昨日の迷走状態。
結局1日かかって結論出ず、、、汗
そして忙しい時期に限って、こういうことをやりたくなるSAGA。
ところがついに、トンネルから脱出することができたっぽい♡
ヒントはいつも過去にあり
独り言のような話になっちゃいますが、本当に悩みました。
鈴印の落款風実印は、横に並んでいてこそ美しさの本領を発揮します。
それを今回フルネームで見本が作れないか模索中でした。
「ただ2文字が4文字に増えるだけじゃないの?」
これが信じられないほど異なるんです。
2文字だとスラリとスタイルの良い文字なのに、2×2の4文字の場合、当然上下が潰れ寸詰まり感が出ます。
そのため昨日は、空間の空きの部分を調整したり文字の年代を変えたりと、ありとあらゆるバリエーションを試している内に、ワケが分からなくなってきました。
ところが人間誰しも、ワケが分からないほど迷走した先には必ずヒントが見えてきます。
今回は、とある出来事を思い出し脱出できました。
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なぜか急に親父が「次の誕生日にはお母さんの実印をプレゼントしてやろうと思って」なんて言い出しました。
これまでも書いていますが、落款風実印の産みの親は親父です。
母へのプレゼントする印は、当然落款風書体を選んでいました。
これまでの前例のないフルネームでしたから、何度も試し書きを繰り返し、あーでもないこーでもないと相談されてのをよく覚えています。
下手に悪く指摘すると怒られるので、機嫌を損ねないよう最大限の気を遣いながら私も進言していました♡
そうして出来上がった判下は、それはそれはため気が出るほど素晴らしい完成度でした。
普段であればその後の彫刻は私の仕事でしたけど、その時は最初から最後まで自分で手掛けてましたね。
結果、普段あまり見ることの少なくなって親父による完全な作品を、この目にする貴重な機会になりました。
まあとにかくスペシャルでした。
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そんな出来事を思い出し、母に相談。
見せてもらった実印は、きっと同じように悩んだプロセスが手に取れるかのように、ヒントが満載でした。
そして一気に書き上げたのが、今回の判下でした。
最後に
世の中が目まぐるしい速度で動いています。
それに負けないように進んでいると、自分の今の位置がよく分からなくなってきます。
私たち印章を彫る人間は、この文字を書く部分に大部分の力量を使います。
無から何かを生み出す瞬間ですから。
だからこそ、新しいチャレンジになるといつも悩みます。
今回も悩んで悩んで結果辿り着いたのは、同じように悩んでいたであろう親父の経験でした。
可能性はいつも未来にありますけど、そのためのヒントは過去にあるのかもしれませんね。
まあその積み重ねがあって今があるワケですから、当然っちゃ当然なのかも。