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印鑑登録にゴム印やシヤチハタ印は使用できない?

  1. 印鑑制度
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ここでは、印鑑登録や書類に記載されている「ゴム印やシヤチハタ不可」の理由について詳しく解説します。
理由だけでなく、ゴム印やシヤチハタの構造についても紹介しますので、理解が深まることでしょう。
この記事は2015年2月6日に公開しましたが、2020年9月17日に、また2024年7月10日に再度リライトしました。

印鑑登録にゴム印やシヤチハタが使用できない理由:変形しやすさ

まず結論として、「登録できない印鑑」とは、変形しやすい印鑑(ゴム印など)のことを指します。
ちなみに宇都宮市のサイトには以下のように記載されています。

印形が変形しやすい印鑑(ゴム印など)。

宇都宮市のHPより

つまり、構造上の問題が原因です。
シヤチハタの記載はありませんが、構造的にはゴム印に似ているため、同じ扱いとなります。

印鑑登録を行う印は、契約時に印鑑証明書とともに使用されます。
登録された印影と実際の印影が大きく異なる場合、契約の効力が失われてしまいますよね?
また、印鑑登録された実印は、長年にわたり使用します。
そのため、変形しやすいゴム印やシヤチハタは使用できません。

ゴム印やシヤチハタ印の素材

では、なぜこれらが変形しやすいのかについて説明します。

ゴム印

ゴム印は、その名の通りゴムで作られています。
車のタイヤもゴムでできていますが、摩耗によって定期的に交換が必要です。
同様に、ゴム印も摩耗しやすい特性を持っています。
ゴム印の場合は、使用回数や環境によりますが、一般的には10年ほどが交換の目安です。
そのため、何十年と使用される登録印としては適していません。

さらに、ゴム印は油性のスタンプ台などを使用すると膨張して変形する恐れがあります。
特に朱肉を使用すると、含まれる油分でゴムがさらに劣化します。

印鑑登録の条件は「長く変形しないもの」であり、朱肉で捺印するため、ゴム印は適しません。

シヤチハタ印

シヤチハタ印は、スポンジのような構造を持っています。

このスポンジ状の印面から朱色のインクが押し出される構造のため、耐久性はゴム印よりも劣ります。
印面をピンセットでつまむと、ゴム印よりも柔らかいことが分かります。
また、補充インクを間違えるとインクが固まったり、捺印制限があるため、耐久性には不安があります。

つまり、印鑑登録にはゴム印以上に適していません。

最後に

ゴム印やシヤチハタは柔らかくて捺しやすいので、事務作業や荷受け確認、学校への提出物などには非常に便利です。
しかし、印鑑登録や公的文書では、利便性よりも正確性が求められます。
自治体によっては、百均で販売されているようなプラスチック印材も使用不可とされる場合があります。

参考までに、印章の価格は耐久性に比例します。
木材は朱肉の油で脆くなる可能性が高いですが、象牙やチタンは朱肉の油の影響を受けず長持ちします。

一見同じように見える印鑑も、構造は異なり、目的に応じて作られています。
それぞれの印鑑の特性を理解し、適切にご利用ください。

登録できる印章の購入はこちらから

 

 

鈴印

〜印を通してお客様の価値を高めたい〜

鈴木延之
代表取締役:株式会社鈴印

1974年生まれ。
A型Rh(+)

1932年創業、有限会社鈴木印舗3代目にして、現プレミアム印章専門店SUZUIN代表取締役。専門店として、印章(はんこ)を中心としたブログを毎日発信。本業は印章を彫る一級印章彫刻技能士。
ブログを書き出したきっかけは、私の親父が店頭で全てのお客様に熱く語っていた印章の価値や役割そして物語を、そして情報が散見する中で印章の正しい知識を、少しでも多くのみなさまに知っていただきたいから・・・
だったのに、たまに内容がその本流から全く外れてしまうのが永遠の悩み♡

一級印章彫刻技能士
宇都宮印章業組合 組合長
栃木県印章業組合連合会 会長
公益社団法人全日本印章業協会 ブロック長

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