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同じハンコで、家族が実印登録ってできるの?

  1. 印鑑制度

ここでは印鑑登録に関して、ご家族で共有できるのかどうかを解説します。

家族なら同じ苗字ですから、共有できるのか?
そんな疑問にお答えします。

2015年1月29日に公開したブログですが、大幅リライトし、2022年1月13日に再投稿しました。

 

同じ印鑑で、家族が実印登録できるのか?

まず結論から申し上げますと、家族がすでに登録している印鑑を、別の家族が登録することはできません。

理由として、ここでは宇都宮市のサイトを引用させていただきます。

【登録できない印鑑】

  • 住民票に記載されている「氏名」、「氏」、「名」、「旧姓(旧氏)」もしくは「通称」、または「氏名、旧姓(旧氏)もしくは通称の一部を組み合わせたもの」で作られていない印鑑。
  • すでに同一世帯のほかの人が登録している印鑑。
  • 職業などほかの事項を合わせて表している印鑑。
  • 印形が変形しやすい印鑑(ゴム印など)。
  • 印影が一辺の長さ8ミリメートルの正方形に収まる印鑑、または、一辺の長さ25ミリメートルの正方形に収まらない印鑑。
  • 「き損」、または「ま滅」している印鑑。
  • 印影の照合が困難である印鑑。

宇都宮市のサイトより

念のため直接市役所市民課に電話をして、尋ねた際の回答は以下でした。

同一世帯で同一印影の登録はできません。また紛らわしい印影の場合も認められません。

役所では「実印=1つしかないもの」という考え方をするため、同じ実印を複数登録は認めていないとのことですね。

では実際に、どのような方法で確認するのかも併せて伺ってみました。
すると、印鑑登録の際は必ず同一世帯の印影を照合するそうです。
つまり、ご家族全員の登録している実印をコンピュータで照合して、同じ場合や似ている場合は「紛らわしい印鑑」とみなされ、登録を受け付けられないとの事です。

 

良い時はいいけれど・・・

今回改めて確認するきっかけは、お客様の声でした。

[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://about-seals.suzuin.co.jp/wp-content/themes/quadra_biz001/img/common/no_avatar.png” user_name=””]今度結婚することになったんですけど、奥さんの実印を自分のと一緒にしてもいいんですかね?
自分の実印は苗字だけだし。[/speech_balloon_left1]

確かに登録の際の費用などを考えると、一見合理的な考え方です。
これは登録上の問題で登録できないことがわかりました。
また一方で、弁護士などに話を聞くと全く別の現実を教えてくれます。

[speech_balloon_left2 user_image_url=”https://about-seals.suzuin.co.jp/wp-content/themes/quadra_biz001/img/common/no_avatar.png” user_name=””]そんなことが認められたら大変ですよ。
そもそも全員が全員夫婦円満とは限りませんから。
例えば家や土地を夫婦共同名義で購入する場合は、そもそも同じ印鑑で意思の担保は成立しませんし、それこそ借入なんてことになったら、勝手に相手の名義で借金できちゃいます。
やはり家族といえどもそれぞれ独立した個人の集合体ですから、印鑑も絶対に別にすべきですね。[/speech_balloon_left2]

現実は厳しい場面もあるようです。

 

最後に

実印は既製品でなく、きちんとオーダーして手彫りで作った物が安心と言われますが、それは印影の良し悪しだけでなく、登録上の問題も含みます。
せっかく購入しても既製品だと登録できない場合がありますし、また万が一登録できても今度は混乱してしまう可能性が高まります。

一度登録すると長いおつきあいになるのが実印です。
また多くの方がしょっちゅう捺すものでもありませんので、どれがどれなのかも忘れがちです。
そのため登録の際は、今回の内容をご理解の上、慎重にお願い致します。

 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜
鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)
1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。
専門店として、はんこ(印章)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長

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