チタンのイメージに合わせて、書体を一から開発しました!
ブラックレーベルのフラッグシップモデルはチタン印鑑です。最上級であるためには全てに想いをつぎ込まねばいけないと考えました。
素材や包装もそうですが、鈴印としての一番のこだわりは文字です。
鈴印はこれまで80年、ハンコの専門店としてやって参りました。それはすなわち、文字のプロでもある訳なのです。ですから一番のこだわりは文字になります。
鈴印が長年に渡り培ってきた文字をベースに、チタンという金属に最も相性の良い幾何学なイメージの書体「SK印相体」と「SK印相体Ⅱ」をチタン専用に開発致しました。
その開発の詳細は
チタン専用に書体を開発しました
チタン印に女性専用書体が加わりました
をご覧下さい。
他にもこだわりが目一杯詰まっていますので、2014年10月7日に公開しましたが、2018年8月8日にリライトしました。
文字を作る上でのルール
これはお店によってかなりの違いがあると言っても過言ではありません。なぜなら職人さんによって、文字の知識や考え方や好みがかなり変わるからです。
ちなみに鈴印ではSK印相体に限らずどの書体でも、大きく3つに特に意識をおいております。
- 正しい文字である
- 線の間の空間をできる限り揃える
- 気分で変える
1.正しい文字である
当たり前のことですが、間違った文字では印鑑登録ができませんからね。これは言い方を変えると、どんなにバランスの良い文字でも間違っていたらNGです。つまり優先順位としては「正しい文字」これを何よりも優先します。
文字はその進化の過程においてかなり複雑に変化した文字もございます。なので制作の際には多くの辞書等を比較した上で前後左右の文字を合わせて文字を選定しております。
2.線の間の空間をできる限り揃える
文字は全て縦線・横線・斜線・曲線が交差して成り立っております。そして文字が交差するという事は、その間に空間ができます。そして特にSK印相体は、その文字の間の空間が均等であればある程美しいのです。
それは言い換えると、構成する線の数をできる限り揃える、とも言えます。
3.気分で変える
ここだけ読むと「おいおい!」ってなりそうですが、実はこれがとっても重要なんです。なぜなら完全に規格化してしまうと、それはすなわち「フォント」になってしまうからです。フォントになってしまうと、同姓同名の方ですと同じ判になってしまいますから。
なのでこの「気分によって変える」というとってもアナログな手法が、ハンコを唯一無二のモノにしているのです。
SK印相体とPC印相体の違い
そんなイメージをご理解頂きつつ、次は実際にどれだけ違うのか、それぞれの特徴と共に解説したいと思います。
PC印相体「鈴木延之」
まずはPCの文字からご覧頂きましょう
PC印相体「鈴木延之」
確かに実印らしいと言えば実印らしいかもしれませんが、上記の3つの視点を加えて見ると、文字の空きと線の数がそれぞれバラバラに見えます。分かりやすく言うと「鈴」は線の数が縦線横線共に多いのに「木」はスカスカです。「延」は縦線が7本もあるのに「之」は縦線が5本です。なので「延」が一番窮屈に見え「木」が一番あっさりして見えます。
すると目の錯覚で「延」が一番小さく見え「木」が一番大きく見えます。
SK印相体
SK印相体「鈴木延之」
一見文字には見えないかもしれませんが、全ての線を漢字の期限「篆書」基づいて作成しております。つまり文字として正確です。
全ての横線の数を6本に統一。縦線は「鈴」のみ6本、他は5本となっております。文字の空間と線の数を出来るだけ揃えて、デザインとして整合性が取れる様にしております。
そしてこちらもまた、気分で変えます。もしかすると次は「鈴」の縦も5本にするかもしれません。すると更にバランスは整いますよね。
女性用PC印相体
PC文字ですから男性・女性の区別などはありませんが、上と区別するためあえてこう呼びます。
PC印相体「鈴木真澄」
この文字は特に大変です。「真」は横線が7本になり、「澄」は縦線7本+横線が8本になります。だから「木」だけが異常なほどバランスが悪く見えます。
こういう時の対処法は、線の多い文字の線の本数をを少しでも減らし、線の少ない文字の線の本数を出来るだけ増やします。
SK印相体Ⅱ
SK印相体Ⅱ「鈴木真澄」
SK印相体Ⅱは女性専用書体です。SK印相体が直線のみなのに対して、SK印相体Ⅱは直線+曲線。その上、線の数を出来る限り揃えて構成します。
でも実はこの「線の数を変える」のが手作りならではの肝なのです。PCフォント文字ではそもそもバリエーションがいくつもありません。そして線を減らすにも、文字のルールを知らないと誤字になってしまいます。そのため我々はその都度辞書を調べ、少ない線の文字を探すのです。これも鈴印の場合は80年に渡る蓄積がありますので、瞬時に文字をセレクトすることが可能なんです。
最後に
いかがでしたでしょうか?実は意外にとっても手間暇を掛けてデザインしております。
世の中には量産しやすいモノ程コピーされやすいと言われます。そういう意味ではこの書体は複製はほぼ不可能なのでご安心下さい。何しろ実際作ってる私自身が同じモノを作れないのですから。
鈴印の長年の歴史の上である程度確立された文字に新たにアレンジを加え、それもまたその都度変化させていく。そういった複雑なプロセスを踏んで全てのハンコに、唯一無二の独自性を与えております。
そんな案外表に出にくい側面に今日はスポットを当ててみました。
大変そうだな〜と思って頂けたら幸いです♡
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