極論を言えば、実印は三文判だって登録さえできれば契約上は問題ありません。
じゃあなぜ良い実印を使うのか?
実印は自分の意思を証明するモノ、つまり契約の際の想いや覚悟を伝えるモノ。
つまり「契約」の重みを知っている方というコトになるから、良い実印を使うのです。
契約の重みを知っているというコトは、逆に相手に安心感を与えるコトにも繋がります。
だって軽いノリで契約されたら、多大な迷惑が掛かる可能性がありますからね。
今回はある自動車販売の方から聞いたお話をご紹介
実印の取り扱いは、その方の信用と比例します
その自動車販売の方はこうおっしゃいました。
「やはり良い実印をお使いの方は、不思議とちゃんとなさってる方が多いですよね。」
そんなお話を伺うと、私は逆に意地悪な質問をしたくなります♡
「逆に実印が三文判の方って、結構危うい方が多くないですか?」
「確かにそうかもしれません。もちろん全員が全員じゃないんですけど、そういえばこんなコトがありました。
ご自宅に伺うとそのお客様は『これ持ってっていいよ〜』って気軽に実印を渡していただけたんです。鈴木さんがご指摘のように、確かに三文判でした。
なのでお借りして契約書に私が代わりに捺印して、お返ししたんですね。
すると後日そのお客様から連絡があり『あっ、そうそう。この間交わした仮契約、やっぱなしにして』
えっ・・・
仮契約じゃないんですけど・・・
でも他のお客様のご紹介だったので、仕方なくキャンセルとしました。
もうその後、上司からこっぴどく怒られましたね(苦笑)
まあ法律上からすれば、通らない話ですからね〜本契約書の署名捺印して、キャンセルってのは。
こちらの事例は担当の方が融通を利かせられるポジションだったからまだ救われたのかもしれませんけど、相手が変われば全く通じない話になっちゃいますからね。
結局こういった1つ1つに、その方への信用が積み重なってしまうように思えてなりません。
自分の意思は相手に伝わってこそ意味がある
契約の際のご自身の意思の強さって、なかなか伝わりにくいものがあります。
「俺、この車もの凄く欲しいんだよ!」って思ってても、言ってても、相手にその真意まではなかなか汲み取れません。
「あなたが好き」と言っても、どこまで本当か分からないように♡
イヤな経験があるのか♡
やはり言葉に態度が備わってこそ、伝わる部分も多いですよね。
実際大きな契約事って、会って間もない方と交わす場合の方が多い訳です。
つまりお互いにどこか不安を抱えながらのやり取りとなります。
だからその不安を払拭するためにお店側は、お店を綺麗にし、身なりを整え、態度をきちんとします。
じゃあお客は適当でいいのか?
そんな事はないと思います。
大きな契約の時って、自分はちゃんとした人間だって思ってもらいたいですよね?
そのためには一番それを見られる所をちゃんとしておくべきなんです。
それが「実印を押す」という行為なんです。
まとめ
誰もが「自分は信用に値する人間だ」と思ってもらいたいと、どこかでは必ず思っています。
でもそれには実績が伴います。
だから日本では実績が分かりやすい肩書きが、いまだ重要視されますよね。
それと同じで、やはり自分を分かりやすく伝える手段が日本には昔からあります。
それが実印なんです。
どんなに「この契約に一生を捧げる」と思っても、捺印が三文判じゃどこか不安を与えてしまいます。
なぜならそれじゃ、どんなに強く思ってもただの独りよがりにしかならないからです。
自分の意思は相手に伝わってこそ意味がある。
捺印、つまり契約の実印を押すという行為は、相手に自分の意思を証明する行為です。
契約書の前では売る側、買う側の立場の優劣はありません。
お互いフィフティフィフティです。
だからこそ、自分の意思が強さの証明に、しっかりした実印を想いをこめて押して下さい。
それがあなたの価値になりますから。