってしまうんですね。
これでは結果的に新しい印章を作成することと変わらないため、推奨できません。

以上の2つ理由から、枠が欠けた場合の補修対応は、大変申し訳ございませんが承ることができません。

欠けた場合の対処法

残念ながら、枠が欠けたハンコの補修をすることはできませんが、彫り直しや新たに作り替えることによって解決できます。
具体的に彫り直しが可能な印材は、象牙や水牛や石材、また意外なところではチタンなど。
また、柘植やプラスチックなどは対応できませんので、予めご了承ください。

ちなみに「改刻(かいこく)」という彫り直しの際には、上の2でご紹介した方法で一度平に削り、新たに彫り直していきます。
参考に削り落とす動画を撮りましたのでご覧ください。

以上のような工程を経て、印面を一度真っ平らにします。

この後にまた新たに彫刻する流れとなります。

このように全部を削り落として新たに彫るため、以前の印影とは異なります。
もし実印や銀行印などの登録印の場合は、再登録となりますことご了承ください。
彫り直しに関して、さらに詳しくは別のブログにまとめていまますので、ご参考にしてください。

[clink url=”https://suzuin.co.jp/blog/13971.html”]

最後に

以上が枠の補修できない理由と、欠けた場合の対処法になります。

いずれにしても時間がかかりますし、また費用も発生しますから、くれぐれも落とさないように十分ご注意下さい。
また落とさないコツなどもございますので、気になる方は以下のブログをご覧ください。

[clink url=”http://suzuin.co.jp/blog/3174.html”]

またご不明な点などございましたらお気軽にご連絡ください。

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太陽と海と夏があればだいたいご機嫌な三代目。 日々「印」を通して、誰かの価値がちょっと上がるような仕事ができたらと考えている。 手彫りの美しさに惚れ込み、ブログでその魅力や違いを発信するのがライフワーク。 書くことも話すことも好きで、気がつけば毎日ブログを更新している。 ときどき印章の話から脱線するのもお約束。 趣味は筋トレと海と長距離ドライブ。

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