個人と比べると法人は一般的に「社判」と呼ばれる(正式には住所印)ゴム印を捺す頻度が高いです。
やはり動かすお金が大きいですから、その分出し入れも頻繁になります。
ゴム印は消耗品ですから、頻度が高いということは摩滅してしまう頻度も高いです。
すると作り直すことになりますが、中には「届出してるから全く同じにしてほしい」というご要望もあります。
この点に関して複数の銀行に確認し、まとめておきましたのでご一読ください。
銀行で使っている住所印を作り直した場合は、銀行への変更届が必要なの?
まずはこの「同じく作れるかどうか」に関して回答しておきます。
A:全く同じゴム印を作ることはできません
理由としまして、既製品のように同時に大量に作れば同じものを作れば可能ですが、1つ1つオーダーの場合はかなり難しいのが現状です。
例えば印刷物でも、スキャンして印刷しても全く同じにはならず、同じデータでも設備や環境で全く同じにならないのと同様です。
詳細はかなり長くなるため割愛しますが、まず大前提として全く同じゴム印が作れないことをご理解ください。
その上で作り直した場合の届出変更についてお伝えします。
住所印を作り直した場合に届出変更は、不要な場合と必要な場合があります
住所印の変更届の有無は、銀行印のように印影を届け出ているかどうかに関係します。
ご存知のように銀行印は、丸型で硬い材質で彫られているものが一般的で、個人や法人に関わらず銀行で口座開設をするために必要な印です。
それと同じように、銀行によっては住所印を届け出るパターンがあります。
先にお伝えしておくと、住所印を届け出るのはレアケースではあります。
変更届出が不要な場合
1.普通預金用のゴム印は変更不要
みなさん通常は普通預金口座を使われていると思います。
そして高額なお金の出し入れをする場合は、窓口に行って手続きをする必要があります。
その際に払戻請求書やお預入票などに、署名もしくは捺印+場合によっては銀行印を捺します。
そもそもゴム印の基本的な役割は、手書きの手間の省略です。
毎回書くのは面倒なんでポンと捺しましょう、がゴム印です。
このように普通預金で使用している住所印は登録などをしていないため、作り直しても変更届は不要です。
↑ほとんどがここに該当します
変更届出が必要な場合
1.普通預金用でも、記載されている内容が変更にあった場合は、変更が必要
住所印を作り直す場合は、摩滅だけでなく、住所や社名や代表者が変わる場合があります。
この場合は口座の登録情報と違いますから当然、届出変更が必要になります。
【住所印の届出変更が必要な場合】
・住所が変わったとき
・会社名が変わったとき
・代表者名が変わったとき
※書体や大きさなどゴム印の印影ではなく、記載されている内容が変わったとき
↑ほとんどがここに該当します
つまり住所印を変えた際に変更届出が必要な場合は、会社の重要事項が変わったときです。
2.当座預金に登録している場合は届出変更が必要
当座預金は小切手の支払いに使われる口座です。
現在多くの銀行では、当座預金開設の際に特に住所印の届出を求めていません。
そのため一般的には届出変更は必要ない場合がほとんどかと思われます。
しかしながら某銀行では、当座預金の住所印を変更した場合は届出変更が必須となります。
以下の内容に紐づけられるためです。
・当座預金開設の際には、専用用紙に銀行印と共に使用する署名鑑(住所印)の届出が必要
・当座預金と紐づいた小切手は、届出(スキャン)した署名鑑を印刷もしくは、署名鑑の捺印で有効
つまり某銀行で小切手が有効になるためには銀行印と署名鑑の2つが必須になるため、ゴム印を変更した場合でも届出変更をしておかないと、小切手が無効になってしまうとのことでした。
ハンコに関する規定は、例えば実印なら地方自治体によって異なるように、銀行印も銀行ごとに異なります。
そのため気になった方は、お取引の銀行にご確認されたほうが間違いありません。
まとめ
現在は、署名鑑の届出を義務付けている銀行も限られています。
またゴム印は消耗品でもあります。
それらを鑑みて、今回のブログはこのようにまとめておきます。
A:銀行で使っているゴム印を作り直した場合は、銀行への変更届が必要なの?
Q:会社の重要事項変更に伴う作り直しの場合と、当座預金開設の際に届出ている場合は、変更届が必要です
当座預金開設の際に届出ているゴム印は、他のゴム印とは分けておいたほうがいいです。
いずれにしてもゴム印を変えたからといって使えないことはなく、新たに届け出しなおせばご使用いただけますので、新たなゴム印で快適にご捺印ください。
今回色々調べていく中で、日本の重要な場面ではハンコが大切に扱われてきたことがよくわかりました。
それに伴ってゴム印の種類も多岐に渡っています。
もしそれらの使い分けでご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
私もわからない場合は、今回のように調査してみたいと思います。