まあ今となっては懐かしい思い出。
ただ当時は非常に悔しい経験。
鈴印はありがたいことにお客様に恵まれ、初めてご来店いただくお客様が過半数にも関わらず、これまで大きなクレームをいただくコトも、また厳しくお叱りを受けるコトも非常に少ないんです。
勝手に想像するに「良い印章を求められる方」=「徳の高い方」なのかな?なんて思っております。
そんな中、後にも先にも1件だけ、ご注文をいただいて完成してもお引き取りいただけなかったコトがありました。
言い方を変えますと・・・バックれ♡
死ね♡
なんかちょっとその当時を彷彿とさせる出来事があって思い出したんで、同じような被害に遭われないよう、参考に書いてみたいと思います。
怪しいヤツほど正装でやって来る
思い返せば10年以上前。
当時ワタクシが鈴印に入社して間も無く、まだまだ高額な印をお求めのお客様には対応させてもらえなかった頃。
忘れもしません。月曜日の朝一。
なぜ忘れないかっていうと、月曜日の朝一ってとっても苦手なんです。休みで疲れ果て、頭の回らない週の初め。変わったご依頼に対応する準備が、頭ができてないんですね。
そんな月曜日の朝一。一人でお店の掃除なんかをしているワタクシの前に1人は紺ブレにグレーのスラックスを上品に着こなし、もう1人はネイビーの嫌味を感じさせないスーツの紳士。
爽やかな笑顔で開口一番、大きな低い声で・・・
「このお店で一番高額の印をください。」
完全にワタクシの脳内はフリーズ♡
下手に対応するとあとで親父に怒られるからね♡
急いでまだ準備中の親父を呼びに行き、確か髭剃ってました。
「なんか一番高いの欲しいってお客さんが来てるけど!」
珍しく慌てるワタクシを見て・・・珍しく慌てる親父♡
血は争えない♡
急いで着替えてお店に到着する親父。
でも側から見ていてよく分かるんです、親父も頭が回ってないのを。
そうでした。
まさかの・・・
親父も月曜日の朝一が苦手だった♡
血は争えない♡
怪しいヤツほど自分を信じさせようと身分の高いアピール
「私はこういう者なんです」
訝しがるワタクシ達を前に、犯人は自信満々に語ります。
犯人になっちゃった♡
見ると聞いたことない社名に、聞いたことない肩書きの数々。
「社員が300人ほどおりましてね」
「今度私たちの世界初の研究が認められまして。水を自動で濾過する装置を開発したんです」
「これで最低でも3000億は売れますから」
・・・
まあなんか2時間くらい自慢話してたんですけど、忘れちゃった♡
とにかく自分を信じさせようと数々の嘘か誠か分からない話を延々とし、ワタクシたちの頭を錯乱させます。
今ならね、ちゃんとググって確認したり、そもそもアレやコレなどの怪しいコンテンツが満載なんですけどね。
月曜日って怖いですね♡
怪しいヤツは注文がいい加減
「当店で一番高い商品はこちらです。」
伝える親父に、ヤツはこう答えます。
「じゃあ、これとこれとこれ」
緊張感0♡
だって高いのから順番にピックアップしただけですから。
特に商品説明を聞くこともなく、即決。
普通7桁の商品買う時って、やっぱ色々聞きますよね?
それが全くない。
代わりに自分の自慢話♡
聞いてんのめんどくさい♡
その後急ぎの一番高い品を期日までに彫り上げ、待てど暮らせど現れず・・・
怪しい人間の特徴
残念ながら、ワタクシもう引っかからないですよ。
だってね、傾向が掴めちゃいましたから。
経験者は語る♡
【怪しい人間の特徴】
怪しい人間は本気度が伝わらない
あの詐欺に遭ってるのと同じ感覚ですね。
「なんか怪しいんだよな〜」
この感覚はいつも正解ですね。
ワタクシたちは毎日新しいお客様とお話をさせていただいてご注文になります。
そして高額商品であればあるほど、お客様は真剣です。
ですからこちらもそれに応じた対応をさせていただきます。
だからお互いに本気になります。
だけどですね、こういう人と話してる時って、なんとなく虚しいんです。
やっぱ自分たちにも接客の型がありますが、その型を全部流されちゃう感覚。
だから一生懸命やればやるほどに、なんとなく虚しさが残ります。
パンチしても全部かわされる感覚♡
疲れるだけ♡
おまけ
まあね、そのまま騙されっぱなしも悔しいんで名刺の住所を訪ねましたけど、なんか汚ったねー団地の2階。
一応弁護士さんとかに相談して内容証明郵便とかも送りましたけど、訪ね人見つからずで返却。
しかし!数カ月後に見つけたんですよ、このチョビんを、宇都宮駅で。
あっ!っと思って追いかけたんですけど、普通にバスに乗って行きました。
タクシーじゃないんかい♡
そういえばこの問題が発覚した時、そこにたまたまいなかった母が一言こう言いました。
「この2人が揃って騙されるって凄いね?
あっ!・・・
月曜日の朝か・・・」
鈴印の、月曜日の朝は狙い目です♡